(8)対処法(2)忖度の弊害を観察分析
[2018年08月28日(Tue)]
【書籍紹介】「忖度社会ニッポン」(片田珠美、角川新書)
(8)対処法(2)忖度の弊害を観察分析力の強い人の意向によって昇進すれば、自分を引き上げてくれた人を はじめとする幹部の意思決定プロセスをあえて変えるような真似をしない。だが、「衰退惹起サイクル」にある組織は、環境が変化すると、その弊害が次々に 表面化して、破綻に至る。(p174) 日本の組織には、このメカニズムが駆動しやすい文化的な「癖」がありそう(小城氏)だという。(p175) この「癖」とは「伝統的に「世間」を気にせずにはいられず、「世間」が壊れてきたら今度は「空気」 を読まずにはいられない日本人の特質」(p175) 観察と分析反射的に忖度して、知らず知らずのうちに「空気」に流されてしまう。 この「癖」弊害を克服する対処法は、まず「観察と分析」である。なぜ、忖度するのか見きわめなければならない。その際、自分に次の質問を投げかけてみる。 @ 何を失うことを恐れているのか? A どんな見返りを期待しているのか? B 誰に認められたいのか? 上司や力のある人物、親の意向や希望を忖度している場合のすべてだ。 見返りは、ご褒美で、金銭、地位、愛情、承認などだ。 いろいろな観点から評価分析するように著者はいう。 最終的には「忖度することは、自分が生きていくうえで必要不可欠なのか」と 自問することをお勧めする」(p177) 対人関係のある組織をよくするためには、はやりの「無評価観察」ではいかない。 弊害を自分が助長させていないか分析評価しなければならない。 本書で「観察分析」をいい、一見「マインドフルネス」のようにも聞こえるが、そういうわけでもないだろう。精神分析や認知療法にも観察分析があるだろうし。 現在進行形で瞬時に「観察分析」することができないと、いざという時に、忖度してしまうだろう。本書の「対処法」をどうすれば、マインドフルネスとなるか開発しなければならないだろう。それは、別において、本書の対処法をみていく。 やっかいなことに、自分ひとりが「忖度をやめた」といっても恐い。「傲慢人間の意向を忖度するイネーブラー(支え手)」の怖い者がいる。どう立ち向かっていくのか。それを、次に見る。 第5章の「対処法」を続けてみていく。 。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/3866 【目次・書籍紹介】「忖度社会ニッポン」(片田珠美、角川新書) 【関連記事】 https://blog.canpan.info/jitou/archive/3853 【目次・書籍紹介】「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書) https://blog.canpan.info/jitou/archive/2228 【目次・連続記事】専門家のエゴイズム https://blog.canpan.info/jitou/archive/3835 【New 目次】非定型うつ病のマインドフルネスSIMT |