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(43)なぜ生きるのか [2015年11月25日(Wed)]

西田哲学からみる科学学問、そして哲学
 〜マインドフルネスSIMTと表裏

(43)なぜ生きるのか

 「人はなぜ生きるのか」、古来多くの人が考えてきた。西田幾多郎は、世界を作ることが人生の目的であるという。
     「歴史的構成作用というものが理性的なのである。そこには構想力など、種々のものが考えられるであろう。しかしその根底には弁証法的自己同一として作られたものから作るものへという行為的直観的なものがなければならない。見ることと働くこととの矛盾的自己同一が根底とならなければならない。 我々の行為は歴史的構成作用から出でて歴史的構成作用に行くということができる。我々は個として、与えられた現実に対してどこまでも否定的である。しかしそれは歴史的世界の個として否定的なのであり、又否定することができるのである。現実の否定は歴史的構成的なるもの、個性的なるものを通さなければならない。行為的直観を基として歴史的構成作用を考えるのは、人生の目的が直観的静止にあるなどというのではない。我々の目的はどこまでも歴史的構成にあるのである。歴史的制作に人間の存在があるのである。」(『行為的直観』西田幾多郎旧全集8巻550頁)
 世界を構成すること、世界を作るのは、外的に物、サービスを作ること、ポイエシスであるが、同時に内的に自分を作る実践、プラクシスである。それは、 「至誠」に である。自己を作る方向は対極的である、自我優先のエゴイズムにまみれた自己を作るか、他者の利益を考慮した「至誠」の自己を作るか。人格形成が人生の目的であるという。
 己を尽くして物となって働くことである。我利我執で働くのではなく。なぜそうするのか。一つは日本人の道徳であったから。ひとつは人間が本質的にそういう存在である(根底が絶対無、絶対的一者、至誠の基)から。ひとつには、自分だけでなく他者も同じように個性的に生きることを肯定し、世界がすみよくなるから。エゴイズムで世界にあたるか、至誠でことになたるかで、世界が違って作られていく。人間の根底は、至誠であるから、絶対者(すべての人の根底)は後者を望んでいるのだろう。

 世界を作る、外的なことは大小ではない。家族のために食事を作ることもポイエシスである。やさしい言葉をいうのもポイエシスである。内面のプラクシスは「至誠」で。DVは、これがない。これで苦しむ女性が多い日本である。おさなくしては、親から虐待され、成長してからはパートナーからDVを受け、貧困に苦しみ、自殺する女性。NHKが報道した。 「マインドフルネス」で最も肝心なのは、自分の心の闇を観察することであろう。 自分さえ、自分の家族さえ幸福であれば、他はみない風潮が広まっている。日本の古来の道徳が失われた。宗教からも失われた。宗教もポイエシスであり、プラクシスがない。西田博士はそれを嘆いた。



(語句)
★SIMT:Self Insight Meditation Technology/Therapy。日本的マインドフルネス。大田健次郎 (2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社、大田健次郎(2014)『マインドフル ネス 入門』清流出版。
★学問的マインドフルネス⇒この記事
★社会的マインドフルネス⇒この記事
★世俗的マインドフルネス⇒この記事
★宗教的マインドフルネス⇒この記事
 =それぞれの教団によって、哲学とマインドフルネスの方法が違う

★「人格的自己への原体験」「人格的自己的体験」
「人格的自己の基礎となる直覚的体験」「自覚的直観、創造的直観の基礎となる体験」、仏教 では無生法忍、見性、回心などと呼ばれた。
【目次】西田哲学からみる科学学問、そして哲学
 〜マインドフルネスSIMTと表裏

参考

★(目次)NHK E テレビ、こころの時代「日本仏 教のあゆみ」
 ある特定の集団の立場に立たないで、根源的な人間のありのままの立場から学問をしようと する例のようです。

★(目次)道元禅師のマインドフルネス
★(目次)人格的自己の「マインドフルネス」へ
★(目次)さまざまなマインドフルネス
★(目次)最も深いマインドフルネスの実践の哲学
★(目次)昔から日本にあったマインドフルネス

★(目次)人格とは何か
★専門家は独断におちいりやすい
 =人格的自己でなくある目的、立場の専門家としての叡智的自己だから

★専門家のエゴイズム
 =自分が世界になろうとする構造
★自覚的直観、創造的直観
★高史明さんと金光さんの対談
★人間存在=自己洞察法の構造
★理論と実践
★理論と実践(2)
Posted by MF総研/大田 at 07:41 | 深いマインドフルネス | この記事のURL