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(24)無評価観察を超えたマインドフルネス・  自己洞察瞑想療法(SIMT)(2) [2021年09月15日(Wed)]
【連続記事】なぜうつ病になるのか なぜ自殺が起きるのか

(24)うつ病の治療法としてのマインドフルネス

(2)無評価観察を超えたマインドフルネス
 自己洞察瞑想療法(SIMT)(2)

 こうして、評価の現場で起きるうつ病ですから、当初から、そういう現場でも、二度と再発しないで、完治をめざして開発された日本のマインドフルネス心理療法がSIMTです。

 欧米の無評価の観察のマインドフルネスとの違いをあげると次のとおりです。

★うつ病だけでない
 うつ病だけではなく、ストレスでおきる問題はすべて対象とする。うつ病、非定型うつ病、パニック症、PTSD,社交不安症、適応障害、過食症、家族や職場の対人関係など。本年末に出版の本は、がん患者の死の不安、うつ病、自殺防止まで扱う。
 マインドフルネスのうちでも、MBCTは、うつ病に特化していますが、SIMTは汎用性があります。生きていく上での、いきがい価値実現の哲学に裏打ちされているからだと思います。たとえ治らない障害であっても、うつ病にならずにすみます。

★8週間ではなく、10カ月を標準とする
 上記のような問題は、MBCTのような8週間では完治しない、寛解にすぎない。前頭前野などの機能低下部分が回復するように心理療法で完治するまでには、長期間かかるからです。パニック症やPTSDなども、8週間では完治しません。脳内の変調は厳しいものがあります。

★対人場面でおきる感情にある本音の評価
 対人場面でない場所での無評価観察ではありません。対人場面のまっただ中で自分も相手も評価して感情を起こすものであるとの実際の状況における観察の方法のトレーニングを実践します。難しいので、10か月かけます。こういう病気は、それほど深刻です。自殺という症状があるので、簡単ではありません。

★10段階のトレーニング
 添付のように、少しづつ高度の観察手法をトレーニングしていく。このなかに、評価の瞬間、感情が起きるその瞬間の観察をトレーニングします。

http://mindfulness.jp/ma-therapy/s1-10--table.pdf

★いきがい、人生価値の観察
 短期の目的行動だけではなくて、長期の人生価値のための行動を選択するトレーニングを含みます。集中力さえあればいいというものではない。依存的なことに集中するのではまずい。詐欺師もハラスメントをする者も集中力はすぐれているだろう。だが、他者の苦悩の共感がない。SIMTは、自分や他者の生きがい、価値を重視する訓練を行う。他者の苦を共感して、他者を苦しめることを抑制する。ハラスメント、いじめ、うそによる他者の苦悩を予測して抑制する訓練を含める。

★自己の観察
 MBSR,MBCTには、自己の観察はないが、SIMTでは、自己も観察します。ACTにも、自己の観察がありますが、SIMTとは違うところがあります。SIMTの自己は、昔から日本人が探求してきたものです。(参照:西田幾多郎、鈴木大拙など)
 右矢印1 https://blog.canpan.info/jitou/archive/2384

 このように、10か月かけて実践するので、よく実践できる人は、うつ病等が完治して、自殺しないですみます。(下の注)
 がん患者は、告知後、自殺するひとがいます。入院中でも自殺が起きています。新著は、がん患者のうつ病、自殺防止までカバーする人格的自己のマインドフルネスです。

 SIMTは無評価の観察のマインドフルネスも包含します。浅く狭いので、排除すること なく、初歩の段階に位置づけられます。つまり、SIMTは、無評価観察のマインドフルネスと共生できます。マインドフル・ライフ協会は、種々のマインドフルネスと共生して、いろいろなマインドフルネスと共生していました。
 いろいろなマインドフルネスがありますが、対象領域(痛み、集中力、うつ病予防、各種の精神疾患の治癒、死の問題、その他など)、対象者、希望者、支援者の選択が違うので、違う支援方法があって、共生するのは当然です。 対人場面でなければ、SIMTでも第1,第2ステップあたりでは、無評価観察に似ています。ほかに、対人行動中での観察もありますが。

このように治っています

 上記の特徴を持つマインドフルネスSIMTです。うつ病やパニック症が改善しています。 その一例を紹介しました。  機関誌「マインドフルネス精神療法」の第7号で、マインドフルメイトの佐藤福男氏には、改善事例を多く紹介していただきます。

 ほかの治療法で治らないうつ病などが、SIMTでなぜ治るのでしょうか。その考察は、こちらにしてあります。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4847

(注)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/1312
★うつ病は自殺念慮という生命がかかっている深刻な病気です。
 種々の治療法があるので、あう治療法を家族がさがして・本人はさがす気力も働かないので
 もちろん、SIMTも。10か月の実践ができないひともいる。SIMTがだめならほかの治療法をためしてください。SIMTは、標準が10カ月、それ以上は引き留めない。クライアントをカウンセラーに依存させない。SIMTも本人の実践の量と質によるから、治る人、治らないひとがいる。
治療法が種々あるから、絶望しないで、別な治療法を試すといい。絶望すると「8050問題」や、自殺にもなりかねない。 SIMTのカウンセラーは、うつ病のクライアントには、生命がかかっているのをよく承知しているので、いい加減なことはできません。難治性のうつ病のかたの支援は難しいし、相当の時間とエネルギーを必要とする。だから、これを本務にしようという人は大変少ない。

(文献)
大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
大田健次郎(2014)『 不安、ストレスが消える心の鍛え方――マインドフルネス入門』清流出版
3冊目の表題は、まだ、変更の可能性がありますが、「死を超えるマインドフルネス」(仮題)のようなものです。西田哲学、鈴木禅学でいう最も深い自己まで探求するものです。がん患者や難治性の病気などの死の不安や差別され人格否定された人の自己嫌悪に陥った人の苦悩の解決などに貢献できることを期待します。すべての人の根底の絶対平等を自覚します。



【連続記事目次】なぜうつ病になるのか なぜ自殺が起きるのか
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4786
Posted by MF総研/大田 at 16:13 | 自殺予防対策 | この記事のURL