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(2)見て見ぬふりする人と正当な批判者を封じ排除する人、告発するカサンドラ [2020年09月16日(Wed)]
3密にならないように留意しながら、コロナと共に生きていきます。
★9月19日(土)、マインドフルネス精神療法研究会
★9月20日(日)、マインドフルネス瞑想療法士🄬認定講座、当期第4回
★9月25日(金)、マインドフルネス心の健康体操
★9月27日(日)、マインドフルネス瞑想療法士🄬認定講座、前期第10回
【書籍紹介】 「見て見ぬふりをする社会」マーガレット・ヘファーナン

(2)見て見ぬふりする人と正当な批判者を封じ排除する人、告発するカサンドラ

 この本には、社会の不正義がよく見えて告発する「カサンドラ」を描いています。(カサンドラがどういう人なのかの詳細は後の記事で)

 カサンドラから告発される人達は数でいえば、極めて多数です。西田哲学でいう叡智的自己にあたります。自分の専門領域で活躍して幸福だと思う人です、つまり、極めて狭いことしか知らない専門家です。他のことを知らないのです。自分の枠内の対象論理的信念、定義、基準の枠内で見る人。広い視野で見ることを心掛けていないと、専門家は誰もがこうなるのだというのです。(カサンドラは、これを越えた立場で見れる人)

 さて、本のタイトルは、「見て見ぬふりをする社会」ですが、人としては、2種類を描いています。

1、見て見ぬふりをする人々
  =苦悩する人々が救済されないことを招く消極的な行動をする人

2、正当な批判を封じたり排除する人
  =苦悩する人々が救済されないことを招く積極的な行動をする人

 多くの専門家が、この2種に該当する結果、苦悩する人々が救済されません。種々の産業領域で起きていることを示しています。

 こういう人々が多いと、専門家でない人々の苦悩がなかなか救済されません。そこで、この2つを批判して対抗するのが「カサンドラ」です。

◆カサンドラ

 ここでは簡単に紹介します。

 「古代ギリシャ神話に登場するカサンドラ」(P292)
 「カサンドラは文学史上はじめて、物語を作る上での貴重な技巧、神の視点という設定を読者に示した登場人物だ。 登場人物がみなカサンドラを嘲笑する中、読者は彼女を信じるので、同時に相反する2つの視点を追うことになる。我々がそこから学ぶのは、どんな状況にも我々が見のがす真実というものがあるが、本当はそれらの真実は目に見えているものなのだ、ということだ。そして彼女は我々にもっとも多くを知る者は、しばしば人々から憎まれるという教訓を与えてくれる。」(p292)

 こういうギリシャ神話に登場するカサンドラから、ハンナ・アーレントは、「カサンドラ」を現代でも様々な領域で、見て見ぬふりをする人たち、意見をいう良き人を排除する人達の良くないところが見えて批判的な行動をする人のことを「カサンドラ」と呼ぶ。「カサンドラ」は、次のような特徴がある。

 「世界中にはにはカサンドラ、つまり他の人々にはわからないことを知る運命にある人々がたくさんいる。見て見ぬふりをせず、不都合で挑戦的な真実を叫ばなければならないと感じる人々だ。だからこそ、ある業界や組織が崩壊した後に、危機がやってくるのを知り、それを警告したのに、あざけられたり無視されたりした人々の存在が発覚する。」(p293)

 カサンドラは、たくさんいて、世の中を変えようとする。

 「カサンドラたちはしばしば内部告発者にもなる。他の者が直視できない事実を見抜くだけでなく、それに対する行動を起こし、運命を変えようとするのだ。」(p294)

 カサンドラは種々の職業に中にいるという。 こうした特徴を見ると、宗教の領域では、大乗仏教の経典に出て来る「常不軽菩薩」を思い出します。その人は「あなたがたは仏になるかたがたです」というが、そう言われた人は理解しようという努力をせず気分が悪いと、追い払って石を投げつけます。宮沢賢治は、これになりたいと思っていましや。すべての人の根底に仏性があると大乗仏教の核心が、他の人に見えないところが見えていました。それで、そのことをいうという行動を起こしますが迫害されます。
 今でも、多くの組織で正当な深い意見が排除されているでしょう。ビジネスや官庁での不都合は内部告発されます。学問的見解が重視される領域では、もっともな新説、新しい知見によって従来の学説がくつがえります。歴史的に、以前の多数派の無理解、抑圧が明らかになります。

 カサンドラは、種々の職業の中にいて、不都合な事実が見えて、見て見ぬふりはできず改善、告発の行動を起こします。

 金子みすゞも見えないものが見える人でした。しかし、賢治もみすゞも若くして死にました。カサンドラですね。

(続く)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/1812
★無視・傍観・軽視・放置・見放される病 (2009/9/15)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
★「見て見ぬふりをする社会」 (2016/10/24)
【書籍紹介】『見て見ぬふりをする社会』
マーガレット・ヘファーナン、仁木めぐみ、河出書房新社、2011年

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4650
(目次)

Posted by MF総研/大田 at 14:40 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL