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(11)SIMTで何が変わるのか [2021年07月03日(Sat)]
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【連続記事】適応障害にもマインドフルネスSIMTを
 =うつ病、非定型うつ病、不安障害、過食症、自律神経失調症、家族の不和にも


【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819 (目次)

マインドフルネス心理療法SIMTとは
(11)SIMTで何が変わるのか

 「マインドフルネス精神療法」は、開発者のうつ病の克服が源流ですので、まず、うつ病等の人は、症状が軽くなり、完治するひともいます。1年ほどの実践が必要です。 なぜ、そうなるのでしょうか。SIMTは、認知レベルではなくて、行動レベルです。一人で食べる、歩くような一人の行動ではなくて、仕事や家族のために必要な行動をするレベルです。

 西田哲学は、認識(認知)論、実践論(目的行為)、実在論(自己とな何か)をいいます。この3つが明瞭になります。自分が、見る聞くする時(認知)、感情を起こすのは自分に基準があるためだということがわかり、対人関係をあまり悪くしないような反応(行為)をするようになります。そのために、心の病気が改善します。

 もともと、精神疾患ではないひとが実践するこことがあります。SIMTを用いて支援するマインドフルネス瞑想療法士の講座を受けるひとは、8か月〜10か月、SIMT「を実践します。 その体験記によれば、次の変化があったと報告されています。

 心の病気でなくても、家庭や職場での人間関係がおだやかではなかった人も「多かったのが、SIMTの実践によって、 かなり変化したという報告が多いようです。詳細にみると、次のようです。

★本音の観察を繰り返して、怒りのコントロールができるようになった。

★家族のことを心配しすぎる傾向があった。SIMTを実践して「家族の底力を信頼できていない」という本音が強いことに気づいた。そして、心配でつらいということが和らいだ。自分が変わったことによって、家族も変わった。過剰に心配されて家族の負担になっていたのだ。

★自分では意識にあげたくなかった本音があることに気づいた。

★友人と会話している時、イライラして自分の本音で嫌味を言っていたのに、気づいて、嫌味を言わないようになって、友人関係が好転した。

★短気で周囲の人間関係において価値崩壊を招きやすかった自分が、言動にブレーキをかけられるようになった。

★自己中心的な本音の多いことに気づき、エゴイズムが人間の本質であることが、まざまざと感じられて、「至誠」に生きることの尊さを考えさせられた。

★家族とのトラブルが減った。子供に、ほとんど怒らなくなった。不快なことがあれば静かに話すようになった。配偶者に対しては、時々言い返すが、冷静な対応ができるようになった。

★不快な感情が起きた時に、すぐ思考をチェックしてマイナスな事を考えていたことに気づけるようになった。

★感情に支配されて、反射的攻撃的な態度をとることが少なくなった。実際、イライラすることも減ってきた。

★配偶者に対して劣等感をもっていた。家庭は配偶者のものと思っていた。コミュニケーションが不全だったように思う。それがSIMTの実践によって、建設的な会話が増えて、自分の家庭での役割を強く意識するようになり、家庭は私と配偶者と子供それぞれ作用しあって作りあげていくもので、協力的になっていった。

★職場の人間関係が険悪でつらかったが、自分の本音のほか、相手にも本音があるとわかり、価値実現の応対をするようになって、人間関係が好転した。

★我利、自利にとらわれていたことに気づいて、利他や至誠の生き方をしたいと思うようになった。

★自分は楽天的な性格と思っていたが、SIMTを実践して、小さな問題、本音をかかえていたことに気づいた。残業が多くて、過労からの自殺になるのではと恐怖を感じていたが、とにかく「今、ここ」の仕事、価値実現へ向けて行動していくようになり、仕事が楽になった。

★不安症のある子どもにも、自分からSIMTを教え、いっしょに散歩しながら自己洞察を続けた。不登校、退学もあったが、アルバイトしながら勉強を続けていて、やがて独り立ちできると思うほどになった。

