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(4)なぜ忖度(そんたく)するのか [2018年08月23日(Thu)]
【書籍紹介】「忖度社会ニッポン」(片田珠美、角川新書)

(4)なぜ忖度(そんたく)するのか

 強くゴリ押しする人間の意向にそった行動がなされる。内部の自由を束縛したり、独裁的な 組織運営が続く。

 なぜ、忖度するのか。第2章の目次は、こうである。
    自己防衛
    忖度しても報われないことも
    恐怖
    いじめでも働く忖度
    「自分が被害者になることへの恐れ」ゆえに「傍観者」になる
    罪悪感
    罪悪感ゆえの忖度が招く晩婚化
    承認欲求
    “忖度の達人”が食らう手痛いしっぺ返し
    見返りへの期待
    男女関係における見返りへの期待
 「忖度するのは、何よりも自己防衛のためである。 嫌われたくない、波風を立てたくないといった心理が働き、 半ば無意識のうちに相手の顔色をうかがう。そして、 相手が何を望んでいるのかを察知し、先回りして満たそうとする。」(p58)

 権力、地位のある人間から自己を防衛するため忖度する。自己の利益の防衛である。
1) 不利益を得る恐怖を避けるため
2) 利益を得られなくなる恐怖を避けるため

 利益、不利益は、金銭的収入、地位(出世、昇格、降格)、組織からの追放、左遷、いじめなどがある。 自分が被害者(不利益を受ける)になることへの「恐怖」ゆえに、傍観者、迎合者、不正のもみけし加担、 批判者の排除の加担などをする。

 忖度する理由として自己防衛、恐怖があるという。また、承認欲求がある。
 「忖度する側の胸中に何らかの欲望が潜んでいることも少なくない。 その最たるものが、認められたいという承認欲求である。」(p80)

 前著の「ゴリ押し」する人間には、「劣等コンプレックス」があることがあると教えていた。忖度する人間にも コンプレックスをカバーするためという理由も働く場合がある。

 ただし、忖度しても報われないこともあるし、しっぺ返しを受けることがあるという。
上司に振り回されてクタクタになる(p83)とか、うつ病(p82)になるとか。「他者の欲望」を観たそうとするあまり、 自分が本当は何をやりたいのか、 わからなくなり、「アイデンティティ・クライシス」に陥る危険性もある。」(p82)

 「生きがいを感じない」とか、何のための人生かという深刻な苦悩に陥ることもあるだろう。定年後の男性に、生きがい喪失の自殺がある。
 ゴリ押し人間に忖度したために、その組織が解体して、期待した利益をえられなくなることもある。 いざとなったら裏切る人間、誠実でない人間だとレッテルをはられることもある。

 我々は、ゴリ押し人間、忖度する人間の心理をよく観察して、自分、家族、職場の人、顧客などに 苦悩を与えないようにしたい。そこに働く心理は、大乗仏教の時代から批判された「自利我利」の心理である。 総じて「己見我利我執」である。それをマインドフルネスSIMTでは「本音」という。コンプレックスのように、気づいていない本音もある。ゴリ押し、忖度せずに、直視して、それをバネにして、社会貢献での生きがいを見出し悔いのに生き方をしたい。 本音による弊害は、 宗教、学問、医療にさえもある。自己の本音に、 なるべく、気づきたい。SIMTでは「本音の観察気づき」の自己洞察を重視する。

 第3章は「なぜ日本では忖度がはびこるのか」である。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3866
【目次・書籍紹介】「忖度社会ニッポン」(片田珠美、角川新書)


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Posted by MF総研/大田 at 07:42 | エゴイズム | この記事のURL