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自殺しないで! させないで! − 第2段階 [2019年09月03日(Tue)]
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4355
【連続記事目次】自殺しないで! させないで!

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4325
★相談会を開催します。10月と11月。

自殺しないで! させないで! − 第2段階

 居場所をさがすとか、ひきこもりを続けるとか、その前に、うつ病や不安症、PTSDなどを治したいというひとも、多いはずです。第一段階が「相談」。そして、第2段階が「うつ病などを治す」必要がある人もいるでしょう。そういう人は、第3段階が、居場所をさがすとか、ひきこもりをつづけるか、別の道をさがす。

うつ病などを改善する段階

 未成年にとって最も厳しい9月1日(今年は1日が日曜ですから2日も)は、過ぎました。しかし、危機は全く去っていません。だから、10日から「自殺予防週間」です。
 昨日まで、メディアで予防の記事や番組がありました。 それを見て、また、掲載されている相談先に連絡して楽になった人も多いでしょう。
 また、それでも、先が見えないひともいるでしょう。 苦悩の深さが違うものがあります。1、2度の参加、体験、相談では解決しないほどの 深い苦悩があります。

意識には浅い次元から深い次元まである

意識の階層が浅い者から深いものまであります。そのために「死にたい」という問題も、浅い次元から深い次元のものまであります。 深い次元の「死にたい」というのを解決するためには、相当の時間を必要とします。 それの支援ができるカウンセリングや精神療法につなぐ必要があります。

感覚レベルの苦悩、心理レベルの苦悩、行動レベルの苦悩、 自己の居場所の苦悩、自己存在レベルの苦悩。
 死にたくなるのは、最も深い苦悩ですが、これにも浅い次元から深い次元まであります。
 この浅い、中くらい、そして、深いレベルまで解決の方向を見出せるアドバイス、カウンセリング、心理療法、 精神療法が必要になります。
フランクルの説明がわかりやすいでしょうか。多くの心理療法では届かない苦悩があるといいます。 私もそう思います。
 意識階層の深いところは、ここに紹介しました。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2633

 心理的・精神的な苦悩を解決するのを導く手法には、深いものを扱えないものがあります。

 「次元的存在論において高次の次元という言葉を用いるとき、そこで意味されているのはむしろ、われわれがより包括的な次元に関わっており、この包括的な次元のうちに低次の次元が含まれている、ということなのである。したがって、低次の次元は高次の次元のうちで、まったくヘーゲルの言う多義的な意味で「止揚されて」いるのである。事実、人間とはそのような止揚された存在なのである。人間はかつて人間になったのであるが、それでも何らかの点で動物や植物でもあり続けているのである。」 (『人間とは何か』p59)

 浅い次元から深い次元までを、フランクルは、身体、心理、精神といいます。さらに深い次元が魂です。西田哲学でいう、感覚的自己、知的自己、意志的自己(および叡智的自己)、人格的自己に類似します。

「人格は統一体にして全体であるだけではなく、統一体と全体を建立するものでもある。すなわち、人格は身体・心・精神の統一体にして全体を建立するものである。そしてまさにこの統一体にして全体であるものが「人間」という存在なのである。この統一体と全体は、人格によって初めて、また人格をとおしてのみ、建立され、基礎づけられ、保証されるのである。 総じてわれわれ人間は、この精神的人格というものを、心身的有機体との共存という形においてしか知ることができない。したがって、人間とは、身体と心と精神という三つの存在層の交点、その交差の場なのである(注4)。この三つの存在層のそれぞれは、どこまでも明確に区別されねばならない(ヤスパース、N・ハルトマンを参照)。・・・ 」(『人間とは何か』ヴィクトール・フランクル、山田邦男監訳、春秋社、447頁)

