がんなどの病気で死別した遺族は2割近くがうつ症状 [2020年11月09日(Mon)]
がんなどの病気で死別した遺族は2割近くがうつ症状国立がん研究センターが国の委託を受けて初めて実施した大規模調査の結果が公表された。病気で家族を亡くした後、1年以上経過しても抑うつ症状がある人が1〜2割、深い悲しみを抱いている人が2〜3割に上る。 また、生前に介護の負担を感じた人は4〜5割に上る。 家族の心理的な負担、悲しみが強く、 闘病中から死別後までも家族を支援する仕組みが求められている。 https://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/ASNBZ7GGGNBXULBJ018.html ★ここに報道 この領域のメンタルな支援に活用できる可能性があるのが、深いマインドフルネスであろう。 なぜならば、「死」は最も深刻な苦悩である。 (1)自己の死の予期不安・悲嘆と、残していく家族の行く末の予期悲嘆 (2)家族の死の予期悲嘆と死後の喪失悲嘆がある。 1993年以来、うつ病などの人の坐禅による克服法を目指して坐禅会をやってきた。もちろん、死を意識するがん患者さんが自己とは何かという禅の基本的な核心部分の探求があった。 10年ほど前から、「マインドフルネスSIMT」の会というふうに、名前を変えたが、内容は一貫している。マインドフルネスSIMTになってから、言葉の説明が多くなった。 いつも、がんになっておられる人が参加していた。家族が同行することもあった。残されていく家族の悲嘆という問題があるので、家族がいっしょに、参加するのがよいと思う。 本人の問題は、自己の死生観の確立である。自己とは何か、何が生きているのか、死とは何か、死後があるのか。私どもの場合、禅、西田哲学になる。キリスト教が好きな人は教会にいかれるであろう。(ただし、日本の人は、禅、西田哲学でいうものと同じでよいというひとは、これで探求できる。前の記事の内村鑑三に親しい人のように。) マインドフルネスは広く深い終末期のがん患者さん、難病の患者さん、そして、家族のケアの「マインドフルネス」が重要な問題であることは間違いない。「マインドフルネス」は宗教を排除したということを自慢げに言うのは、終末期ケアの研究が学問ではないかのように聞こえるから困る。偏見を生みやすい。古来、日本には、死の問題を探求してきた禅がある。宗教である。しかし、宗教の禅を研究するのは、宗教学であり、哲学である。それは学問である。死の不安を深く観察した人たちが禅や真宗に多くいる。それも自己の苦悩の観察であるから「マインドフルネス」である。 がん告知後、そして、終末期における患者、および家族、遺族の精神的なケアのマインドフルネスが研究されねばならない。それは、「宗教的なテーマ」を含むことが必須である。宗教哲学が貢献するのである。 アメリカの人は、もうすでに、無評価の観察のマインドフルネスを越えたマインドフルネスに乗りだしている。これもまた、日本人は遅れた。鈴木大拙や西田哲学と同じく自己の深い内奥の働きを主張して現代の問題に応用するのも、アメリカが先行している。どうして、日本は遅れるのだろうか。
これは、かなり深い自己です。しかし、日本の哲学やハリファックス(「死にゆく人と共にあること〜マインドフルネスによる終末期ケア」)は、絶対に対象にならない内奥の働きを言います。リネハン(「弁証法的行動療法」)の賢明な自己も大変深い自己です。どこまでマインドフルネスできて、どこまで現代の精神医療に貢献できるか、学問的な検討を回避せず、議論すべきです。 マインドフルネス=正念=心の観察、洞察は、深く広い。キリスト者でもあり、禅の悟りを得た秋月龍aは、悟っても「正念相続」は続くといった。至誠の正念を実践して、自己の内奥の超個を体験した超個の個の人は、それを慈悲利他の行為(悩む他者への具体的な行為のない瞑想ではない)に乗り出していくときもマインドフルネス(正念)である。 ハリファックス(「死にゆく人と共にあること〜マインドフルネスによる終末期ケア」)のマインドフルネスは、宗教レベルである。宗教を排除などとは言っていない。逆に、最も深い内奥(哲学者が超越、超個、絶対的一者という)のことが随所に出て来る。だから、日本では深い哲学をもった禅で探求されたことである。しかし、日本では、終末期ケアのプログラムを開発していない。輸入する状況である。日本人は、うつ病などを「治す」マインドフルネスも遅れて、宗教レベルの仏教、禅を終末期ケアの現場のためのプログラムも開発しなかった。今、ハリファックスのものを導入しつつある状況である。それをすすめる人は、「マインドフルネス」は無評価だけとは言っていない。 感覚の無評価の観察だけが、マインドフルネスであり、「宗教を排除したもの」などということはやめてもらいたい。「宗教」は重要である。マインドフルネスの領域も、学問的な論争を妨害してはならない。研究者でさえも、自分の説に批判する少数説を封じ込めて、学問の自由を妨害する人がいる。研究者は「マインドフルネス」を自己満足のためだけに使うのではなく、社会の人の問題解決のために使ってほしい。異分野から参入してきた研究者は、科学者であるならば、長い歴史を持つ「自己洞察」に関係してきた禅や仏教や宗教哲学の学問の成果からいう議論、批判を「マインドフルネス」の科学的研究において、さけないでもらいたい。 全国に、マインドフルネス瞑想療法士がおられます。つらい人は、一度、お話しを聴いてみませんか。 埼玉県は、こちらがあります。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4683 ★がん患者さん、ご家族もどうぞ。マインドフルネス総合研究所の会には、いつも、がん患者さんやご家族が含まれています。 ★マインドフルネスSIMTで治った人達 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4564 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4565 http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/m&a/evidence.htm ★うつ病などが改善した事例 ★仏教にも種々の宗派があるように、「マインドフルネス」(自己を観察)も種々の種類があります。効果のある問題が違ってきます。 ☆マインドフルネスSIMTは、欧米の無評価で見る=観察の方法(MBSR,MBCT)を越えて、見る、考える、行為するの全局面において、価値に合致しているか評価して、価値実現の反応を体得していく手法です。欧米のマインドフルネスでも深い「弁証法的行動療法」(リネハン)に類似します(これも、無評価だけではなくて、価値的かどうか評価しています)が、 日本の最も深い禅を論理化した西田哲学を理論とします。 ★マインドフルネスのうちでも、自己洞察瞑想療法(SIMT)で、うつ病、非定型うつ病、パニック症、PTSDなどを改善したひとがいます。 薬物療法で治らない、非定型うつ病や重症のかたがするので、1年ほどかかります。うつ病は自殺したくなる症状のある深刻な病気です。だから、深いマインドフルネスSIMTでも、1年くらいかかります。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4531 ★自殺対策の種々の記事 |
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Posted by
MF総研/大田
at 23:06
| さまざまなマインドフルネス
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