★子育てのなかで、怒りと、その後に襲ってくる後悔が少なくなった。怒りを我慢して表に出さないのではなく、怒りをぶつける以外の対応方法にその場で気づけるようになった。 子供の本音が見えるようになり、無駄な親子の衝突が減った。

★知り合いの人で自殺するひとがたくさんいる。SIMTを実践してみて、自分の人間関係も変わり自殺を防止できると思った。

★配偶者との関係がよくなかった。相手のみが悪いと思っていた。ところが、SIMTを実践してみて、本音の観察をするうちに相手に不快さを感じる言動には自分にも原因があると思うようになった。不安や怒りをコントロールできるようになった。自分が変わっていったのだろう、相手の行動が変わってきて、ねぎらいや感謝の言葉をかけてくれるようになった。夫婦関係が好転した。

★不思議なことに、配偶者が実家の親との関係が不仲だったが、夫婦関係がよくなったため、実家にいだいていた恨み 憎しみが消えて、実家との関係改善が起きた。自分が変化したためであったようだ。「君のおかげだ」と感謝された。

★自分が変化したせいか、息子の頭痛、倦怠感、不眠、耳鳴りが軽くなった。

 まだ、ほかにも多数あるが、ここで終えます。 SIMTは、クライアントの精神疾患の改善ばかりではなく、講座を受けて資格認定の条件として、受講者にも実践してもらうので、それを通して 受講生自身の家庭での夫婦関係、親子関係、職場における人間関係、さらに実家との関係が改善しています。だから、精神疾患でない人が実践すれば、多くの点から、人生を生きる基本的な内面の平穏さを向上させて、幸福感が増す効果がみられます。それは、西田哲学の真実の功績だということです。

 以上は、日本マインドフルネス精神療法協会の機関誌「マインドフルネス精神療法」の第4号〜6号から、マインドフルネス瞑想療法士レジスタードマークの講座を受講した人の体験記から 抽出しました。
 SIMTはすべての人が実践していただきたいと常々思っていて、表現もしています。皆様がそれを証明してくださっています。ありがとうございます。
 そして、オルテガや西田幾多郎などが批判する大学の人や宗教者が実践すれば、仏教学や、マインドフルネス学、心理学、医学などに変化をもたらして、社会がどんなに住みやすいものになるかを予想できます。ありえない夢です。

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kikansi/kikansi-mokuji.htm
★「マインドフルネス精神療法」

【注】
大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2334
★自己洞察瞑想療法(SIMT)の起源

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2335
★自己洞察瞑想療法(SIMT)という名称の由来
【参考】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4100
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2787
★自分のものに執着することで、一般のひとが他のものを知る機会を奪うことによって救済される機会を妨害することになる

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3161
★ 「宗教は心霊上の事実である。哲学者が自己の体系の上から宗教を捏造すべきではない。哲学 者はこの心霊上の事実を説明せなければならない。それには、先ず自己に、ある程度にまで宗教 心というものを理解していなければならない。真の体験は宗教家の事である。」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3226
★今生きている現実の世界を足場に

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3227
★西田哲学の実践論

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3270
★物となって見、物となって考え、物となって働く

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3582
★後期西田哲学の実践論

大乗仏教や西田哲学の研究もすすんで、全体の展望が開けてきた。最近のこの書をおすすめしたい。
竹村牧男『唯識・華厳・空海・西田』青土社、2021
【参考記事】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3029
★人格的自己、超個の個

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3161
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3582
★最も深いマインドフルネス

【がん患者の苦悩、入員患者の自殺などの記事】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/1783
★がん患者の心のケア

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2302
★医療現場の「宗教」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2583
★死の不安の克服
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2595
★死の不安の克服

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2293
★死の現場(父)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4687
【書籍】「死にゆく人と共にあること」ハリファックス
 (書名のとおり、立ち会う人のものであり、死にゆくことを意識し苦悩する当人のものではない。そこにいて支援する人のためのマインドフルネス)
【関連記事】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3572
★自己の階層

