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情報遮断、事実は幸福でない、知らされないで幸福感 [2019年06月04日(Tue)]

情報遮断、事実は幸福でない、知らされないで幸福感

 どのように生きたら満足できるか、幸福だと思えるか、ということが、すべての人の知りたいことでしょうから、「幸福の哲学的な意味」は、西田哲学やマインドフルネスSIMTとは強い親近性があります。それで、マインドフルネスSIMTでも下記の文献を参考にします。

 たいていの人が自分の選んだ職、家族のために働いて喜び(幸福)を得ますから、西田哲学でいえば、叡智的自己にあたります。 だから、幸福の哲学と西田哲学やマインドフルネスSIMTとは親近性があります。
 「現実に幸福である事実」(外在的幸福)と「ある人が感じる幸福感」(主体内在的幸福)とは違うといいます。「不幸感と独立の不幸がありうるわけです。」(p73)

 病魔におかされていた間、まだ知らない間、幸福感を感じていたが、後で知ったケース(p74)です。がんが進行しているという不幸な事実はあるが、知らない間は、不幸感はないのがそれです。もう一例は、ある人物に私がだまされていたことを10年後の今、知ったというケースです。 知らない間は、不幸だとは思っていなかったが、知ってから不幸だと思うケースです。(p73)

 青山氏はこのようなこともいっています。

 「一生だれかにだまされて死んだ人物は、その不幸を知ることはなかったわけですが、それでも外在的には不幸だったと言えるでしょう(一例として、情報を遮断された国家で、自分が外在的に不幸であることを知らされないでいる国民が、幸福かどうかを考えてみてください)。」(p73)

 日本でも、太平洋戦争が終わった時、幸福感から不幸感へ変わった人がいたでしょう。そして、事実としては、多くの人が不幸な事実だったのでしょうか。

 国家ほど大きくなくても、家庭や団体でも、そういうことがあります。あれが、虐待だったのだということを後で知ります。あれは、情報を遮断して構成員を抑圧していたのだということもそうです。カルトから目がさめたひともそうでしょう。
 仏教は、種々の派がありますが、他の派を知らない期間があるとしますと、あとで知った時に、幸福だったとは思わないかもしれません。宮沢賢治は、以前に心酔していた(その時は、幸福だった)宗教者を、あとで、厳しく批判しています。これも一例でしょう。
 マインドフルネスも、うつ病や不安症などが治ることもあるという情報を遮断されているのも、不幸でしょう。知らせてあげておいて、選択を自己責任にすればいいのだろうと思います。専門家が情報を遮断するのはよくないと思います。あとで、不幸だったと思うかもしれません。早く知りたかったと思うかもしれません。

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/m&a/evidence.htm
このように治る人もおられます。

 ただし、「治りたい」という強い希望を持っていないと、課題の実践をなさらないから治りません。課題の繰り返しの実践によって、反応パターンを変えて、脳に変化を起こすのですから。

 仏教も、深いものが日本の仏教学者と西洋の人たち(キリスト教神学者)と対話していて、深い仏教と深いキリスト教は、似たところがあることが確認されていると記述されている本がありますが、そういう情報も遮断されていて、知らない人が多いでしょう。
 どう生きるかということや、自殺する人もある精神疾患は、生命がかかっています。情報を遮断されないようにしたいものです。
 中学高校生でも、自殺する子がいますが、いじめられたからだけではなくて、うつ病を発症しており、精神活動が低下して対人生活ができそうもない(治る病気であることを知らないため)として、うつ病の自殺念慮によって死ぬ場合も多いだろうと思います。病気であること、治せる治療法があるという情報を遮断しないようにしていただきたいです。
 2022年から、高校で精神疾患の教育が充実されるそうです。うつ病の仕組み、治療法、予防法などを知ることは情報を遮断された状態をなくすことができます。
https://www.asahi.com/articles/ASLBS4SF4LBSUTIL023.html

 また、死ぬことを意識したひとは、宗教のことを知りたくなるそうですが、知らないことがあるわけです。自己の根底に絶対的一者を持つことを。宗教レベルの哲学です。情報の遮断をどう解決したらいいのでしょうか。大学や自治体での社会教育の充実ですね。

文献
青山卓央(2016)『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』太田出版
【目次】第4世代の認知行動療法、第5世代の認知行動療法?
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4236
Posted by MF総研/大田 at 20:03 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL