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個人の自律性を抑圧する組織は衰退 [2016年12月05日(Mon)]
「見て見ぬふりをする社会」(11)

個人の自律性を抑圧する組織は衰退

 西田幾多郎博士は、個人の悪と、団体の悪を言った。

 太田肇氏の組織論は、このことをいうのであろう。

 「分化と統合の間にはバランスが必要であり、分化ばかり進めると組織はバラバラになってしまうし、統合ばかり進めると窮屈になって個人が自律的に行動できず、企業も環境の変化や多様性に適応できなくなって衰退する。」(『個人を幸福にしない日本の組織』新潮新書、p40)

 この問題は、「企業」だけではない、すべての組織にあてはまる まるので、「企業」を「組織」に置き代えたい。企業だけでなく、NPO,ボランティア組織、官庁、政治組織、宗教団体、学術団体、職業団体、自治会、PTA,趣味の団体、などなど組織、団体は同じ問題を持つ。

 「注意すべき点は、分化と統合のバランスは社会や技術の発展とともに変化するということである。」(p41)

 「企業や社会のグローバル化が進み、価値観や生活習慣などの多様な人々がチームを組んだり🄱一緒に働いたりするようになると、一人ひとりの多様性を尊重しなければならない。」(p41)

 「変化の激しい市場の要求や多様な顧客ニーズに応えるには、個人の判断で自律的に行動することが必要だ。」(p41)

 私の活動が関連する領域では、仏教、禅などの学問、宗教的活動において、組織の統合が強くて、社会の変化に応じて要求を満たしていないと思われる。宗教が核心を失っていると指摘されたこと、偉大な宗教者の真意が広く深く国民に知らされず、画一主義、還元主義的に紹介されてきたこと、本務の組織的活動は活力を失い構成員はほかのことに価値をみつけてそちらからの収益で組織が維持されていること、痛みの緩和の「マインドフルネス」のような現代の環境が求めるものを、日本では、学者も宗教者も 発明できなかったこと、などにあらわれているようだ。

 誰がそうしているのか。組織も個人が動かす。権力を持つものの統合の傾向が強いところでは 構成員の自律を抑圧して、統合的指令を強いる。 抑圧するから、見て見ぬふりが起こった。
 そういう組織は、激しい環境の変化に応えられずに、衰退する。 

 組織の長老は衰退を招くような統合化をなぜ強いるのか。
★「見て見ぬふりをする社会」目次

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2374
★よくある構図
 プチ全能者が、あわれな子羊を自分の周囲にとじこめる。それで自分は喜ぶ。多くの団体。自立させない。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/1812
★無視・傍観・軽視・放置・見放される病=うつ病

★専門家のエゴイズム

  V・E・フランクルの「全体主義、画一主義、還元主義」の批判も。

★専門家、学問のエゴイズムが起きる仕組み=西田哲学の研究者から

★西田哲学からみる科学学問、そして哲学
 〜マインドフルネスSIMTと表裏

【目次】日本のマインドフルネスの再興を
Posted by MF総研/大田 at 21:09 | エゴイズム | この記事のURL