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第3世代の認知行動療法(15)叡智的自己の作用は行為的直観 [2017年09月11日(Mon)]

叡智的自己の作用は行為的直観
 =叡智的自己は社会に貢献するが悪をも犯す
 <第3世代の認知行動療法(15)>

 前の記事に関連します。
 ほとんどすべての人は、人生価値を選択して毎日、働くので叡智的自己です。 叡智的自己の作用は行為的直観です。
★叡智的自己

 西田哲学では「独断を捨てて見、独断を捨てて考え、独断を捨てて行動する」ことを プラクシス(自己洞察、自己形成)の指針とします。禅でも公案によるものと公案を用いない流派があります。後者は「只管打坐」が有名です。

 公案でなくても、自分の選んだ職務(価値)を遂行(ポイエシス)しながら、叡智的自己が「独断を捨てて見、独断を捨てて考え、独断を捨てて行動する」内的洞察実践(プラクシス)を続けていくと、絶対無の体験をする人がいるのです。すると、人格的自己になります。

 禅やマインドフルネスの実践でさえも、「独断を捨てる」実践をしないと人格的自己にはなりません。「独断」による思考、行動は対象的だからです。 まして、仏教の文字の研究、哲学研究だけでは、なりません。対象的だからです。 ただし、研究者でも研究生活(ポイエシス)をしながら同時に「独断を捨てる実践」(プラクシス)を続けると人格的自己となる体験が起きるのです。こういう方法が、現代的なマインドフルネスの実践指針になるでしょう。公案、只管打坐に加えて、第三の方法、現代的マインドフルネスと言えます。

 これをも「仏教」というのでしょうか。西田哲学は「仏教」を超えているのかもしれません。公案や坐禅という現実の現場での実践でないことになりやすい仏教のありかたを批判しましたから。家庭と職場の行為(ポイエシス)の中で、同時に自己洞察実践(プラクシス)を提案しましたから。(前の記事で紹介した論文『後期西田哲学の実践論』)

ひとつの例

 こうしたマインドフルネスSIMTの背景にある哲学(西田哲学)を学びつつ、内面の成長実践をすれば、たとえば、がん患者さんの生き方に大きな影響を与えるでしょう。真剣な人は、がん闘病中に人格的自己になる可能性があります。意志的自己は真の自己ではなかったという新しい主体への目覚めです。他の苦悩も同様です。意志的自己を人格だと思って、人格が否定されたと苦しんでいる人は、真の人格は傷ついていなかったと思えるはずです。ほかの深い問題も、同様です。

専門家も自分に執着

 すべての人の根底の人格性を認めない専門家(叡智的自己)は、自分の持ち物に誇り慢心すると 他の人格を認めず、エゴイズムの悪(=「独断」)をおかすわけです。 自己の地位、収入、名誉、プライドを得よう、保全しようとして、誠実な人や誠実な社会貢献活動を崩壊させたりおとしいれる卑劣なことをする専門家もいるのは、みなさん、ご存知でしょう。
 組織における高い地位を悪用したパワーハラスメントは頻発しています。
 大学にも アカデミック・ハラスメントが起こります。教授、名誉教授であることを濫用して、学生や関係する組織に苦痛を与えたり、活動を妨害する行為をすることがあります。
 医師によるエゴイズム、法律違反の行為もよく起きています。医師は国家資格であり、尊敬されていることを悪用して、患者の生命を左右すること、身体に触れることを許されていることを悪用して、エゴイズムの心理から違法行為、健全な組織活動を妨害することがあるでしょう。ドクター・ハラスメントです。医師もマインドフルネスの実践、西田哲学でいう「独断を捨てて見、独断を捨てて考え、独断を捨てて行動する」ことが必要なのです。患者の生命を左右し、患者の人格をふみにじる悪を犯しやすい立場にあります。
 自分の自己保身、自己中心エゴイズムの心理(仏教で煩悩、道元禅師が己見我利我執といった)を過失で、または確信で行動化するのです。誠実な人をだます、排除する、いじめる、左遷する。こうすることによって、健全な組織活動を妨害し、誠実な人を苦しめてうつ病においやり、自殺においこむことはおこりえます。

 すべての専門家に「独断に気づき独断を捨てる実践」(プラクシス)が望まれるわけです。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2768
★叡智的自己
(この段階については、従来の臨済禅ではあまり言われない。 西田哲学は詳細に記述した。)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3029
★人格的自己
(臨済禅は、この最終的段階を強調する。臨済禅は、 見性、覚り。公案を用いる。)
(私たちは、公案ではできない現代人のためにマインドフルネスSIMT的 (各階層の自己の西田哲学の実践化) に新しい方法を開発していかねばならない。パーソナリティ障害、虐待、人格の否定、がん患者の死の恐怖など 活用領域は広い。)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3549 
★第3世代の認知行動療法=多くの流派のマインドフルネス心理療法
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3572
★第3世代の認知行動療法の全体展望

Posted by MF総研/大田 at 21:06 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL