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(1)自分が何も知らないということを認める謙虚さ [2020年09月15日(Tue)]
3密にならないように留意しながら、コロナと共に生きていきます。
★9月19日(土)、マインドフルネス精神療法研究会
★9月20日(日)、マインドフルネス瞑想療法士🄬認定講座、当期第4回
★9月25日(金)、マインドフルネス心の健康体操
★9月27日(日)、マインドフルネス瞑想療法士🄬認定講座、前期第10回
【書籍紹介】 「見て見ぬふりをする社会」マーガレット・ヘファーナン

(1)自分が何も知らないということを認める謙虚さ

 マアルーフ氏のいうことはどこにもある。日本にも至るところにある。だから、西田幾多郎、鈴木大拙、金子みすゞなどが指摘したのだ。今も変わらない。それを他の人も指摘している。

 マアルーフ氏の問題点を確認したところで、同じことを指摘している他の人を見ていこう、と言いました。

 最後に、マアルーフ氏の不思議な言葉を引用しておきます。
     「いま私たちには自分が何も知らないということを認める謙虚さが必要です。」 (『アイデンティティが人を殺す』 アミン・マアルーフ、小野正嗣訳、筑摩書房、p125)
 どういう意味でしょうか。マアルーフ氏の本では、この意味を読み取るのは大変難しいので、マアルーフ氏から離れて、別の人からこれを解明します。

 世の中は、「これこそ真実だ。」という人、批判する人を排除する人が多いではありませんか。そして、後になってから不正や怠慢、無知、無理解、ずれがあった、選択的抽出による学説構成などが発覚したり、学問的にくつがえされたりすることが大変多いのです。最近の例としては、ハンセン病、大乗仏教の学問的解釈の新説があります。ビジネス上や官庁の行為のいじめ、不正の内部告発が最初は認めず後で事実が解明されることが数多くあります。

 だから、自分が何も知らないということを認めていないのです。それなのに、マアルーフ氏の言葉は不思議です。 こういう人は、大学、教会などに多いといいます。 益々、不思議です。学生、信者を前にして教えることをほこりとする職業の人達が「 何も知らないこと」を認めたくないのではありませんか。そう、認めません。しかし、見えないものがあることを、 他の深く考察するひとたち(オルテガ、西田幾多郎、金子みすゞ、など)の共通の「評価」「観察」です。
 正論なのに排除する人を私も見ましたね。世の中、こわいです。誰を信用したらいいのでしょう。なぜ、こういうことをするのか。大乗仏教では、我利我執によるものとしています。現代の学問ではどう説明しているか。それを教えるのがこの本です。
 この本で紹介される人達が信用できるひとたちです。不正、不誠実が見えて、告発する者「カサンドラ」。
 (カサンドラ症候群とは全く別の意味になります。この本独特の定義です。 そして、これを研究する学問があるそうです。 冷静な内部告発者です。
 現在、世界各地で独裁的政治に抵抗する人たちも、見えないものが見えて批判する告発者でしょう。この本の著者も言っています。告発者は殺されることもある、しかし、行動せざるをえないのが「カサンドラ」。見て見ぬふりができない人々。)

(続く)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/1812
★無視・傍観・軽視・放置・見放される病 (2009/9/15)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
★「見て見ぬふりをする社会」 (2016/10/24)
【書籍紹介】『見て見ぬふりをする社会』
マーガレット・ヘファーナン、仁木めぐみ、河出書房新社、2011年

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4650
(目次)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4653
(3)差別心、利己心は意図的か

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4651
(2)見て見ぬふりする人と正当な批判者を封じ排除する人、告発するカサンドラ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4650
(1)自分が何も知らないということを認める謙虚さ
Posted by MF総研/大田 at 19:46 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL