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マインドフルネスは「知行合一」 [2019年06月02日(Sun)]
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4243
★被災地でうつ病、不安症、PTSDなどを軽減、予防するマインドフルネス
 被災地でのマインドフルネスを提供できるというカウンセラーがおられます。カウンセラーの時間、費用が限られているので、求めるかたが真剣でないと実現しないので、現地で協働してくださるボランティア団体があればありがたいです。

マインドフルネスは「知行合一」

 「マインドフルネス」や「仏教」は、科学学問とは違うところもあります。「知行合一」の指導者でないと、うまく伝えることができません。 なぜなら、瞑想は色々なことが起こりますので、経験者でないと適切なアドバイスがむつかしのです。ブームの「マインドフルネス」は、無評価で観察といいますが、この瞑想に似ているのが坐禅です。色々な現象が起きて、実践者を惑わせます。魔境とよばれる変性意識も起きるでしょう。マインドフルネスの本に書いていない事態が起きるでしょう。言葉で得た知識だけで、病的なクライアントに教える「臨床」は難しいでしょう。
 そのことは理解されているのでしょう。欧米発のマインドフルネス(無評価)では、うつ病、不安症、PTSDなどの改善のためには、日本では用いられていないでしょう。しかし、日本の自己洞察瞑想療法(SIMT)は、これらの疾患の改善の効果がみられます。1年もの長期間、実践してもらう必要があります。1年も継続するのは、簡単ではないです。支援者は、知識と自己自身の実践行為が必要です。資格認定講座の期間中に実際に体験します。行で確認された知です。臨床を行うためには、一人のクライアントを1年も見守り、アドバイスして、落伍しないようにすることが求められます。それをするのが、資格認定された「マインドフルネス瞑想療法士🄬」です。 マインドフルネス瞑想療法士🄬は、知行合一です。

 西田幾多郎に学んだ西谷啓治のいうことをみておきます。
 日本文化では「知行合一」と言うことが言われます。

 「科学的な知のようにただ外だけに向けられた客観知とは違って、外への方向と内への方向が2つで一つであるような知であり、客観知を超えた次元の上に成り立つ知である。」(p95)

 「或る事柄を会得する知が同時に自知でもある如き知、主客合一の次元での知というものは、身体的な行いと一つに(身心一如的に)のみ成立する。或る事柄に実際に携わる行いにおいてそれを全身心的に会得し、その知が同時に全身心的な自知でもあるということである。つまり、「知行合一」としての知であり行いである。」(p96)

 科学的知は、「知行合一」ではないといいます。

 「科学などのような客観知の場合には、そういうことは言えない。科学的な知はそれを得た科学者自身にもなんらかの影響を与えるであろうが、それは自己を知るということにはならない。 そういう意味での自知という方向では、むしろ科学者が、普通人よりも暗いという場合も珍しくない。彼が自らの科学的な知にくらまされて、一層自知に暗いということも起こり得る。 それはすべて、科学的な知が全身心的知であることを要しない知、身体的な行いから切り離された知であるからである。科学者のみならず、一般に知識人、インテリゲンチャにおける知は、多くそういう性質のものである。」(p96-97)

 仏教はもちろん、これです。「行」がない仏教の学知は会得していません。現実の自行も、他者への臨床もありません。
 たとえば、初期仏教(部派仏教)は、輪廻から解脱するように構成されたものであるから、解脱の実践のない人の知識は正確かどうかわからないでしょう。

 「マインドフルネス」も似ています。「知行合一」の実践知です。自己を観察(これが「行」)して、その実際を言葉での指導体系、理論を構成し、時には本を書きます(これが「知」)。それを必要とする人と対面して説いて問題解決をしてもらいます(これが「臨床」)。対面しないのは、臨床ではありません。知、行、臨床のどれかがない「マインドフルネス」は、実際には役に立たない可能性があります。
 西谷がいうように、マインドフルネス者が、「自らの科学的な知にくらまされて、一層自知に暗いということも起こり得る」といことがあるでしょう。自分のエゴイズムの心を観察せず、よき団体を破壊することもあるでしょう。
 宗教的マインドフルネスも、知、行、臨床(大乗仏教は利他という)が一つでしょう。

文献
西谷啓治(2001)『宗教と非宗教の間』岩波現代文庫


【目次】第4世代の認知行動療法、第5世代の認知行動療法?
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4236
Posted by MF総研/大田 at 13:45 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL