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(5)なぜ日本では忖度(そんたく)がはびこるのか [2018年08月24日(Fri)]
【書籍紹介】「忖度社会ニッポン」(片田珠美、角川新書)

(5)なぜ日本では忖度(そんたく)がはびこるのか

 強くゴリ押しする人間の意向にそった行動がなされる。内部の自由を束縛したり、独裁的な 組織運営が続く。そこには、幹部、一般メンバーの罪なところもある。自己防衛、恐怖から忖度を助長する。 メンバーも、自分の人生を生きないで、トップの人生を生きる。
こんな日本人。なぜなのか。

 第3章 なぜ日本では忖度(そんたく)がはびこるのか

 その目次は、こうである。
    同調圧力
    全会一致を強要する同調圧力
    同調圧力と「空気」
    「空気」の支配
    事例1 個室を増やしてブランド病院にする「空気」
    事例2 臨床心理士養成大学院設置の「空気」
    法科大学院の廃止と募集停止
    東芝の原子力敗戦も「空気」のせい?

同調圧力

 「日本で忖度がはびこる一因に、強い同調圧力がある。 みんなが右に向かって歩いているのに、自分だけ左に行こうとすると、 叱られたり罰を受けたりするのではないかという恐怖にもさいなまれる。そのため、 何でも横並びになりやすい。」(p102)
 たしかにゴリ押し人間のいる組織では、罰を受けている。金銭的収入、地位(出世、昇格、降格)、組織からの追放、幹部から降格、左遷、いじめなどがある。 自分が被害者(不利益を受ける)になることへの「恐怖」ゆえに、傍観者、迎合者、不正のもみけし加担、批判者の排除の加担などをする。

同調圧力と「空気」

 似たものが「空気」である。
 「同調圧力が強いところには、しばしば独特の「空気」が漂うと、私自身の大学での経験から 断言できる。そのためか同調圧力と「空気」を 同一視する論者もいる。」(p111)
「空気」は「まわりの人々の暗黙の同調圧力をさすことが多い」(p112)

 戦争中にあった例(p112,115)は、多くの生命がかかっていたのに空気によって作戦が 決定された。

 現在でも、大学の教授会であった(p113)。 他に多くの事例をあげている。山本七平に「空気の研究」という本がある。

 「権威ある学者や政府のお墨付きがあると信じて、「空気」に流される。そして、いったん 「空気」に支配されると、「空気」を忖度して、誰も何も言えなくなる。 「空気」を読めず、自分の意見を発言した人間は、見せしめのために攻撃される。・・・・
 これこそ、日本社会で忖度がはびこる最大の原因ではないだろうか。」(p136)

 私の知る組織でも、これがある。外部の環境の変化を考慮せず、議論を重ねず、影響力ある特定個人が いうことに同調圧力が働き、忖度して決定される。その組織のサービスの質は劣り、外部の動向に応えず、組織自体が崩壊していく。 利益の一部を期待したのに、ゼロになる。古代インドの哲学による四諦八正道から大乗仏教の哲学、西田哲学など深い哲学が関係する「マインドフルネス」の領域において、一つのことに多数決で決めて少数意見を排除するやりかたが大学を舞台にした組織で、そんなことをしていいのかどうか、何らかの形で公表し世の意見を聴きたい。「心の動き」を観察するマインドフルネスや仏教なのだが、権力(人事権など)をもつ者のゴリ押し、忖度、 認知的複雑性が乏しいために怒り、多数決で深い少数意見を排除、「お前もか」という暗澹たる思いである。

 個人の意見を尊重しない組織風土が、日本の活力を奪う。ゴリ押し人間と忖度するメンバーの双方の罪である。多数の組織で、正論が議論されず、少数派の意見が封じ込められて、個人の自由、いきがいを奪われて、組織の活力がない。すぐれたものが外国から導入される。忖度、ゴリ押しが日本社会全体にあり、日本人全体の活力を低下させており、また、組織からはずれた弱い国民の苦悩の解決をおくらせているような気がする。

 第4章は「なぜ忖はなくならないのか」である。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3866
【目次・書籍紹介】「忖度社会ニッポン」(片田珠美、角川新書)


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Posted by MF総研/大田 at 08:29 | エゴイズム | この記事のURL