西谷啓治・組織が個人を抑圧 [2017年02月13日(Mon)]
西谷啓治・組織が個人を抑圧哲学者、西谷啓治(西田幾多郎博士の弟子)も、組織が個人の自由を抑圧する傾向があることを 指摘していた。(1987「禅と組織の問題」創文社)「人間が社会生活を営むところ、何らかの意味で共同して存在し活動するところ、そこには常に組織といふものが見られる。たとえば家族や国家、軍隊、会社、学校、教会のやうなもの、また政党、研究所、学会、さまざまな結社など、どういう集団であっても、それがある目的による統一を含むかぎり、それぞれの固有な特殊の組織をもつといへる。」(p264) 「共同とか協力とかいふものの意義は、それらによって個々のものが、自分ひとりではもち得ないやうな可能性を与えられ、自分ひとりでは実現できないような豊かな内容を自分の生活に実現し得るというところにある。」(p266) 組織が危機的な様相を生む「現代に於いては、組織というものは、人間生活のあらゆる面に於いて、一つの危機的な様相を発生せしめるやうな重大な問題性をはらんだものとして現はれてきている。一言でいへば、人間を「人間性の喪失」とか「人間性の疎外」とかに陥れるものとして問題にのぼってきている。」(p263)「現代に於いては、飛躍的な進歩の反面に、その底から一つの重大な、危機的ともいふべき状況が発生しつつあり、しかもそれは、組織というものの上に現れつつある全く新しい様相に由来する、と考えられる。(中略) その新しい様相とは、一言でいへば、組織といふものが人間関係から遊離して、ほとんど人間を無視するかのような性格を取って来つつあるということ、いはば組織が組織としての独走態勢に入りつつあるといふことである。人間が組織を支配するかわりに、組織が人間を支配する、という傾向である。」(p269) このことは、現代もなお続いている。組織が個人を支配する。そして、その組織とは、トップや長老などの「個人」である。個人が個人を支配している。個人の自由のない組織、人格を軽視する組織が多い。西田哲学で「種」の論理が説明されている。すべての団体、すなわち、企業、宗教、、医療、福祉、学会などのトップ、長老も西田哲学を学んでほしい。構成員の自由を奪わず、個性を発揮することを支援するように。 ★専門家、団体のエゴイズムア ★「見て見ぬふりをする社会」目次 https://blog.canpan.info/jitou/archive/2374 ★よくある構図 プチ全能者が、あわれな子羊を自分の周囲にとじこめる。それで自分は喜ぶ。多くの団体。自立させない。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/1812 ★無視・傍観・軽視・放置・見放される病=うつ病 ★専門家のエゴイズム V・E・フランクルの「全体主義、画一主義、還元主義」の批判も。 ★専門家、学問のエゴイズムが起きる仕組み=西田哲学の研究者から ★西田哲学からみる科学学問、そして哲学 〜マインドフルネスSIMTと表裏 【目次】日本のマインドフルネスの再興を |
Posted by
MF総研/大田
at 20:52
| マインドフルネス心理療法
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