偉大な仏教学者・鈴木大拙の本がまた
[2017年08月30日(Wed)]
偉大な仏教学者・鈴木大拙の本がまた鈴木大拙博士を否定する本が出版されたのですが、角川から、 鈴木大拙の本の文庫本が出版されました。やはり、鈴木大拙博士には、長く読まれる事実があります。鈴木大拙『東洋的な見方』角川ソフィア文庫、2017,680円+税 私は、春秋社版の全集を25年前に買って、読みました。自分を超えたものが自己根底から働いていると、励まされました。対象的なことを扱う文字では決して、見たり体験できないものがある。自己を超えたものを認める。 大乗仏教では、自己の根底に対象とならないもの、キリスト教では神という。この両者は、同じなのか。 鈴木博士はこう言っていました。 「言語学者、論理家、解釈学専攻者、その外、言語の世界以外に出ることを好まぬ研究家は、どうしても「祇如今鑑覚」の真の消息に接することができぬ。できぬといって、そんな消息はないと主張するのは、言い過ぎというものである。」(春秋社版、p113) 文字しか知らない学者が、対象にならないものがないと否定する誤りを。そういうことを聞く僧侶、マインドフルネスの専門家が、自分で深く考えず、またそれをそのまま受け取る、それを信者、クライアントに伝える。 しかし、「科学と同じ対象的なものか。そんなもので私は救われない。仏教はそんなに無力なのか。」と思う。救われるはずが救われぬ、悲惨です。最後の判断が自分でなされ、安定した地位あるものは互いを誇り争い、それを聞かされる苦しい者は絶望する。日本は、組織外の一般人に貢献できるMBSRのようなものを創始できなかった。 中村元氏は、古い仏教の権威でしたが、鈴木博士を絶賛しておられました。「D.T.スズキの名は後世何百年にわたって伝えられ、その徳がたたえられるだろう」と。確かに、鈴木博士の本は、何百年も読みつがれていくでしょう。 日本の宝を再発掘しなければなりません。マインドフルネスがブームになったおかげで、僧侶、仏教学者以外の人材が、マインドフルネスはどこまで深いのか関心を持ち始めたようです。 (目次)日本的霊性 鈴木大拙博士は対象にならない自分を「日本的霊性」といった https://blog.canpan.info/jitou/archive/3549 ★第3世代の認知行動療法=多くの流派のマインドフルネス心理療法 |
Posted by
MF総研/大田
at 13:32
| さまざまなマインドフルネス
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