きこえよき言葉あやつる私たち [2018年05月16日(Wed)]
【連続】神谷美恵子「生きがいについて」(9)
=きこえよき言葉あやつる私たち
神谷美恵子の「生きがいについて」の2回目がありましたね。
放送では、テキストに書いていないことも紹介されましたね。
神谷美恵子は、生きがいをうばわれたかのような
状況においこまれたひとびとの中に、2種のひとがいるのをみます。
同じ状況であっても、生きがいを感じない人
その過酷な状況にあっても生きている喜びを感じている人がいた。
何が、違いを生むのか。
残酷な状況の中でも、生きる喜びを感じている人から教えてもらおうとした
神谷。それを他の人にも伝えたいと思った神谷。(やがて、神谷自身が、そういうひとたちから、生きがいをもらいます)
軽々しく、神だの霊魂だの、仏だのと聞こえ良い言葉をあやつる私たち自己批判。神谷の詩がテキストにのっています。その一部にこうあります。(p52)
ゆるして下さい、癩(らい)の人よ
浅く、かろく、生の海の面に浮かびただよい
そこはかとなく 神だの霊魂だのと
きこえよき言葉あやつる私たちを。
今も、がんや難病になって生きがいを奪われそうになっている人、死に直面している人や残酷な状況になっている人に、浅い表面の海しか知らない人がしゃべる、宗教や死生観(自己を観察するという「マインドフルネス」も?)が、通用するのでしょうか。「マインドフルネス」がブームだといいます。釈尊に淵源があるそうですが、それは「集中力の向上」というめぐまれた仕事についているひとがさらにめぐまれるための技法でしょうか。よく検討しないといけません。
【目次】神谷美恵子「生きがいについて」
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Posted by
MF総研/大田
at 06:53
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深いマインドフルネス
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