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2080
★ACTの観察する自己、視点としての自己、文脈としての自己
 「ACTを実践する」(パトリシアAバッハ、ダニエルJモラン、星和書店)では、次のようにいう。
 ACTの自己は、「エゴのない状態」(P230)、「連続的で安定したもの」(p232)、「私的体験の外側にある」(p340)、「視点としての自己」は変化することはない。観察者としての自己は、変化しないという性質を持っている」(p340)
 =「死」は、これさえも消滅する、苦悩。ACTでは扱えない苦悩。普通、「魂」とみなしているものとちがうのか。仏教では、それは否定された。道元も否定した。ACTの自己は、割合簡単に体験し、観察できるものであるが、エゴがないというが、仏教では、簡単に自覚できる自己は、我利我執のエゴイズム的な見方しかできないという。大乗仏教は「末那識」といった。西田哲学も意識する自己(意志的自己と 叡智的自己)は自分の価値を重視する独断的な(エゴ的)見方をすることが多いという。 エゴのない自己になるのは、相当に厳しいというのが、禅仏教である。ACTの自己は大乗仏教や東洋哲学の深い自己とは違うようだ。ただし、ACTは、ACTの効果の見られる領域で貢献している(有用性)。 これは、SIMTも同様で、SIMTもある領域(うつ病、PTSD、パニック症などの改善など)で効果があり貢献している。MBSRは痛みの緩和や集中力など、MBCTは、うつ病の再発予防などと、それぞれがある領域で有用であり、すべて共生していけばいいのだ。それなのに、無評価をいう専門家の中に、無評価だけがすぐれているかのように、「マインドフルネス」は宗教を排除したものというものがいる。つまり、大乗仏教の深い観察の有用性理解せず排除する独断、エゴ的である。宗教レベルの「マインドフルネス(自己洞察)があり、「死」の問題で悩む人に貢献できる。ターミナルケアの領域で。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2078
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2195
★リネハンの弁証法的行動療法の自己
 ACTの自己よりも深い自己。
 深刻な苦悩は、深い自己の哲学でないと解決できません。
これは、パーソナリティ障害の治療法。
「がん患者」の死の問題も、すべての人、精神疾患でない人にも必要な心の探求。 また、専門家のエゴイズムによる社会的損害の問題も、深い自己の哲学でないと救済されないでしょう。
種々の「マインドフルネス」がありますが、適応できる問題領域が違うのです。無評価の観察だけを偏重しないでいただきたい。

 東洋、日本には、昔から深いマインドフルネス(=認識論、実践論)、深い自己の哲学(実在論)があるのに、専門家の保身、理解不足により、一般のひと、学生に知らされていません。
【参照】竹村牧男「唯識・華厳・空海・西田」青土社、2021年
 本書に「心の世界遺産」という語が出た(p351)。私(大田)は、自己洞察実践のあるものを「マインドフルネス」とみなし、 「マインドフルネス心の世界遺産」と称している。

【専門家はエゴイストになりやすい】
 自分が生き残るために
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2991
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2777
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2787
★叡智的自己

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3452
★西田哲学で説明する叡智的自己まで宗教ではない自己の階層

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3653
★「ソラリス」

知的自己から人格的自己まで.jpg

(続く)

【参考書】大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社。

【参考書】大田健次郎(2014)『 不安、ストレスが消える心の鍛え方――マインドフルネス入門』清流出版。(価値についての詳細を述べている)

『図解 うつ・不安障害を治すマインドフルネス 前編』大田健次郎、日本マインドフルネス精神療法協会
 上図は、本書のp18、セッション5 (このテキストは、マインドフルネス瞑想療法士の認定講座で配布されるテキスト。前編は18ページ、後編30ページの小冊子)



https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819
【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは



Posted by MF総研/大田 at 19:44 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL