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第4回 マインドフルネス心理療法のための 西田哲学入門 [2015年01月19日(Mon)]
昨日、マインドフルネスの基本講座の4回目でした。 日本のSIMTだけではなく、MBSR,MBCTをも包括する西田哲学ということで学習しました。 この講座の最も核心部分です。
またまた、たくさんの質問があって、関心の深さを感じました。 意志的自己、叡智的自己までは宗教ではないので、すべての人が知っていていいはずの、 日本的な生き方です。
西田哲学は、すべての流派のマインドフルネスの研究者、支援者に知っていただいたほうがいいと思います。すべてのマインドフルネスを包括するのが西田哲学だと思います。すべての流派は、絶対無から知的自己までの階層のどこかに位置づけられると思います。

第4回 マインドフルネス心理療法のための 西田哲学入門

第1 テキスト
  • (4A)マインドフルネスのための西田哲学 序章
     =西田哲学とマインドフルネス
  • (4B)マインドフルネスのための西田哲学 第1章
     =自己実現の意志作用
  • (4C)マインドフルネスのための西田哲学 第2章
     =自己と世界

    <その他参考資料>
第2 おしらせ&ニュース


    ★ マインドフルネス精神療法研究会第1回大会
    2015年5月16日(土)、 大宮ソニックシティで。

    ★1月24日(土)日本マインドフルライフ協会の定例会で講演いたします。

    ★2月、ある全国的雑誌にマインドフルネス心理療法(SIMT)が難治性のうつ病、不安障害、過食 症などを改善していること、二人の非定型うつ病の体験談が掲載されます。

    ★その他
第3 マインドフルネスと東洋哲学
  • ジョン・カバト・ツィンのマインドフルネスの心得7つ
  • マインドフルネスを世界的にしたジョン・カバト・ツィンは、道元の哲学、実践を応用して、心理 学、心理療法にした。
  • 彼は道元に影響を受けた。
  • ジョン・カバト・ツィンのMBSRと、それの応用であるマインドフルネス認知療法には「全体性」 がある。従って、マインドフルネスは深い哲学が背景にある。
第4 ジョン・カバット・ジンの「全体性」、西田哲学の絶対無、井筒俊彦の「絶対無分節」、道 元の「身心脱落」=万法ともに我にあらざる時節は同じく最も深い、すべての人の根源である。
    この詳細を学習した。
    瞬間瞬間、時が消え、自己が消え、言葉で分節されたすべてが消える、ここは、動揺的、必然の 世界。善悪、エゴイズムがない。受動的マインドフルネスの局面。
    しかし、絶対無は自動的に分節する、自己、世界、すべて。ここは個人の個性的自由がある世 界。積極的マインドフルネスの局面。世界の立場から、己を尽くして生きるべきなのであるが、エ ゴイズム、独断、我執がある。

    これは、すべての人の真相である。
第5 西田哲学の評価

    A)西田哲学の評価と今後の可能性

    B)仏教やキリスト教で救済される論理

    C)外国の哲学の紹介ではない、日本で構築された独創的な哲学

第6 心理療法に応用した西田哲学の入門
    A) 場所の論理

    B)種々の段階の自己
      うつ病などを改善するのは、意志的自己のマインドフルネスSIMTでよい。しかし、低い自己評価、虐げられた自己、自 己の死の不安(がん患者など)には、叡智的自己、人格的自己のマインドフルネスが必要になる だろう。自己存在は思考、意志作用の対象にならないものだから、思考作用でも意志作用でも把握できない。だから、死後も存続するなどという俗説が生まれる。


    C)意志作用
      『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』(佼成出版社)の背景の西田哲学による意志作用を学 習。


第7 セッション4の方法
    人間h、夢、価値のために行動する存在。ここは、受動的、無評価のマインドフルネスの局面ではない。個性的な評価=価値の実現に向けて行動しなければなりません。


第8 受講生の皆様の課題
  • 第4セッションの課題を実践して、記録、提出。(資格認定の条件)

マインドフルネス心理相談員の育成講座10回の目次
Posted by MF総研/大田 at 17:45 | 私たちの心理療法 | この記事のURL