• もっと見る
«(9)対処法(3)傲慢人間の意向を忖度するイネーブラー(支え手)3段階=第1段階「許容」 | Main | (11)傲慢人間の周囲にいるイネーブラーの第3段階「称賛」 »
(10)対処法(4)傲慢人間の意向を忖度するイネーブラー(支え手)の第2段階「忖度」 [2018年08月30日(Thu)]
【書籍紹介】「忖度社会ニッポン」(片田珠美、角川新書)

(10)対処法(4)傲慢人間の意向を忖度するイネーブラー(支え手)の第2段階「忖度」

 傲慢人間の周囲にいるイネーブラーは、3段階に分けられる。(p179)

傲慢人間の周囲にいるイネーブラーの第2段階「忖度」

 傲慢人間の意向をあと押しして、直接、間接に、その人物の独裁を継続させるイネーブラーの 第2段階が「忖度」である。

 「困ったことに、傲慢人間は、自分が何も言わなくても周囲の 人間が忖度してくれるのが当たり前と思っていることが 少なくない。 それに一層拍車をかけるのが、イネーブラーの 第2段階の忖度である。傲慢人間の欲望を忖度して、 できるだけ満たすようにするわけで、 結果的に傲慢なふるまいをのさばらせる。」(p181)

 これをやめるのは、どうするのか。結局、長い目でみれば 自分の生きる場所を崩壊させること、自分に不利になることも多い という長期的な洞察ができる人間になることだ。

 「第2段階の忖度は、ほとんどの場合自己保身と見返りのため だろうが、忖度すれば報われるというのは甘い幻想にすぎない。 こちらが上司の顔色をうかがいながら、その意向を忖度しても、 何か問題が起こったら、「そんなことは指示していない、 君が勝手にやったんだろう」と突き放され、責任を押し付けられるのが 落ちである。」(p183)

 傲慢人間と忖度する人間の多い組織はやがて崩壊する。多くのひとの証言の眼もあるから、 あとで、白日のもとにさらされる時が来る。
 「君があの人は不正をしているといったから、罷免に同意の委任状を書いたのだ。」というが、 相手の意見も聞かずに忖度し、賛成した軽率さを責められるだろう。
「君があの人物のウソを黙認したために、あの人物が罷免されずに済んだ。不正を見逃し、 甘い汁をもらおうとした君の責任は重い。」などと、言われるだろう。忖度人間の多い組織はやがて 「自滅するのをじっと待つのが賢明である。」(p183)

 大体、歴史はあとで客観的に見られる。道元は「賢人の眼をおそれる」といった。 後世の人の眼もある。昭和の時代の仏教は西田幾多郎から批判された。 何だったのだろう。国民があわれである。
傲慢人間と忖度人間の多い組織は衰退するから、その段階で過去のことがあばかれる。 忖度人間になるのは、自分が輝いていないからだ。甘い汁をもらいたい人間だと 傲慢人間からは内心バカにされ(本音)ながら思いどおりに動くコマと思われている。 残りの人生で汚点を残さず、自分で満足できるものをみつけたいものだ。

これでいいのか日本仏教!
〜深い人生哲学を基礎にした実践、マインドフルネス実践哲学の学問を

 現在のブームのマインドフルネスは、テクニックに偏りすぎている。日本には深い「正念相続」 をいう禅があるのに、これが大学のマインドフルネスの講座でも説明されないのは、はなはだ 残念である。本書の紹介がおわったら、このことを書いておきたい。
⇒2,3日後の記事の予定。

 マインドフルネスは、初期仏教の人生哲学から始まった。しかし、釈尊のものではない。 それを批判して大乗仏教が起こり、それを洗練させて、道元と親鸞の日本仏教となり、 それも昭和には変質して、西田哲学から批判された。現在もこの問題をひきずっていて、 マインドフルネスがブームになっても日本仏教は動きがない。しかし、西洋仏教と東南アジア仏教の 翻訳書が洪水のようにはいってきている。日本仏教はいよいよ衰退し、外国からの仏教がマインドフルネスの装いで大学、病院、学校、ビジネスの現場、などに広がっていく。これでいいのか日本仏教!
 忖度している時だろうか、組織全体が崩壊するのではないか。

 第3のイネーブラーは「腰ぎんちゃく」。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3866
【目次・書籍紹介】「忖度社会ニッポン」(片田珠美、角川新書)


【関連記事】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3853
【目次・書籍紹介】「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2228
【目次・連続記事】専門家のエゴイズム

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3835
【New 目次】非定型うつ病のマインドフルネスSIMT
Posted by MF総研/大田 at 07:13 | エゴイズム | この記事のURL