「(注4)この場合、「層」の代わりに「次元」という言葉を用いることも当然可能であろう。人間にして初めて、かつ、人間にのみ精神的次元がそなわっているかぎり、それは人間的現存在の本来的な次元である。人間が本質的に「存在する」精神的なものの空間から、単なる心的なものの平面や、それどころか身体的なものの平面に人間が投影されるならば、単に一つの次元が犠牲にされるというだけでなく、まさに人間的次元そのものが犠牲にされるのである。」(同、453頁)

抑うつも「死にたい」も浅いものから深いものまで

 「死にたい」「ひどく重苦しい」(抑うつ)が、うつ病から起きている場合、相談を受けても治るわけではないので、「治るという方法」「支援してくれる専門家」を紹介されない限り、自殺の危機は去りません。そして、それは、容易ではないので、世界中で、自殺がなくなっていません。

 「死にたい」というのは、 抑うつ症状を伴うが、そして、同じように見えるが、問題が違う。(『意味への意志』 p189)

 「メランコリー患者---つまり精神病患者---の抑うつ症状ないし絶望的な自殺傾向的気分なのか、 それとも神経症患者の(思春期神経症に見られる「厭世観」のような)抑うつ症状ないしそれに似た気分なのか、それとも最後に、 まったく健康な人間が問いかけている問いなのか、--- これらの可能性のいずれの場合においても、単なる心理学(病理学)主義的な立場から明らかになるのは同一の事態、つまり抑うつ症状にすぎないのです。」 (『意味への意志』 p56)

 未成年にとって最大の危機、9月1日は経過したが、すべての悩む人に、自殺の危機は去っていません。1-数回の相談では、改善しない深い「精神レベル」の「死にたい」があるわけです。だからこそ、精神科にかかり「薬物療法」を受けても、心理士の心理療法を受けても、深い次元に届く介入でなければ解決しないで、自殺が起きているのです。こういうことが理解されていないようです。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4325
★個別相談、体験会(マインドフルネスSIMTによる)
 マインドフルネスには、浅い次元から深い次元まであります。死にたいという気持ちも、深い次元のものがあります。不安症やPTSDなどが治らないことが原因になった「死にたい」も、SIMTをやっていただく価値があります。問題は深いので1年近くかかりますが、死ぬことを選択するのは早すぎます。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3703
★簡単には治らない「死にたい」気持ち。自殺予防対策について過去に書いた記事があります。 深い次元にまで及んだ自殺念慮は容易には改善しません。理解と対策が必要です。

【改善する方法をアドバイスするところ】
 まず、近くの精神科医。そのほかにありますか。情報をお寄せください。
 うつ病、不安症などのために、居場所にさえも行けない場合、まず、うつ病などを治してからがいいかもしれません。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4357
★子どももうつ病になります。

http://mindfulness.jp/
★マインドフルネス総合研究所

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4325
★相談会を開催します。10月と11月。
★9月7日に、埼玉県蓮田市で講演します。おいでください。(終わりました)
 「死にたい」という気持ちが繰り返し出てくる、うつ病らしい人、ご家族、支援者など。
 個別のご相談は、9月でも、その後でもOKです。
 マインドフルネスのなかには、意識階層の深い次元まで観察するマインドフルネスSIMT(自己洞察瞑想療法)があります。

★全国に、SIMTのカウンセラーがいます。ご相談ください。

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/senmonka/list-mmt.htm

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kikansi/hp-05/99-all-katudou.pdf

うつ病などを改善する支援をするところ、ほかにありますか。情報をお寄せください。

★自殺しないで! させないで!
【1】まず相談
 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4359
【2】うつ病や不安症、PTSDなどを改善する
 https://blog.canpan.info/jitou/archive/4361
☆マインドフルネス総合研究所も月2回参加できます。うつ病の話とマインドフルネス体験会(大体第1土曜日か日曜日)と蓮田心の健康クラブ(最終金曜日)。
☆坐禅がよければ、蓮田では、長松寺でできます。
【目次】このようなところに活用できそう
 マインドフルネスSIMT 2019

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4243
Posted by MF総研/大田 at 10:59 | 自殺予防対策 | この記事のURL