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(10)多様な価値観を受け入れるべきだ=村木厚子さん・冤罪事件、証拠が改竄されていて無罪 [2018年09月24日(Mon)]
【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】

(10)多様な価値観を受け入れるべきだ
 =村木厚子さん・冤罪事件、証拠が改竄されていて無罪

 次の本で、日本人の弱点を再確認する。

『日本型組織の病を考える』村木厚子、角川新書

https://www.kadokawa.co.jp/product/321806000034/
★本の紹介。 公文書改竄、セクハラ、日大アメフト事件……繰り返す不祥事の本質とは?

 著者は、郵便不正事件で逮捕されたが、無罪。検事が証拠を改竄していたことが判明。 女性で2番目に事務次官になった人。

第3章 日本型組織で不祥事がやまない理由
である。
 「問題を起こした組織の中では、建前と本音があまりにも乖離していた」(p98)
 「自分たちの物差しがいかに世間とずれているかに当人たちが気づいていなかった点に問題がある」 (p99)
 「冷静に見れば「悪」なのに、「これは仕方なかった」とか「このためにはこうする必要があった」など、自分たちの行為を正当化しようとする時に使われやすいこの言葉や考え方が出てきたら、要注意です。」(p100)

 間違いを軌道修正しにくい組織には、共通点があるといいます。権力、権限がある、プライドがある、外からのチェックがはいりにくい。財務省、防衛省、検察、警察、マスコミ、教師、医者など「先生」と呼ばれる職種もあぶないという。(p100)

 前著の『異端の時代』と同様の指摘もある。

 「ダイバーシティは、「多様性」を意味する英語で、異なった考えや価値観、行動様式を持った人たちと時間や空間を共にし、異質な文化に触れることです。・・・ 自分たちが日頃なじんでいる社会はごく狭いテリトリーですから、異質な人や考えに触れ合っておくことは、社会全体を理解することに役立ちます。・・・
 ダイバーシティの推進は、かなり手間がかかりますし、簡単なことではありません。・・・
ですが、同質型の組織や社会が陥りがちな「落とし穴」をふさぐことに大いに役立ちます。」(『日本型組織の病を考える』p107)

 一方、『異端の時代』でも次のようになっている。

 「成熟した民主的な社会にあっては、人びとの価値観は多様であり得る。 一つの論点については賛成でも、別の論点については反対、という重層的な判断がビッグデータのように幾重にも集積してはじめて、社会の共通意志を忖度することができるようになるのである。」( 『異端の時代』(p225)

 「公的生活への参加や連帯から切り離された個人は、たやすく操作されて全体主義に取り込まれてしまう、という指摘をしたのはアレントであった。政治権力とは別の価値軸をもつ自発的な中間団体が多元的に存在することは、民主主義下の個人の暴走を防ぎ、社会全体のレジリエンスを向上させるのに役立つだろう。」( 『異端の時代』(p237)

 内部の古いタイプの人間、狭い領域しか知らない内部の人間の主張だけを信じているとあぶない。ロゴセラピーの開発者のフランクルも、学問にも全体主義、画一主義、還元主義があるといった。学問の装いで、独断的な見解を押し付けるものがある。
 外の情報を知るべきだ。社会が激しく変化している。外部がどう変化して、社会が何を考え何を欲しているかアンテナをはっていなければならない。さもないと、組織ごと沈没することも起きるだろう。
 若いひとは、特にそれが求められる。異なる意見に耳を傾けないようにしていないか。外部の宗教や哲学の学問が進歩している。長老に忖度して自分を抑圧していないのか。忖度して外部の変化をみなければ、社会から取り残されて、若い人に夢はないだろう。 あとで、宗教組織について、考察したい。

【村木厚子さんの記事】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3918
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3928


【同様の主張の参考書:狭い世間しかみない、ごり押し人間、自己保身から「空気」を読む、忖度する】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3866
『忖度社会ニッポン』(片田珠美、角川新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3873
『「空気」の研究』(山本七平、文春文庫)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3875
阿部欣也の「世間」。記事の本のほか『「世間」とは何か』(講談社現代新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3853
【目次・書籍紹介】「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3918
『日本型組織の病を考える』村木厚子、角川新書

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3916
『異端の時代 〜 正統のかたちを求めて』森本あんり、岩波新書

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
『見て見ぬふりをする社会』マーガレット・ヘファーナン、河出書房新社

【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3889
Posted by MF総研/大田 at 18:31 | エゴイズム | この記事のURL