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(12)すべての個人が根底に絶対的一者をもつ、それは事実 [2015年07月09日(Thu)]

最も深いマインドフルネスの実践の哲学(12)

 =(12)すべての個人が根底に絶対的一者をもつ、それは事実

 西田哲学は、絶対的無評価、そこから出てくる自我がない至誠の立場から世界(社会)の創造的要素であること を我々の個人個人が自覚すべきことを教えているといえる。科学、学問にも、エゴイズムが働きやすいが、西田哲 学のいう絶対的一者の立場は、個人の立場を抜きにするので、科学、学問の基礎にもなるのである。

 V・E・フランクルもいうが、我々の自己は平板ではない、立体的である。アクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)も概念としての自己ではなくて、文脈としての自 己をいう(ただし、これはまだ浅い、真の一元的自己でない)。
 同じように西田は、意識される心理の奥に真の自己がある ことを繰り返しいう。
    「我々の自己の自覚の奥底には、どこまでも我々の意識的自己を越えたものがあるのである 。しかも、それは我々の自己の外的なるのではなく、意志的自己というのは、そこから成立するのである、そこから 考えられるのである。それは単に無意識とか本能的とかいうものではない。しか考えるのが対象論理的錯誤であ る。」(『場所的論理と宗教的世界観』 旧全集11巻416頁)

    「我々の自己の自覚の奥底には、どこまでも自己を越えたものがあるのである 。我々の自己が自覚的に深くなればなるほどしかいうことができる。内在即超越、超 越即内在的に、即ち矛盾的自己同一的に、我々の真の自己はそこから働くのである。 そこには、直観というものがなければならない。」(『場所的論理と宗教的世界観』 旧全集11巻417頁)

    「我々の自己の根底には、どこまでも意識的自己を越えたものがあるのである。これは我々の自覚的事 実である。自己自身の自覚の事実について、深く反省する人は、何人もここに気づかなければならない。鈴木大 拙はこれを霊性という(日本的霊性)」(『場所的論理と宗教的世界観』 旧全集11巻417-418頁)
 これは、自覚的事実であるという。深く反省する人は、何人もここに気づかなければならないという。しかし、 そうする人は残念ながら多くはなかった。

 この事実は、絶対的無評価であるので、科学、学問がそうでなければならないのである。しかるに、独断的な評 価判断、誰かの利益を考えた解釈を入れた学問、哲学、宗教も多い、と西田はいうのである。
 鈴木大拙の日本的霊性について言及したあとこういう。学問、道徳、哲学もここからでないといけない、そうでな いとその人間の独断となる。組織内の構成員までも、そしてクライエント、顧客、国民などをくらますことになる。
    「鈴木大拙はこれを霊性という(日本的霊性)・・・・
    科学的知識というものも、この立場によって基礎づけられるのである。科学的知識は、単に抽象的意識的自己の 立場から成立するのではない。・・・・宗教的意識というのは、我々の生命の根本的事実として、学問、道徳の基で もなければならない。ここに気づかざるものは、哲学者ともなり得ない。」 (11巻418頁)
 はやりの「マインドフルネス」も、心理学、精神医学、行動医学などの「科学」「学問」「哲学」などの科学的な装いをもってはいるが、 西田哲学がいうほどの真の科学になっている保証がない。まだ始まったばかりである。絶対無の立場が絶対無評価のマインドフルネスであり 、それを基礎にしているがなお個性的な人格的自己の自覚を持ち、個性的な自分の価値をもって、世界(社会)創造の行動をしていくものであるだろう。
 西田哲学には、深いマインドフルネスがある。我々の自己は、みな、絶対的一者(神)の肖像(にすがた)というこ とをいう。 自分の無価値観、自己評価が低いことに起因する社会問題の解決になるかもしれない。精神的に団体の共通の 方針に全面的に同調しない自由な人格的自己でもあり、だからといって、他の人格を破壊、殺戮をしてはならない 根本的な理由づけが西田哲学にあると思う。個人は、すべて神の肖像であるから、反対者だからといって絶対に 殺害してはならないのである。西田哲学、東洋哲学は、他のすべてを排除せずに包容する。日本人が包容的であるのは、それの現れであろう。
 ここを間違って、言葉を対象的にとらえて、独断的な思想を作って、あわれな人を浅いものにとじこめたり、扇動して犯罪を犯すカルトが再生産される。もっと真剣に西田哲学を研究すべきであると思う。
Posted by MF総研/大田 at 08:32 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL