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(13)うつ病などのマインドフルネス心理療法を学者は創始しないだろう [2018年09月30日(Sun)]
【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】

(13)瞑想や坐禅を活用したうつ病などのマインドフルネス心理療法を学者は創始しないだろう
 =村木厚子さん・まず現場の活動者、それから学者

 次の本で、日本人の弱点を再確認しました。

『日本型組織の病を考える』村木厚子、角川新書

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3918

 これから、日本の学問が実際の現場とは遊離していて、学者が実際の社会に、こうしようということを 言えない傾向、言わない傾向があることを見ていくつもりです。公務員が動くのは最後です。
 これと同様のことをいうのでしょう。村木さんがこう書いています。

 「0を1にするのはNPOの力。理論武装して1を10にするのは学者の力。ペイする範囲内で 10を50にするのは企業の力。そして、誰もが利用できるように50を100にするのが行政の力だ」 (p127)

 「国にも自治体にもまだ制度がない時に、「これが必要だ」と思ったら、何とかしようと持ち出しをしてでも新しい仕組みやサービスを作り出すのがNPOの力です。現場の強みですね。機敏に、柔軟に動いて問題解決を図ってしまう。役所のように、公平性や全体性を考える先に心と身体が動いている。こうしたセンスって、本当に魅力的です。」(p128)

 現場を知っている、うつ病が治らない患者がいるのを知っているのは、精神科医、心理カウンセラーもですが、動きません。今の業務で忙しい。学者も、学生への教育と研究で忙しいので、現場を知らないです。また、臨床試験などで効果が検証されていないものを自分で始めることはこわいでしょう。大学の研究倫理の基準があります。

 うつ病や不安症、PTSDなどの患者さんを改善する支援には、多大の努力と時間を必要とします。一般人、NPOがやるしかありません。他は期待できません。これが現実です。 それが、かなり普及した時、学者、企業などが支援するでしょう。

 本務で忙しいし、新しいことは要求されていないし、むつかしい立場だからわかります。村木さんがいうとおり、これが普通なのですから。
 当分、NPOがほそぼそとやっていくのでしょう。ただし、「死にたい」という気持ちをかかえた人の難しい支援ですから、苦労も多いと思います。広がる前に、疲れてつぶれないようにしなければなりません。数年前、自殺防止対策が強調されたころ、すばらしい活動をしていたNPOが姿を消してしまいました。

 「マインドフルネス心理療法」は欧米では、うつ病などの改善にも効果をあげているのに、日本では違います。「マインドフルネス」は、仏教や禅の活用だと欧米の人はみています。 しかし、日本の仏教や禅の学者は、そのようにいいません。社会の動きについていっていません。なぜなのでしょうか。NPOの1をとりあげて、10にするのは、学者だそうですが、どの領域の学者でしょうか。仏教学、禅学、臨床心理学、精神医学、哲学、脳科学、予防医学、マインドフルネス心理学?
 社会を変えるのに、大きな力を持つのが「学者」です。真剣に考えていただきたいので、 こんな皮肉めいたことを書いています。最近、出版された本が、仏教学者の学問の態度を批判しています。仏教の学者が、仏教の真実を解明することを回避してきたといっています。 (『大乗非仏説をこえて』大竹晋、国書刊行会)
 東南アジアの仏教は「マインドフルネス」に貢献しているのに、日本の仏教は「マインドフルネス」に理論と手法の開発に社会貢献できるのでしょうか。
【自己保身、「空気」を読む、忖度する】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3866
『忖度社会ニッポン』(片田珠美、角川新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3873
『「空気」の研究』(山本七平、文春文庫)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3875
阿部欣也の「世間」。記事の本のほか『「世間」とは何か』(講談社現代新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3853
【目次・書籍紹介】「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3918
『日本型組織の病を考える』村木厚子、角川新書

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3916
『異端の時代 〜 正統のかたちを求めて』森本あんり、岩波新書

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
『見て見ぬふりをする社会』マーガレット・ヘファーナン、河出書房新社

【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3889
Posted by MF総研/大田 at 20:07 | エゴイズム | この記事のURL