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レベルの違うマインドフルネスがある [2016年10月23日(Sun)]
昨日、マインドフル・ライフ協会の定例会でした。講師のおひとりが、西洋的マインドフルネスには、欠陥があるといわれたことが印象的でした。私がよくいっていることと類似します。日本の人が最も深いマインドフルネスを開発して長く探求されてきました。これを現代人ができる理論と方法とを開発しなければなりません。
オルテガがいうように、学者も社会の利益よりも自分の利益を重視します。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4630
★現在の多数説を批判する革新を排除する、長老、権威。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3286
★押し付けないで! 社会は変転しゆく。押しつけているとそんな団体は衰滅していく。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2835
★様々なマインドフルネスを自由に学問的な議論ができる場
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4120
☆若者よ、権威、壁にあらがおう
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4840
★学者も長老も新しい時代環境によって生じる、自分を超える新しい学説をいう人を排除したくなる。それで、公益が妨害される。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4434
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4115
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3855
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3610
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3653
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2787
☆マインドフルネス心理療法には感覚の観察から思考、行為、闇の心理、自己存在を観察するものまであります。流派によって違います。うつ病、不安症/不安障害、過食症、家族対人関係の改善などは、意志作用レベルのマインドフルネス心理療法を用います。 (大田健次郎『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社)
☆さらに深刻な問題は、叡智的自己レベルのマインドフルネスです。 (大田健次郎『マインドフルネス入門』清流出版)
☆さらに、自己の根源の絶対無を自覚するのが人格的自己のマインドフルネスです。日本の深い禅です。自己の永遠の死を知り新しい自己に生きるのです。(2022年2月出版)
仮題「死を超えるマインドフルネス」
 (〜 がん哲学マインドフルネス)

自分の心理現象の観察は「無評価」だけではいけないこと、評価観察が公益になる問題があることの一つの証明です。

早稲田大学での講義(6)

(もう、この講義は行っていません。2年間だけ行いました。当時は、ポージェスのポリヴェーガル理論も知られず、「大乗非仏説を超えて」の研究もまだなく、欧米のマインドフルネス<静かな環境で無評価の観察>や初期仏教の四諦八正道<煩悩を評価するが六道輪廻から解脱が目的>が高く評価されていました。日本的マインドフルネス<対人現場で評価し感情が起きるが価値 実現を目標とした行動で世界創造>は、高度であるために有効性を理解し<評価>し ていただけませんでした。2年だけの短命でした。オルテガがいうように大学は多数派説だけが教えられるようです。
しかし、その後、マインドフルネス瞑想療法士🄬の活躍により、うつ病や非定型うつ病、PTSDなどの事例の発表がふえています。今の日本には必要であると<評価>してくださる人々もおられます。このように多数派説だけが大学で評価される。まさに、大学も誰かの意見で<評価>する世界です。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4737
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4013
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4341
 大学は多数説のみが教育されがちですが、しかし、少数説も社会貢献できる場があるべきです。多数派が無視傍観見捨てている場で苦悩があり、常に生じる新しい問題を解決していくために、学問も現状を批判的に評価する少数説による見捨てられてきた領域の科学的研究が必要です。

以上は、後からの追記です。以下が、講義直後の記事です)



 早稲田大学での講義は日本的な深いマインドフルネスの全体展望でした。 メインテーマは「日本的マインドフルネス」でしたが、次の内容です。

1.意識現象の階層
2.自己の階層(意識現象を起こす主体)
3.それぞれの実践
4.日本文化に流れる日本的霊性

 3について、述べます。 日本人はすべての自己のマインドフルネスを探求してきました。

 西田幾多郎博士によれば、自己を意識することを、自覚といいます。 その自己の自覚には、判断的自己、知的自己、意志的自己、叡智的自己、人格的自己があります。 この人格的自己です。
 https://blog.canpan.info/jitou/archive/3291
 自己の階層

レベルの違うマインドフルネスがある

  昨年の要約 - 講義p4.pdf

 知的自己は、感覚、思考で知識を得る自己です。このレベルを観察するマインドフルネスがあります。

 さらに深い意志作用を観察し行使するマインドフルネス心理療法があります。意志的自己は、行動にかかわるすべての意識される意識現象を観察し、行動まで観察します。無評価だけではすみません。家庭や職務を遂行するために価値に合致するものかどうか瞬時に評価決意する必要があります。日本で開発されたマインドフルネス、自己洞察瞑想療法(SIMT)は、このレベルです。うつ病や不安症/不安障害、過食症などの改善や予防、職場で職務を遂行する自己は、このスキルが必要です。
 このような改善効果があります。
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/senmonka/16-kumamoto2.pdf
 うつ病、非定型うつ病、パニック症、過食症、痛み、家族間の緊張不和が 改善します。薬物療法でも、第二世代の認知行動療法でも治らなかった患者さんですが、 マインドフルネスSIMT(第3世代の認知行動療法)で、1年くらいで治っています。重いですから、これくらいかかります。
 うつ病は、自殺があります。深い意志的行為ができない苦悩、自己存在を消そうとする苦悩です。浅いレベルのマインドフルネスでは支援できません。こういうことが無視、傍観されているようです。なかなか治療法が普及しません。
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kikansi/hp-02/69-all-counseller.pdf
現在、30名ほどのマインドフルネスSIMTの支援者がいます。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/1812
無視・傍観・軽視・放置・見放される病=うつ病

 さらに深い作用があります。叡智的自己の行為的直観、さらに人格的自己の創造的直観があります。これらを身につけるマインドフルネス実践があります。

(参考)「見て見ぬふりをする社会」マーガレット・ヘファーナン、河出書房新社。
 次の記事で述べます。

早稲田大学での講義
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
【連続記事】
「哲学を知り実践するマインドフルネスSIMT」

「がん哲学外来」に寄せて
⇒目次

【目次】日本のマインドフルネスの再興を
【目次】道元禅師のマインドフルネス
 この深い日本的マインドフルネスも!

Posted by MF総研/大田 at 19:51 | 新しい心理療法 | この記事のURL