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(21)ミラクルパワー、目に見えないものの加護 [2018年10月17日(Wed)]

大乗仏教の経典の不思議な言葉・思想(2)
 =ミラクルパワー、目に見えないものの加護

 次の本は、日本の仏教者が信じているという大乗仏教は ブッダの仏教ではない、別の宗教だと指摘しています。

『大乗非仏説をこえて』大竹晋、国書刊行会

大乗仏教は、利他、人間完成を目指し、それを自内證で確認するというから、大乗仏教の 人は実践して自内證して確認しなければいけないはずである。
 本書には、大乗仏教の言葉だとして不思議な言葉が数多く紹介されている。信じにくいであろうが、自内證で確認されるはずである。

ミラクルパワー

 「浄土宗と天台宗とにおいては、たとえ修行しない者であっても浄土三部経あるいは『法華経』において説かれている浄土の仏からミラクルパワーをもらって死後ただちに浄土において悟りを体験できると主張する、親鸞と日蓮とが順に登場し、やがて、そこから、浄土真宗や日蓮系諸宗が派生していった。」(p194)

 もともとの浄土三部経、法華経で修行すれば、仏からミラクルパワーをもらって死後ただちに浄土において悟りを体験できるという。禅によって得ると、対象的自己意識の自己は、永続するものではなくて、対象にならない根底の射影であることを確認する。対象的自己はなくなるので「死」と言える。西田哲学もそうである。 大乗経がこれをいうのであるとすれば、大乗経でも可能性がある。 大乗経は、いつわりでない。

目に見えないものの加護

 もう一つ不思議な言葉がある。これを自内證すれば確認できる。

 「たとえ自己の道であるにせよ、目に見えない他者からの加護を得ることは否定できない。目に観えない他者・・・・日本人はそれらをまとめて「神仏」と呼んできた。」(p231)

 「神仏の加護」に感謝をささげ、「神仏が見ていらっしゃる」とおのれの身をつつしむ考えかたは、日本人の伝統的な道徳の根幹であるが、そのような考えかたは大乗仏教なくしてありえなかった。日本人は大乗仏教によってはじめて霊的に安定したのである。」(p231-232)

 大乗仏教で実践すると、これもいつわりでなかったと確認できるという。 西田哲学では、すべての人間の底に絶対に対象にならない絶対的一者の働きがあるという。すべてを否定し、すべてを創造する力が働いているという。禅の悟りもそれを確認するであろう。大乗仏教の経典によって修行しても確認できたから、ああいう経典の言葉になるだろう。
 日本人が、神社寺院で、参拝礼拝する時、上空へ向かっての神仏ではないのではないか、目に見えない(対象とならない)根底、自分の底から支えてくださるようにイメージしているのではないか。それなら、大乗仏教の経典に近い方向に祈っている。
 すべての人の根底に対象とならない働きがある。だから、すべての人が絶対者(仏性)を持つとして、すべてのひとを尊敬するというのが、法華経の常不軽菩薩である。宮沢賢治が自分をそうありたいと思っていた。

 大乗仏教のひとは、これも自内證で確認できるという。これにより、大乗仏教の教えがいつわりではないと確証したのである。現代の人もそうするのが、大乗仏教の諸宗のはずだと上掲書の著者はいう。
 その方法を再興できるかどうかが鍵である。次の時代、日本を担う若い人がすべきことである。長老は「異端」と決め付けず、暖かいまなざしをそそいでほしい。さもないと、孫の代に日本仏教は衰滅するかもしれない。「マインドフルネス」も、日本のこういうすぐれたものも研究して、様々な社会問題の解決方法を提言してほしい。 本書や西田哲学のような新しい情報を国民も知っている。西田哲学は、生命科学者、福岡伸一氏からも再確認されている。

市民に直接実践指導する人が必要

 ただし、哲学と生命科学は、実践をしない。言葉、思考による営為である。理解しても、一般市民の苦悩は解決しない。実践しなければ、自内證、確認できない。大乗仏教による修行方法、「マインドフルネス」による実践方法を開発しなければならない。 認識論、実在論と実践論の具体化は別のものである。世俗諦と勝義諦の違いである。
 哲学研究者、生命科学者、経典研究者の作業は、苦悩する眼前の人を自内證にみちびく実践指導の作業とは別だということである。医学でいえば、基礎医学の研究者ばかりではいけない、直接患者を診て治す医者も必要だ。
 大乗仏教では、経典研究者だけでは檀家信者、市民は救われない。これらの人々に長期間、アドバイスしつづける僧侶が必要だ。僧侶だけではない。すべてのひとができる。大乗仏教と同様に、自分の心理を観察する現代的な「マインドフルネス」は、医師や心理カウンセラーが行っている。担い手がさらに広がっている。看護師、作業療法士、臨床心理士、主婦、研修者、会社員、、、。しかも、日本のマインドフルネスSIMTは深い。 大乗仏教の本道と、深いマインドフルネス、福岡氏の生命科学、西田哲学、鈴木禅哲学は、お互いに類似したところがある。参照しながら、研究と臨床実践がすすむことを期待したい。

(続く〜大乗仏教の経典には不思議な言葉がまだある)
この問題に関して特別講演
2019年1月13日(日曜日) 、午後1時30分から4時30分まで
 埼玉県さいたま市浦和区、埼玉会館で。

★最近明らかになってきた上座部仏教、日本仏教の問題を超えていくために
日本の社会問題の解決のための「利他=マインドフルネス」の危機
どういう道があるか。

講師:大田健次郎(マインドフルネス総合研究所、日本マインドフルネス精神療法協会)

【書籍紹介】『大乗非仏説をこえて』大竹晋、国書刊行会 【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3889
【自己保身、「空気」を読む、忖度する】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3866
『忖度社会ニッポン』(片田珠美、角川新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3873
『「空気」の研究』(山本七平、文春文庫)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3875
阿部欣也の「世間」。記事の本のほか『「世間」とは何か』(講談社現代新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3853
【目次・書籍紹介】「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3918
『日本型組織の病を考える』村木厚子、角川新書

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3916
『異端の時代 〜 正統のかたちを求めて』森本あんり、岩波新書

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
『見て見ぬふりをする社会』マーガレット・ヘファーナン、河出書房新社

【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】
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Posted by MF総研/大田 at 07:28 | エゴイズム | この記事のURL