CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«(16)悪の意識なく意図しないでやってしまう差別・偏見・排除 | Main | (18)異邦人のまなざし»
(17)論文に海外の文献ばかりを引用 [2019年12月04日(Wed)]

(17)論文に海外の文献ばかりを引用

もう一度学問にある専門家多数派のエゴイズムを考える

(参照) 綿野恵太『「差別はいけないとみんないうけれど』平凡社

 日本では日本人による多数派とは異なる学説が、日本人によって紹介されることは少ないという。そうなると集団内のメンバーや学生、国民は、少数説すなわち多数派の説を批判する説を知ることができない。多数派の意見がいつまでも、教えられ続ける。メディアも多数説だけを紹介し続ける。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3670
★学者は平気でうそをつく

 「森田療法は、・・・・認知療法・認知行動療法という最新の精神療法とも似通った点があり、近年では世界的に見直されてきました。・・・・ その考え方は時代を大きく先取りするものだったのです。・・・。 日本の学者はとかく欧米の概念をありがたがりますが、日本発の技術には、欧米で評価されるまで気づかないのが残念なことです。」(和田秀樹、p100)J

 日本の学者は、日本人のすぐれた学説を評価できない、紹介しようとしない傾向があることは、ほかの人々も警告しています。お二人紹介します。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4198
 すでに、このことを紹介しましたが、ここに引用した文章の前の文もご紹介します。
 「私は職業哲学者であり、人生経験もその方向に偏っていますが、哲学研究と重要感の関係についても少しだけ述べさせて下さい。日本の哲学研究には独自性がない---海外の哲学の後追いにすぎない---という風説がありますが、本当に欠けているのは、・・・」(青山p159) (上の記事に続きます)

 「 良い邦語文献がある場合でもーー海外文献にしか言及しない例などはよく見られます。」

 もうお一人。革新的な説を日本の多数派で認めないので、海外に流出していく問題です。

 「学問の世界、研究開発の分野、経済の領域、あるいは芸術の分野などでも、様々な「現実嵌入」が生じていて、探求することが正当に評価されなかったり、ルールに則って進めることが阻害されたり、良いものが良い評価されなかったりといった妙な歪みがあちこちで生じていることが見えてきます。有能な研究者やスポーツ選手、芸術家なdが、日本の「世間」で不当な扱いを受け、国外に脱出して成功する例も少なくありませんが、そこにこの種の問題の存在が如実に表れているように思います。」(泉谷p92)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4351
現実嵌入= 「「現実嵌入」とは、「現実」が割り込むように嵌(はま)りこんでくることを指す言葉ですが、この「現実」とは、相手との関係や「世間」的しがらみを含むような内容のことです。」(p40)

 大学の学問にかなり広く、我利、エゴイズムの心理が広がっているような感じです。 このような自己中心の暗い心理は、大乗仏教では「煩悩」として気づくようにしなければならないのでした。世界の立場でなく、自己(の利益、の価値、の幸福)の立場であるから。


連続記事目次
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4413
もう一度学問にある専門家多数派のエゴイズムを考える
(参照)「答えのない世界を生きる」小坂井敏晶、祥伝社


【参考】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3962
☆西田幾多郎、大竹晋氏による仏教批判

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3270
☆物となって見、物となって考え、物となって働く
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3359
☆至誠の実践
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3329
☆「後期西田哲学の実践論」の論文

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3270
★エゴイズムのない深い自己、堕落の観照とは

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3875
★忖度社会ニッポン

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4100
★オルテガ「大衆の反逆」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4419
★少数説を知ることができる場を作る

【参照】
 綿野恵太『「差別はいけないとみんないうけれど』平凡社
 北村英哉・唐沢穣『偏見や差別はなぜ起こる?』ちとせプレス
 鷲田清一『濃霧の中の方向感覚』晶文社
  山口尚『幸福と人生の意味の哲学』トランスビュー
 青山卓央『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』太田出版
 泉谷閑示『「私」を生きるための言葉』研究社


https://blog.canpan.info/jitou/archive/3288
★日本には深い自己観察の哲学と実践がある。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3789
★仏教者の「思想的な怠惰」
Posted by MF総研/大田 at 10:04 | エゴイズム | この記事のURL