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ひきこもりの人たちの中に精神疾患や障害の人も [2021年04月22日(Thu)]
地方創生SDGs 官民連携プラットフォーム
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ひきこもりの人たちの中に精神疾患や障害の人も
 =中高年のひきこもり、8050問題(6)

 斎藤環氏によるひきこもりのひとたちの支援には、うつ病、不安症、PTSDなどの精神疾患のひとはあまり対象とならないようである。前の記事で紹介したように(注2)。
 しかし、やはりいくつかの相談事業には、ひきこもりの人のなかに精神疾患や障害の人たちがいて、相談サービスがある。そのあたりを紹介しているのが、川北稔氏だ(注3)。

 厚生労働省の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」(2010年)がある。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000006i6f.html
http://www.ncgmkohnodai.go.jp/subject/100/22ncgm_hikikomori.pdf

 これでは、ひきこもりを3つの群に分類できるとしている。(注3,p29)

第1群は、統合失調症、気分障害、不安障害などの精神障害と診断され、かつ発達障害 を併存していない群であり、薬物療法などの生物学的治療が不可欠ないしはその有効性が 期待されます。

第2群は、広汎性発達障害や知的障害などの発達障害と診断される群で、この群には発 達特性に応じた精神療法的アプローチやソーシャル・スキル・トレーニング、さらに具体 的な生活・就労支援を中心とする取り組みが必要です。

第3群はパーソナリティ障害や身体表現性障害、同一性の問題などを主診断とする群で、 この場合は、精神療法的アプローチや生活・就労支援が中心となります。またここには第 1群で気分障害や不安障害を主診断とする事例のうち、薬物療法が無効なために心理−社 会的支援が中心になるものも含まれます。医療機関や保健・福祉分野の相談支援機関、カ ウンセリング機関、青少年育成や労働に関する相談支援機関、民間支援団体などによる治 療・支援を活用すべきです。

 川北氏も、「ひきこもる人のなかには精神疾患がある人がいるが、第1章でみたように精神科や「こころの健康相談」に足を運ぶことに抵抗感を抱いている場合も多い。」しかし、医療機関で診断を受け、一定の手続きを取ることで、障害のある人向けの各種サービスを利用できることがある。」(注3,p106)という。

 「そのなかには、趣味の活動や参加者同志の交流ができる場所に通う居場所型の支援や、仕事に就けるようにサポートをおこなう就労支援もある。障害者手帳を取得して一般企業で働く場合、手帳を持っていることを周囲に明かさない場合もあれば、障害者雇用枠を利用する場合もある。」(注3,p106)

 色々な支援窓口があるので、「連携しながら支援をすすめている」(p83)

 さて、ここで、一つ関心があるのは、第1群のなかに分類されている、第1群の「気分障害、不安障害など」である。これに、該当する本人や家族が現状の支援に満足していないケースがあることだ(注4)。治るに違いないと思って、こちらに相談してこられる中には、うつ病、不安症、PTSDなどが何年も治らないというひとが、マインドフルネスSIMTを1,2年実践して完治することもあるのだ。アメリカの場合には、第3群の境界性パーソナリティー障害に、弁証法的行動療法がある。

 だから、もう一つ、支援プログラムを考慮してもいいのではないかと思う。うつ病や不安症は治る可能性のある「病気」ではないのか。それなのに、ずっと障害として生きるか、うまくいけば完治することもあるのとでは、大きな違いではなかろうか。このような、難治性の精神疾患の人を「治す」支援が望まれる。

 時間があれば、SIMTで完治したひとたちの、罹病期間が何年だったのか、集計してみたい。「ひきこもり状態」」だったはず、さんざん他の療法を受けたをあとで改善した例だ。治る可能性のあるうつ病、不安症の支援サービスがまだある。
 私たちだけでは、長く治らない、うつ病や不安症などで、マインドフルネスSIMTを試行してみたいという人がどこにおられるのか把握できないし、リソースが不足しているので、地方創生SDGsプラットフォームの会員の皆様や埼玉県SDGsパートナーの会員の皆様とのパートナーシップで進めていきたい。

(注1)SIMT=Self Insight Meditation Therapy/Technology。自己洞察瞑想療法/自己洞察瞑想法。大田健次郎『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社

(注2)斎藤環(2020年1月)『中高年ひきこもり』幻冬舎新書

(注3)川北稔(2019年8月)『8050問題の深層』NHK出版新書

(注4)こちらに、治った事例の記事へのリンクがある。
 http://mindfulness.jp/simt-evidence.htm
http://mindfulness.jp/sdgs/21-goal-17.pdf
★内閣府の地方創生SDGs官民連携プラットフォーム
 =このうち、ゴール17がパートナーシップ

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0102/sdgs_partner_registered.html
★埼玉県SDGs官民連携プラットフォームのパートナー


【目次】孤独、差別および自殺の問題を解決して身心の健康と生きがいある人生を地元で
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4740
Posted by MF総研/大田 at 18:59 | ひきこもり | この記事のURL