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一人のマインドフルネス瞑想療法士が支援できるのは年間4,50人 [2021年05月11日(Tue)]
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【連続記事】なぜうつ病になるのか なぜ自殺が起きるのか

一人のマインドフルネス瞑想療法士が支援できるのは年間4,50人

 なぜ、自殺がなくならないのでしょうか。

 種々の悩ましいライフ・イベントからうつ病になって、自殺するひとが多いのです。うつ病になると一部のひとが薬物療法で回復するが、治らない人も多い。すると、心理療法での支援が有力ですが、うつ病を回復する支援をする専門家が少ないです。

 昔から、うつ病の認知行動療法があったのですが、これで治らない患者も多いのです。そこで、アメリカでは、難治性のうつ病を支援する心理療法として、「マインドフルネス」を加える心理療法を研究開発してきたのです。MBSRそのままではなくて、それを別の理論を持つ心理療法に付加しています。

 日本では、これを受けられる心理士を見つけることは難しいです。

 日本で開発された全般的マインドフルネスを付加したSIMT、自己洞察瞑想療法は、1年近くかかるという経験によって、10か月継続できるように組み立てました。

 この方法は、うつ病などが長く治らないというひとの「相談」を受けます。アセスメントして、SIMTが効果的であろうと評価すると、毎月1回のセッションを行います。毎月宿題が与えられます。その課題の方法の説明と実演です。標準時間は1時間30分です。毎日、宿題の実施と日記の記録をしてもらいます。翌月に、日記を提出してもらいます。
 (今後は、スマホで日記を提出送付してもらって、すぐにアドバイスする方式が有力です。)

 翌月のセッションで、日記を提出してもらいます。これを見て、カウンセラー(MMT)は、アドバイスします。30日分の日記に目を通して、アドバイスを書いて、郵送します。これに、一人1回、2時間から30,40時間かかります。多いのは、数時間くらいです。

 治したいという希望者が少なければ、これを毎月1回、繰り返します。希望者が多ければ、セッション、つまり、課題の説明と実演は、グループ(集団)で行います。一つのグループは10人くらいです。

 一人のクライアントは、うつ病だけとは限りません。不安症、過食症、PTSDなどとの併存もあります。家庭の事情も異なり、理論どおり簡単にはいかないひともいます。こうやって、支援すると、一人に、1年近くかかり、一人のカウンセラーが扱えるひとは、年間40−50人です。もっと、多数扱えればよいのですが、今の方式では、フルタイムで活動してもこれくらいです。
 これからは、標準的なセッションの課題の説明や実演は、DVDVや動画をスマホで提供する方式も開発できるかもしれません。しかし、個性のある各人の生活、症状から来る質問、悩みへのアドバイスはやはり、生身のカウンセラーが一人ひとりの日記を見ないとできないでしょう。

軽症の人にはグループセッションで多数支援

 重症の人の場合、上記のようですが、症状の軽いひとが多ければ、グループ・セッションをセッション1から10まで行っていく方法があります。軽いので、日記も簡単であり、分量は多くないでしょう。コメント、アドバイスは総合的に簡単に述べます。この方法だと多くの人に提供できます。
 ほとんど、自分ひとりで行うようなものですが、クライアントは、その場でも質問できますし、希望者には、メールやオンラインで個人セッションで補うことができます。

支援者も相当のストレスを受ける

 「死にたい」というひとびとのための「相談」事業があります。これも、相談を受けるひとは自分の言葉に注意するでしょうから、かなりのストレスになるでしょう。 その時限りの相談ですから、一瞬が決めてです。相当のストレスのかかる仕事だと思います。

 そして、SIMTのカウンセラーも、違うかたちで相当のストレスになります。同じ一人のクライアントと1年近く、コミュニケーションしていくのです。症状のアップダウンがあり、つらさを訴えてこられます。脱落しないよう、衝動的な反応をしないように、アドバイスし続けなければなりません。このような仕事ですから、たいていのひとはしりごみして、実際の臨床に乗り出さないでしょう。研究者、教育者は、このような、一人 のクライアントに、長期間の臨床をしている人はすくないでしょう。そういうことをする時間がないはずですから。
 そして、始めても、高齢になってきたSIMTのカウンセラーは、引退していきます。高齢になると、クライアントから受けるストレスを、カウンセラーの受容の限界を超えます。高齢になると、MMTが引退していかれます。(私もまもなく引退です)

 全国の自治体に相当数の患者さんがおられるので、多数のカウンセラーがいないと希望にそうことはできません。
 うつ病になるのは、他の精神疾患や育ちのつらさ、家族問題も関連しており、薬だけで治るとは限りません。 政府が本気でうつ病の回復、自殺の防止を希望するならば、心理療法にも力を入れてもらいたいものです。しかし、悲しいことに、今の本務で忙しい研究者、教育者は新しいことをする余裕がないのではないかと思われることです。もう、十年も似たような状況が続いています。
 ひきこもりの長期化、8050問題にも、薬では効きにくいメンタルな問題があるでしょう。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/1828
★2009年
 うつ病が治らない! ほかに不安症、PTSDなども治りにくいひとがいる

(クリックすると拡大されます)
pp-@改善支援プログラム -何人できるか.jpg

(続く)

(注)
*1=SIMT=日本で開発された自己洞察瞑想療法/自己洞察瞑想法
*2=大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
*3= http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kouza/textbook.pdf

*4= https://blog.canpan.info/jitou/archive/2787
★叡智的自己=社会益を妨害して自分の利益を優先する専門家がいる

(参考)
★地方創生SDGsパートナーシップ関係
http://mindfulness.jp/sdgs/20-02-target3-4.pdf 
【ターゲット】3.4  (この法人の主な領域=自殺の減少)

http://mindfulness.jp/sdgs/21-goal-3.pdf    
【ゴール】3

http://mindfulness.jp/sdgs/21-goal-17.pdf   
【ゴール】17

http://mindfulness.jp/sdgs/SDGs-Program-12.pdf   
私たちのプログラム12

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4738
★大震災の被災地はあとあとまで精神的ストレスから心身の不調が
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4740
【目次】孤独、差別および自殺の問題を解決して身心の健康と生きがいある人生を地元で

【連続記事目次】なぜうつ病になるのか なぜ自殺が起きるのか
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4786
Posted by MF総研/大田 at 19:14 | 自殺予防対策 | この記事のURL