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カミュの「ペスト」も「誰もが隠し持つ後ろ暗いボタン」を扱う [2018年06月24日(Sun)]

カミュの「ペスト」も「誰もが隠し持つ後ろ暗いボタン」を扱う

 前の 記事で「誰もが隠し持つ後ろ暗いボタン」について、述べましたが、今放送中の「100分de名著」のテレビ、「ペスト」も、これを扱っています。もっと、厳しいです。専門家の 「誰もが隠し持つ後ろ暗いボタン」によって、人を死においやることになります。そういうことを「ペスト」はいいたいのです。

 たとえば、うつ病が治らない患者が多くて、自殺なさいます。うつ病に関わる専門家が、うつ病の「治療法」を本気で開発しません。無知、無視、傍観、効果があるかもしれない治療法を積極的に応援しません。結果として、うつ病の患者が死んでいかれます。「患者が死んでいくことに、専門家が加担していることになるのではないか。」これは一例です。
 教師、教育委員の怠慢で、児童が自殺する。いじめが報告されたのに隠す。それで、改善対策がとられない。情報隠し、改竄の問題でも、自殺者が出ました。死においやった「間接的殺人」。
 これは、自殺に限りません。思想、イデオロギーの違いで殺し合いもあります。専門家の自己満足、市民の無知による加担、無視などで、死んでいく人がいる。こういう「間接的殺人」のことをカミュの「ペスト」は言っています。外国も日本もこれが起きているでしょう。

 NHKのテキストの、その部分を引用します。

 「タル―はいきなり、こんなことをいいだします。

 「僕はこの町とこの伝染病を知るずっと前から、とっくにペストで苦しんでいたんだ。」(p74)

 「彼のいう「ペスト」とは、死刑宣告のことだったのです。それが病気によるものであれ、社会によるものであれ、人間に死という結果をもたらす殺人であることに変わりがないと、タル―は信じています。」(p75)

 「僕たちはみんなぺストの中にいる」
 「誰でもこいつを自分の中にもっている。ペストだ。」(p77)

 「タル―の場合がすごいのは、そうして人間社会の根源的な悪を告発すると同時に、自分もその加担者であることに心底苦悩していることです。」(p79)

 「僕は人を殺すことを断念した瞬間から、決定的な追放に処せられた。歴史を作るのはほかの人々だ」(p79)

 「タル―が。このぎりぎりの告白によっていおうとしたことは、「あらゆる場合に犠牲者の側に立つこと」、つまり、この世界に殺す者たちと殺される者たちが「いた場合、絶対に自分は殺される者たちの側に立つ、という決意表明です。」(p80)

 専門家は、自己満足の道をとる。それで、犠牲者が出る。病気で死亡する、自殺する。しかし、タル―は、世界の立場に立つ。西田哲学の教えに通じる。専門家の自己満足のために、患者、市民の苦悩の解決に本気でとりくまない。専門家は、内にぺストを持っていて、市民、患者を死に至らしめる。 うつ病の治療の領域では、うつ病の心理療法に本気でとりくまない。やさしい方法(治る保証がない)で満足している。治らない。

 しかし、専門家は著名人である。彼らが社会、歴史の表面にある。影で、市民が死んでいく。日本もカミュがいうのと同じである。なぜ、くりかえされるのか。

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Posted by MF総研/大田 at 19:59 | エゴイズム | この記事のURL