• もっと見る
«(4)高齢者を預かるデイ・サービス | Main | (6)がん患者に対する心理的なケア»
(5)うつ病などの改善のための連続セッション [2021年03月13日(Sat)]

孤独、差別および自殺の問題を解決して身心の健康と生きがいある人生を地元で
(5)うつ病などの改善のための連続セッション

 前の記事、 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4742
で、孤独や自殺の解決のために考えられる対策の一つに、こういうものがあると書きました。

★うつ病などの改善のための連続セッション
治療が必要なうつ病の人は医師の治療を受けながら平行して、マインドフルネスSIMTの実習(半年から1年)。


 「マインドフルネス」って、集中力の向上とか、うつ病の再発予防ではないの? と思われていると思いますが、マインドフルネスSIMTは違います。

 マインドフルネスとは「正念」であり、心の観察です。浅い心理の観察から深い心理の観察まで多種の「マインドフルネス」があります。心理現象には、多数あって、初期仏教は75 個を列挙し、大乗仏教は、100個を列挙しました。エゴイズムの心理も含まれています。現代のマインドフルネスの中には、エゴイズムの心理を観察しない流派もありますが、SIMTは観察します。どこまで観察するかによって、種々の「マインドフルネス」観察の方法があります。SIMTは観察する範囲を限定せずに、すべて観察するという方針です。

 SIMT(Self Insight Meditation Therapy/Techonology)は、自己洞察瞑想療法/ 自己洞察瞑想法です。これは、うつ病、非定型うつ病、PTSD、パニック症、過食症などの重症の人であっても、取り組んでもらって、改善してもらう支援をします。だから、自殺防止になるのです。

 SIMTは、すべての心理現象を観察するので、上記のような精神疾患の改善だけに留まりません。すべてのひとが、人生価値を生き抜いていくための基本的な内面の用いかたになります。 各種の専門家は、自分の価値だけを優先して、近づくひとを苦しめるエゴイズムの行為を犯すことが多いです。オルテガは大学のひとにもそれが多いことを指摘しました。どうして、そうなるのでしょうか。

 「マインドフルネス」には、種々のものがありますが、当然、違いがあります。「マインドフルネス」=観察の範囲、観察の方法の相違を次の記事で簡単に述べたことがあります。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2838

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2846

 浅いマインドフルネスは「無評価」のトレーニングだけですが、それは、対人場面では使えません。しかし、SIMTは対人場面での「評価」する観察のトレーニングも重視します。

 上記にあげた精神疾患は、対人場面や評価する・される場面での心の使い方によって、起きるものが多いです。家族からの会話、職場での上司からの言葉、ハラスメントの行為、SMSの言葉、政治家の発言、・・・、評価が充満する社会です。ここで、厳しく評価されて、病気に追い込まれます。SIMTでは、そういう場面での観察のトレーニングをするので、重症でも治り、再発しにくいのです。

 評価の観察まで含まれているのは、「無評価」ではないものまで観察する、リネハンの弁証法的行動療法や日本の自己洞察瞑想療法(SIMT)です。前者は、提供しているカウンセラーを見つけることは難しいです。リネハンの弁証法的行動療法のマインドフルネスの定義の(3)は、「評価」する観察です。

(3)個人の価値や人生の目的と一致する行動や活動にエネルギーを注ぐこと

 これは、自分の見るもの、思考、行為、発言が「価値」に一致しているか評価判断しなければなりません。自分や相手にエゴイズムの心理(闇の心という社会心理学者もいます)があれば、価値を崩壊します。SIMTの場合も、価値実現か価値崩壊か「評価」の観察をします。働く人、産後うつ病の人、子どものうつ病自殺、過労による自殺、がん患者のうつ病自殺(次の記事で詳細に考察) 、ハラスメントによるうつ病自殺、被災者のうつ病、PTSD、実に幅広い領域で、うつ病があり、自殺があります。

 こういう疾患の改善は、簡単ではなくて、浅いマインドフルネスでは治りません。SIMTでも1年近くかかります。それだけに深刻だからです。浅いマインドフルネスで3か月くらいで治るものなら、自殺はなくなります。しかし、そういう病気ではないのです。
 がん患者の死の不安は、特に深刻です。仕事などの創造価値の苦悩ではないのですから。次の記事で述べます。  こういう深いマインドフルネスもあることを大学では教えてくれません。大学は多数説のみを教えているようです。そうでなければ、もっと深いマインドフルネスが普及するはずです。うつ病の人たちにも、情報が届いて、治って自殺しないですむはずです。

 幅広い年代で、うつ病、パニック症、PTSD、過食症などが治らずに、生きがい、人生価値をみつけることができず、みつけても、上司のハラスメント、過労などでうつ病になり、治らず、死んでいかれます。改善法がないのならまだしも、あるのです。1年近くも支援するカウンセラーがごく少数います。情報が届くことを祈ります。また、ほかのひとも、カウンセラーになっていただきたいです。



(参考)
★地方創生SDGsパートナーシップ関係
http://mindfulness.jp/sdgs/20-02-target3-4.pdf 
【ターゲット】3.4

http://mindfulness.jp/sdgs/21-goal-3.pdf    
【ゴール】3

http://mindfulness.jp/sdgs/21-goal-17.pdf   
【ゴール】17

http://mindfulness.jp/sdgs/SDGs-Program-12.pdf   
私たちのプログラム12

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4738
★大震災の被災地はあとあとまで精神的ストレスから心身の不調が
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4740
【目次】孤独、差別および自殺の問題を解決して身心の健康と生きがいある人生を地元で
Posted by MF総研/大田 at 21:43 | 自殺防止対策 | この記事のURL