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(14)一即多・多即一 [2019年11月03日(Sun)]

『善の研究』(14) NHK Eテレビ 100分de名著

 =マインドフルネス心の世界遺産

 NHK Eテレビで、西田幾多郎の「善の研究」を紹介しています。28日、第4回(最終回)が放送されました。いくらか感想を述べさせていただきます。

一即多・多即一

(【 】は、テレビのナレーション。若松さんの筋でしょう。)

 最終回は、「善の研究」ではなくて、西田哲学の最終論文「場所的論理と宗教的世界観」からの引用がありますので、とてもむつかしいです。

 【テキストでは、詳しく書いていない 「絶対矛盾的自己同一」について、テレビで詳しく扱いました。若松さんは、次の言葉の説明をされました。】

 「世界の現実はどこまでも多の一でなければならない。 個物と個物との相互限定の世界でなければならない。故に私は現実の世界は絶対矛盾的自己同一というのである。」(『絶対矛盾的自己同一』)

 これは、絶対無に裏づけられた世界のことである。
 「創造的世界とは、無体系的な、恣意的な世界ではない、絶対の自己否定によって裏づけられた世界である。」(『生命』第11巻328頁)

 「個物的多として全体的一を否定する方向に空間的形式が考えられる。空間というのは、個物的多の並列的対立の形式である。多と一との矛盾的自己同一として空間的・時間的なる世界は、その時を否定した、否これを極小とした空間的方向に、物質的世界というものが考えられると共に、逆に空間的対立を否定した、否これを極小とした時間的方向に、意識の世界というものが考えられるのである。 物質の世界としては、空間的に並列的な無数の個物が時間的に関係する力の世界と考えられるが、意識の世界としては、我々の意識統一に於て知られる如く、個々のものが各自時間的に独立的であると共に一である。我々の意識の野に於ては、時間的なるものが空間的である、時間的・空間的である。かかる意味に於て、多と一との矛盾的自己同一の世界に於て、各自時間的に独立的なるものが空間的に一である。」(「実践哲学序論」『西田幾多郎全集』第10巻24頁)

 「世界」というのは、ふつうの対象的世界ではなく、絶対無即絶対有の世界である。自己の根底に全体的一が働いてくる。対象的にはみられない。 全体の中から、各自が自己に意味あるものを見つけてごく一部を切り取り時間的に意識により自己を表現する。無数の多が世界を創る。 無限無数の個人(個多)が、自己を否定して(完全な無我)、表現したものが一つの世界になっている。絶対的一者である。
 全体的一がそのまま多数の個人である。各人が各人が時の世界を持ち自己の世界を表現している。そのまま多数の個が世界となっている。
 それぞれの個人の底の絶対と一つである。各自の自己、個多はそのまま絶対的一である。

 すべての個人の底に絶対無が働いている。国とか民族というような対象的な「全体的一」ではなくして、絶対的一者は自己の根底の絶対無の表現である。
 深い禅や真宗などの実践者は、見る聞く働くすべてが自己のものではなく、自己を超えたものである。大乗仏教は、仏といった。

 (続く)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3930
★大乗仏教非仏説を超えて

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3866
★「忖度社会ニッポン」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3853
★「正しさをゴリ押しする人」

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★オルテガ「大衆の反逆」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3669
★学者は平気でうそをつく

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★専門家の多数決のエゴイズム

(続く)

参照
「100分de名著 善の研究」若松英輔、NHK出版

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4382
★目次(1)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3329
★後期西田哲学の実践論
 「実践哲学序論」を中心に
★「マインドフルネス心の世界遺産」の索引です
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/sekai-isan/mokuji-sekaiisan.htm

(注)マインドフルネス心の世界遺産の例=河井寛次郎、大山忠作。
★河井寛次郎
★大山忠作
Posted by MF総研/大田 at 17:39 | マインドフルネス心の世界遺産 | この記事のURL