(4)適応障害にかかる人は多い [2021年06月02日(Wed)]
【連続記事】適応障害にもマインドフルネスSIMTを
(4) 適応障害にかかる人は多い適応障害にかかる人は多いようです。DSM-5には、「有病率」として、次のように記載されています。有病率 「適応障害の有病率は研究対象や評価方法によって大きく異なるが、大変ありふれたものである。 外来で精神科治療を受けている人のうち、適応障害を主診断とする人の割合は、およそ5−20%である。病院での精神科コンサルテーションでは適応障害が最も多い診断名で、しばしば50%に達する。」 (p285) うつ病は、こうです。 「米国におけるうつ病の12カ月有病率はおよそ7%であり、また18〜29歳までの有病率は60代以上に比べて3倍であるなど、年齢集団によって大きく異なっている。また青年期早期以降では、女性の有病率は男性の1.5〜3倍である。」(p165) 厚労省の資料では、『うつ病」の日本での有病率は、こうなっています。 「診断基準や地域などにより大きなばらつきがみられますが、平成14年度に岡山、長崎、鹿児島 の3都市の20歳以上の住民を調査した結果1)が報告されています。それによるとICD-10の診断 基準を用いた場合、12ヶ月のうちに病気にかかる人の割合(12ヶ月有病率)は、うつ病が2.2%、 いずれかの気分障害が3.1%、いずれかの精神障害が8.6%となっています。また一生のうちに一度 は病気にかかる人の割合(生涯有病率)は、うつ病が7.5%、いずれかの気分障害が9.0%、いずれ かの精神障害が18.6%となっています。WHOはうつ病の有病率を3〜5%と報告しているので、 100人いると 3〜5 人はうつ病と診断されることになります。」 がんの告知を受けたひとのうち、1年以内に自殺するひとが多いそうですが、「適応障害」になってしまうのでしょう。だから、がん患者のメンタルのケアが重要です。アメリカの場合、「病院での精神科コンサルテーションでは適応障害が最も多い診断名で、しばしば50%に達する。」と記述されています。 日本では、どうでしょうか。がんの告知を受けた人が適応障害になってしまわないように、また、なってしまった人のケアをしないと,進行して、うつ病になったり、自殺のおそれがあることになります。 (続く) (参照文献)『DSMー5 精神疾患の診断・統計マニュアル』高橋三郎・大野裕監訳、医学書院、2014年 【目次】適応障害にもマインドフルネスSIMTを https://blog.canpan.info/jitou/archive/4810 |