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『善の研究』(13) NHK Eテレビ 100分de名著 [2019年11月01日(Fri)]

『善の研究』(13) NHK Eテレビ 100分de名著

 =マインドフルネス心の世界遺産

 NHK Eテレビで、西田幾多郎の「善の研究」を紹介しています。28日、第4回(最終回)が放送されました。いくらか感想を述べさせていただきます。

自己は自己だけで生きているのでない

(【 】は、テレビのナレーション。若松さんの筋でしょう。)

 最終回は、「善の研究」ではなくて、西田哲学の最終論文「場所的論理と宗教的世界観」からの引用がありますので、とてもむつかしいです。若松さんは、次の文を引用しました。

 「我々の自己の根底には、何処までも意識的自己を越えたものがあるのである。 これは我々の自己の自覚的事実である。自己自身の自覚の事実について、 深く反省する人は、何びともここに気づかなければならない。 鈴木大拙はこれを霊性という(日本的霊性)。 しかして精神の意志の力は、霊性に裏づけられることによって、自己を超越するといっている。」(「場所的論理と宗教的世界観」)(テキスト116p)

 「意識的自己は、すべての人が意識しているものです。それを「魂」とみなしているでしょう。それを「超えて」とは、西田哲学で「超えて」というのは、内、底の方向です。
 意識される自分の奥底に働き」があるのです。鈴木大拙は「霊性」という。絶対無です。働きがあるのです。世界や自己、すべてを作りだす働きです。言葉以前です。井筒俊彦は「無分節」といいます。この表現は、主客未分の様子をあらわしています。しかし、一方、これは、働きがあります。すべてを否定し、すべてを創造します。前者を「死」ともいい、後者を「生」とも言います。前者は、自己の死であり、「無我」です。
 無我の底の働きが、種々の意識、意識的自己意識、対象的事物など(対象になるもの)を作りだします。そういう働きが、すべての人の奥底で動いているのです。絶対に対象にならないのです。だから、いくら意識を根底に向けて「観察」しようとしても、見えません、感じません。
 それを体験できるのが「見性」です。体験ですから、理論的に「わかった」というのではありません。

 【若松さんは、次のようにいいます。】

 「それは、いわゆる心霊現象や「霊感」といったものとはまったく関係がありません。それは西田がいう「神」を認識するはたらきです。人間は、人間を超えるものを真摯に求めることによって真の自己になる、というのです。」(テキスト118p)

 日本の「マインドフルネス」=観察、自己洞察は、そこまでいくのですが、うつ病や不安症、パニック症、PTSD,過食症、対人関係の苦悩、生きる意味の発見などは、そこまでは無用でしょう。もっとも深いものは、一部の苦悩する人たちの救いになるでしょう。死、人格否定、宗教、カルトの苦悩などを救済できるでしょう。

 現代の日本で、さまざまな心理社会的問題がありますが。解決支援のためには、意志的自己、叡智的自己の範囲でしょう。浅いもので十分でしょう。感覚や思考、身体の動きよりは深いですが。

 (続く)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3930
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(続く)

参照
「100分de名著 善の研究」若松英輔、NHK出版

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4382
★目次(1)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3329
★後期西田哲学の実践論
 「実践哲学序論」を中心に
★「マインドフルネス心の世界遺産」の索引です
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/sekai-isan/mokuji-sekaiisan.htm

(注)マインドフルネス心の世界遺産の例=河井寛次郎、大山忠作。
★河井寛次郎
★大山忠作
Posted by MF総研/大田 at 21:44 | マインドフルネス心の世界遺産 | この記事のURL