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「見て見ぬふりをする社会」 [2016年10月24日(Mon)]
★うつ病、不安症/不安障害など、薬物療法や心理療法で治らない方を支援することは大変なエネルギーが必要です。専門家は知りたくない、情報をとざす。それで「見て見ぬふり」される。

「見て見ぬふりをする社会」

 前の記事で、この本を(参考)としてあげています。

「見て見ぬふりをする社会」マーガレット・ヘファーナン、仁木めぐみ訳、河出書房新社

 うつ病を治すマインドフルネスは、専門家から「見て見ぬふり」、無視され続けると思います。人間の視野狭窄をこの本が見事に指摘しています。心理学者、医師、仏教者から無視、傍観され続けるでしょう。関心がないからです。新しい情報を得たり新しいことをして不安定になりたくないからです。この問題は、別に論じます。 ほかにも似た心理を指摘した本があります。マインドフルネスは禅に似ていますが、組織内にいる禅僧は伝統からはずれたことはできにくい状況です。やらねばならない職務もありますし。うつ病などのかたの支援のマインドフルネスは、とにかく時間やエネルギーを必要とします。

 では、誰がうつ病や不安症/不安障害、過食症のマインドフルネスをすすめるのか。これらの人の支援は、こういうことで苦悩する患者、家族、それを直接扱う医師・心理士で治せないことに自責の思いを抱く人しか興味を示さないでしょう。忙しく現状に満足している専門家は、「見て見ぬふり」をするでしょう。それが上記の本が教える真理です。満足していて、今のことに忙しい人が新しいことに時間をさくはずがありません。この参考書は、この心理を見事に明かしています。心理学の専門家もなってしまう闇の心理学ですね。西田哲学でいう「叡智的自己」に類似するのです。自己が選んだ価値だけを重視する。それで喜びをとる。ある意味でエゴイズムになる。利他にうすいこと、大乗仏教も批判したことです。
 うつ病で医療を受けている人が100万、受けていない人は4,5倍いるという。不安症/不安障害、過食症も含めると1千万はおられるでしょうか。うつ病の方には、まだまだ期待できる社会にはなりそうもありません。マインドフルネスも西洋の輸入で、うつ病の「治療」には用いられません。集中力、学力向上、寛解のうつの再発予防に関心が集中しています。やさしいからという理由もあります。 こういうふうになってしまうのも、上記の本でわかります。

 うつ病の方には、まだまだ支援の輪は広がりそうもありません。10年前とあまり変わっていません。専門家が自己の人生価値とするほど関心がない。専門家と言われていない人がやるしかないのです。それは、とても貴重な人材です。
★「見て見ぬふりをする社会」
(1)一種の「闇の心理」=「見て見ぬふり」
(2)一種の「闇の心理」=「見て見ぬふり」
(3)一種の「闇の心理」=「見て見ぬふり」
(4)学問においてもなぜ、視野狭窄がおこり、気づかないのか
(5)学問においてもなぜ、視野狭窄がおこり、気づかないのか
(6)学問においてもなぜ、視野狭窄がおこり、気づかないのか
(7)宗門内に強力なリーダーが必要
(8)教団の外の人々に期待できる
(9)利他をしない部派仏教教団・強調した在家の大乗者
(10)真理には階層性がある
(11)個人の自律性を抑圧する組織は衰退
(12)団体(社会)の悪と個人の悪
(13)組織のミドル の利益
(14)現代在家人は社会的思考と社会的行為が要求される
(15)道元禅師の思想哲学の解釈も専門家の間でまちまち
(16)ボランティア活動や家族、職業は捨てよ

【2021年にふたたび本書をとりあげます】
【書籍紹介】 「見て見ぬふりをする社会」マーガレット・ヘファーナン

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4650

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2970
★同じ文字(ここでは「円谷」)を見て無関心、反応する、行動する
★世界に通用するはずの西田哲学が日本人からも無視される

★西田哲学からみる科学学問、そして哲学
 〜マインドフルネスSIMTと表裏


https://blog.canpan.info/jitou/archive/3674
★自由にモノが言えない日本の組織

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3669
★学者は平気でウソをつく

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3577 
★メディアも経営上から深い仏教やマインドフルネスを伝えることが難しい

https://blog.canpan.info/jitou/archive/1812
★無視・傍観・軽視・放置・見放される病=うつ病

★専門家のエゴイズム

  V・E・フランクルの「全体主義、画一主義、還元主義」の批判も。

★専門家、学問のエゴイズムが起きる仕組み=西田哲学の研究者から
【目次】日本のマインドフルネスの再興を

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3342
★「いささかも己見を存せば人の言葉耳にはいらざるなり」
 道元禅師の言葉を一文字変えた
Posted by MF総研/大田 at 19:32 | エゴイズム | この記事のURL