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研究、教育が好きで、臨床するのは嫌い [2021年05月19日(Wed)]
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【連続記事】なぜうつ病になるのか なぜ自殺が起きるのか

研究、教育が好きで、臨床するのは嫌い

 なぜ、自殺がなくならないのでしょうか。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4793
★研究者、教育者だけいて、臨床する心理士が少ない

 前の記事に追加しました。

 自殺が減少しません。危機的な状況であり、はっきりと事態をみるべきと思い、申しあげます。うつ病は、近隣の科学の領域の多くの研究者から、無視、傍観されてきました。アメリカでは、うつ病を治すマインドフルネスもあるという翻訳書が多数出版されましたが、日本では、10年たっても、うつ病などが完治するまで実際の臨床を行うひとは現れません。
 「マインドフルネス」の学問?のすぐ近くにも、死にたくて苦しむうつ病のひとが多くいます。マインドフルネスも、多数の翻訳書があり、大学などで、講義されているでしょうか。 研究者、講師が、学生に講義することは、「教育」です。臨床ではありません。
 研究者や講師、心理士が、うつ病の患者(クライアント)に教えて治す支援をするのが「臨床」です。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4050
★学者は臨床が好きではありません(無評価観察の限界をいうポージェス)
 論文を書かなければ「評価」されません。
 臨床では、時間がたくさんかかります。論文にするような新しい知見はありません。ただ、ただ、苦しむ人が治るようにすでに完成されたに近いスキルをアドバイスし続けます。

 ポージェスは、評価の現場に、無評価観察のマインドフルネスは両立しないといいました。 私は、うつ病の臨床について言います。研究する仕事や教育する仕事と、うつ病を完治に導く臨床を大勢に次々と提供する仕事とは両立しません。時間的にも無理です。研究、教育の喜びと多様な背景を抱えた患者さんと直接に対面してアドバイスしていく喜びとは全く違います。 選択する価値が全く違うのです。研究、教育する人で、うつ病の患者さんが治るまでよりそうことを好きになるひとはいないと思います。心の病気を抱えて、つらい毎日を暮らしている患者さんです、そういう人とあうのです。「マインドフルネス」の研究者、教育者(無評価の観察のマインドフルネスの推奨者も含み)に問います。そういう仕事を好きになれますか。やっておられますか。

 このままでは、治りにくい患者さんの無視、傍観の状況が続きそうです。

 私は高齢のため、まもなく、引退しますので、あとをみなさまに託します。うつ病の臨床のまねごとをさせていだきましたが、「マインドフルネスSIMT」では、とても多くの時間と厳しいストレスがかかります。完治するまで1年もかかります。
 これから、うつ病、不安症、PTSD、過食症などの心理療法の臨床を、国、自治体、医学系の大学、心理学系の大学では、どう考えておられるのでしょうか。明確な計画があるのですか。無視、傍観、誰かがするのに期待ですか。

 精神科医はどうでしょうか。10年前のNHKの報道とあまり変化はないでしょう。うつ病のほか、不安症、統合失調症など種々の精神疾患の患者を診察します。うつ病は一部です。10分診療というほど、たくさんの患者を診るので、それ自体で完治するほどの丁寧な心理療法は提供できません。心理療法は診療報酬は安いので、経営が成りたたない。
 臨床心理士が認知行動療法を提供することもあるでしょう。しかし、認知行動療法は、第二世代の認知行動療法で、治らない患者も多いというので、アメリカでは第三世代の認知行動療法として、マインドフルネスが期待されたのでした。第二世代は、軽症うつ病にあまり効果がないと言われます。第二世代の認知行動療法でもなおりにくい患者さんが多い。

 そんなわけで、うつ病が治らない患者さんには、完治させるまで提供するような療法があまりないようです。 だから、医師の治療を受けているうちに、治らないので、長引きます。何かつらい状況になると自殺が起こります。
 自殺が減少しないで、高止まりであるのは、こういう状況であるためでしょう。色々な支援制度がありますが、それでも、うつ病が治らない場合、治す治療法の提供がないので、苦しみつづけるということになります。ひきこもりの長期化、8050問題、自殺。どのような対策をとるのでしょうか。
 第三世代というマインドフルネスSIMTで、重症も軽症も治る患者さんがおられますが、これは提供できる人(マインドフルネス瞑想療法士レジスタードマークという)が多くなくて、普及していません。

 うつ病が従来の治療法では治らない患者のための新しい治療法の開発を、国、自治体、医師会、大学の研究者などどういう計画をお持ちなのでしょうか。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3549
★第三世代の認知行動療法

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4798
★広島大学は、この研究開発中
 完治するまでの方法を開発していただきたい。
 不安症、PTSD、過食症などは?
 孤独、家族の不和からのうつ病も完治しますか?

(続く)

(注)
*1=SIMT=日本で開発された自己洞察瞑想療法/自己洞察瞑想法
*2=大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
*3= http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kouza/textbook.pdf

*4= https://blog.canpan.info/jitou/archive/2787
★叡智的自己=社会益を妨害して自分の利益を優先する専門家がいる

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4128
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3568
★臨床者(実践する少数派)を排除する教育担当者(臨床しない多数派)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4198
★うつ病の心理療法の臨床者はきわめて少数

(参考)
★地方創生SDGsパートナーシップ関係
http://mindfulness.jp/sdgs/20-02-target3-4.pdf 
【ターゲット】3.4  (この法人の主な領域=自殺の減少)

http://mindfulness.jp/sdgs/21-goal-3.pdf    
【ゴール】3

http://mindfulness.jp/sdgs/21-goal-17.pdf   
【ゴール】17

http://mindfulness.jp/sdgs/SDGs-Program-12.pdf   
私たちのプログラム12

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4738
★大震災の被災地はあとあとまで精神的ストレスから心身の不調が
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4740
【目次】孤独、差別および自殺の問題を解決して身心の健康と生きがいある人生を地元で

【連続記事目次】なぜうつ病になるのか なぜ自殺が起きるのか
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4786
Posted by MF総研/大田 at 09:48 | 自殺予防対策 | この記事のURL