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(15)どう生きるかではなくて自己とは何か一 [2019年11月04日(Mon)]

『善の研究』(15) NHK Eテレビ 100分de名著

 =マインドフルネス心の世界遺産

 NHK Eテレビで、西田幾多郎の「善の研究」を紹介しています。28日、第4回(最終回)が放送されました。いくらか感想を述べさせていただきます。

どう生きるかではなくて自己とは何か一

 最終回は、「善の研究」ではなくて、西田哲学の最終論文「場所的論理と宗教的世界観」からの引用がありますので、とてもむつかしいです。

 西田哲学は、自己とは何か、世界とはどういう構造になっているのかを場所的論理で説明しています。しばしば、「どう生きるか」という本が出版されますが、それは宗教的でないもので間に合います。「価値」を見つけていきていくのです。宗教ではない、カウンセリングで支援できます。
 しかし、「自分とは何ものか」を答えるのは少ないでしょう。西田哲学は、それも扱っています。


 「いかなる場合に、我々に宗教問題と云うものが起るのであるか。宗教心というものは、いかなる場合に、意識せられるのであるか。宗教の問題は、価値の問題ではない。我々が、我々の自己の根底に、深き自己矛盾を意識した時、我々が自己の自己矛盾的存在たることを自覚した時、我々の自己の存在そのものが問題となるのである。人生の悲哀、その自己矛盾ということは、古来、言いふるされた常套語である。しかし、多くの人は深くこの事実を見つめていない。 どこまでもこの事実を見つめていく時、我々に宗教の問題というものが起って来なければならないのである(哲学の問題というものも実はここから起こるのである)。」(「場所的論理と宗教的世界観」旧全集11巻393-394頁)

 「宗教の問題は、我々の自己が、働くものとして、いかにあるべきか、いかに働くべきかにあるのではなくして、我々の自己とはいかなる存在であるか、何であるかにあるのである。」(同、11巻406頁)

価値の問題ではない

 生きているのがつらい人、生きる意味をどうしてもみつけられない人、人格を否定された苦悩を持つ人(虐待、パーソナリティ障害、犯罪被害など)、死後この自分はどうなるのか苦痛の人、宗教の違いで苦悩する人、カルトで苦しむ人などには、必要とされるでしょう。従って、宗教を排除してはいけません。深刻な苦悩を持つひとがいます。解決できなくて、自殺する人もいます。宗教を嫌悪するのは自由ですが、排除するのは重大な偏見でしょう。自分が理解できないことは、科学や芸術や民族の思想習慣などにも無数にあるでしょう。 自分が理解できないで嫌悪するものは、排除するのであれば、ごく少数の賛同者だけで生きるということであり、違いがあっても、そのままで共生していく、現実の世界の共生の原理に違反します。

 日本のマインドフルネス=自己観察は、こういうところまであります。ほかのマインドフルネスでも扱うものはすべてカバーしています。対人場面でない「無評価」の観察も、対人場面や社会の何かを表現し批評される「評価の現場」の「評価」の観察もカバーします。
 うつ病、不安症、PTSD,過食症、人間関係、ひきこもり、いじめ、セクハラ・パワハラなどの被害者、どう生きるか、など、などは、評価の現場で起こりますし、評価の現場に参画できにくくなっているものです。評価のマインドフルネスも重要です。
 そして、さらに、上記のような当為についての苦悩でなく、自己存在の苦悩の解決のための、自己存在のマインドフルネスも必要です。  研究開発はまだ開始したばかりです。悩む対象者は、数百万人にもおよぶでしょう。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3930
★大乗仏教非仏説を超えて

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参照
「100分de名著 善の研究」若松英輔、NHK出版

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4382
★目次(1)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3329
★後期西田哲学の実践論
 「実践哲学序論」を中心に
★「マインドフルネス心の世界遺産」の索引です
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/sekai-isan/mokuji-sekaiisan.htm

(注)マインドフルネス心の世界遺産の例=河井寛次郎、大山忠作。
★河井寛次郎
★大山忠作
Posted by MF総研/大田 at 21:26 | マインドフルネス心の世界遺産 | この記事のURL