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(20)うつ病やPTSDなどがSIMTでなぜ治るのか [2021年09月11日(Sat)]
【連続記事】なぜうつ病になるのか なぜ自殺が起きるのか

(20)うつ病やPTSDなどがSIMTでなぜ治るのか

 マインドフルネスSIMTでうつ病やパニック症が改善しています。 その一例を紹介しました。  うつ病についての生物学的基盤、脳神経背理学的基盤は、その方面の研究者によれば、 うつ病は神経生理学的に広範な障害が起きている。前の記事で述べた。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4846

 そういう脳内の変調が、SIMTでなぜ治るのだろうか。 PTSDによる自殺も報道されている。メランコリー型、非定型うつ病、PTSDは、HPA系のありさまが違うのだが、みな、マインドフルネスSIMTで治るひともいる。もちろん万能の治療法などないから、SIMTでも改善しないひとがいるが。どうしてなのか、SIMTの課題での改善方向と、現在の症状の強さのバランスがとれないからとか、課題を理解できないからだというのもあるだろう。SIMTのカウンセラーの育成、配置が迫られる問題である。

メランコリー型も非定型うつ病もSIMTで治る理由の考察

 薬物療法で治りにくいうつ病もある。メランコリー型でも非定型うつ病でも、PTSDでもマインドフルネスSIMTで改善するひとがいる(もちろん、全員ではないが)、脳の部位の本来の心の用い方の訓練をするからではないだろうか。すなわち、背外側前頭前野や前帯状皮質のワーキングメモリーの働きは、 SIMTでは「意志作用」にあたる。
 眼窩前頭皮質の対人交流の働きは、SIMTで、本音と感情の観察の仕方の訓練をするので、眼窩前頭皮質および前帯状皮質の通常の働き(自己や相手の本音を読む、高次の情動発現や長期的展望に基づいた意思決定など)を繰り返し用いていることになるのではないかと思う。

 無評価で観察するマインドフルネスも、背外側前頭前野は活性化させるだろう。しかし、対人場面での訓練ではないので、対人場面で重要な働きを担う眼窩前頭皮質の活性化は弱いだろう。SIMTは、まさに、対人場面で起きる感情と本音の観察の訓練を繰り返すので、眼窩前頭皮質や前帯状皮質の機能が回復して、その低下による非定型うつ病、PTSDなどにも改善効果があるのではないだろうかと私は推測している。

 SIMTは、対人場面における感情が本音との比較評価によって起きるとの理解をもって、衝動反応でなく価値実現的行為の選択を目指して、自分の本音の観察、相手の本音・感情の推測の訓練を継続するので、背外側前頭前野と眼窩前頭皮質の活性化はもちろんであるが、家庭や職場の日常的な対人場面の処理をうまく行うようになるのであるから、HPA系も本来の状態になるのではないだろうか。

対人場面の反応が感情が起きても、適切に反応してストレス的状況をうまく処理してストレスが収まるというパターンになり、HPA系の過剰な亢進のメランコリー型も、抑制の非定型うつ病(そして、PTSDも)も、本来のHPA系の作用になり治癒するのではないだろうか。そして、ストレスが低下して、HPA系、交感神経の過活動は少なくなり、各種の炎症も回復して、症状(痛み、抑うつ、鉛様麻痺感、意欲低下など)も消失するのだろう。

 社会生活、つまり家族との生活、職場での対人関係も、 長期的な価値、いきがいを崩壊させないように瞬間瞬間を処理していく。円満な家族関係、長期的に職業生活を維持するためには、眼窩前頭皮質の健常な機能が必要であるにちがいない。 モラルなどの高次の情動発現や長期的展望を見ながらのその都度の目的遂行の働きの連続である。眼窩前頭皮質の機能の活性化が核心であるに違いない。
 多くの哲学者が「いうように、力有るもの(科学団体、研究室でさえも)の独断偏見、私利私欲、ハラスメントの抑制もここである。

 誰もがんになる可能性がある。がんであると告知を受けても、長い闘病生活においても、感情が起きるのであるから、慢性的なストレスが続く生活となり、やはり、 眼窩前頭皮質、背外側前頭前野の活性化、HPA系の健常な働きがキーになるであろうことは容易に推測できる。がんになっても、マインドフルネスSIMTを推奨したい。  現在、死の克服の深い探求までもカバーした著書の執筆中である。12月ころの出版をめざす。

☆SIMT=自己洞察瞑想療法。 マインドフルネス心理療法の一種、他のマインドフルネスと違って、評価する心理の観察を重視する。専門家の独断、偏見、エゴイズムなど闇の心も「評価」なのである。 自分の見方を執着しているのである。決して無評価ではない。
・大田健次郎『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社。
・大田健次郎『 不安、ストレスが消える心の鍛え方――マインドフルネス入門』清流出版 ・3冊目を12月に出版予定

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https://blog.canpan.info/jitou/archive/4786
Posted by MF総研/大田 at 07:06 | 自殺予防対策 | この記事のURL