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仏教は教団の内と外から再検討が必要 [2019年12月28日(Sat)]

書籍紹介
『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』
『幸福と人生の意味の哲学』

 2著の幸福の哲学は深いことで類似しているように見えます。青山氏と山口氏の2つの著書を並行で見ました。もう少し、関連することを少し述べます。

哲学者が超越をいうのに、仏教者がいわない状況の奇妙
 〜仏教は教団の内と外から再検討が必要

 仏教には問題があると指摘されてきました。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3470
★組織内に強力なリーダー

 従来の定義、解釈、方針と違うことを主張するためには、内部に強力なリーダーの出現が必要。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3471
★組織外で新しい仏教が起きる

 内部で変革が難しければ、組織外のメンバーが行うしかない。

 これに関連するのが、青山氏の指摘する集団内で生き抜いていく悲しい智慧。正義を主張せず、幹部の意向を忖度しないと不幸になるおそれがある。左遷、排除、解雇、追放、いじめ、収入減、・・・。損得を考えざるをえない。正義も主張できない。従来の解釈と違う学問的な見解を述べる学問的な自由もない。

 「ある組織体が将来どの方向に進むべきかを、当事者であるその組織体のメンバーが論じあうーー。これはごく普通のことですが、上記の議論(交渉)のあり方がそこに絡んでくることによって、やっかいな問題が生じてきます。端的に言って、自分自身の生活が懸かっている以上、自分の損得を考えない「正しい」決論を打ち出すことはきわめて難しいのです。 組織についてうっかり「正しい」ことを言えば、自分だけでなく自分の同僚や家族も露頭に迷うかもしれません。」(青山p167)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2344
★西田哲学
 集団が個人を否定する社会悪、個人が組織を否定する個人悪

 組織の全体方針だとして個人の自由を奪う社会悪、幹部に迎合する者には楽であるが、学問的に良心的に違う意見を持つメンバーは苦しみ不幸である。組織がメンバー全員に押し付ける社会悪。逆に個人のエゴイズム、損得で組織を否定して損害を与える個人悪。組織が衰退、破滅していく。

 このように、幹部もメンバーも自分の行為にエゴイズムがあることに気づき、他のメンバーや組織の生命をなるべく否定しないように配慮しないと、組織そのものが衰退して幸福でないメンバーが出てくる。

 「幸福の哲学」を言う哲学に「超越」をいう。もちろん、大乗仏教や禅に「超越」に当たる自内證、悟りをいう哲学者もいる。西田幾多郎、西谷啓治、鈴木大拙、井筒俊彦、秋月龍a、竹村牧男、小坂国継、藤田正勝、佐伯様啓思、板橋勇仁、・・・。 しかし、超越をいう仏教者は少ない。 宗教は「超越」であるはずなのに、哲学者も真剣に考えて超越をいうのに、仏教者、禅の人がいわない状況の奇妙さ。だから、仏教、禅は教団の内と外から再検討が必要 とされる。

 自分の見聞きすること、考え、欲求、行為にエゴイズムがないかどうか「観察すること」=「マインドフルネス」は、自分や周囲の「幸福」と「不幸」に大きく関係する。
 病気でたとえれば、やさしい病気、たとえば、風邪の治療しかしない医者ばかりでは国民は困る。難しい病気の治療ができる医者も必要だ。

文献
青山拓央(2016)『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』太田出版
山口尚(2019)『幸福と人生の意味の哲学』トランスビュー


【書籍紹介】
『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』
『幸福と人生の意味の哲学』

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4459


Posted by MF総研/大田 at 14:45 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL