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理論と実践=哲学とマインドフルネス実践 [2014年12月18日(Thu)]

理論と実践
 哲学とマインドフルネス実践

 実践は、わけがわからずにするのではなく、理論による。 哲学者、中村雄二郎氏は次のようにいう。
     「もともと哲学は、眼前の実践的要求に手っとり早く応えるためのものではなくて、一度現実に対 して距離をとって熟視し熟考した上で、よりよく行為し実践できるようにするという性格を持っている 。だから哲学において、古来どんなに理論が実践よりも重んじられたからといって、哲学が最終的 に行為や実践に結びつくべきことは当然なのである。というより、最後に行為や実践に結びつくの が当然なので、かえって行為や実践のために理論の自律性をつよめ、理論をそれ自体として深 めていったのである。すなわち、諸々の事物を実践的な指示連関や目的連関から解き放ち、実 践や主観や価値から自由に、事物そのものに即して考察し、理解することになった。」『西田幾多 郎T』岩波現代文庫、中村雄二郎,p127
 マインドフルネスは、実践であり、理論、哲学ではない。マインドフルネスは、初期仏教の哲学(ヴィパッサナー瞑想)、 大乗仏教の哲学、襌の哲学ないし西田哲学(MBSR,SIMT)、弁証法(リネハンの弁証法的行動療法)、行動分析学(ACT)などを理論としている。その理論、哲学が何を 示しているかが重要である。東洋哲学といわれる仏教では、理論(哲学)と実践(修行法)の両方が重視された。初期仏教の理論は、四諦でありその中の縁起であり、その方法は「八正道」であった。その中に、マインドフルネスもある。大乗仏教は、理論が六波羅蜜でとくに智慧波羅蜜であり、実践は禅定波羅蜜がある。
 襌にも哲学があり、それを実現しようとして、坐禅という方法があった。襌の場合、目標が違うものがある。人によって違う。仏教の哲学は、襌の哲学は何百年も検討されてきた長い歴史がある。
 ACTは、行動分析学という西洋哲学であるという。まだ、年数は長くないだろう。マインドフルネスではないが、 ベックの「認知療法」にも、理論があり、それに基づく手法がある。
 哲学、理論が違えば、到達目標が違う。これまでは、哲学を考慮することなく、形式的に手法を適用する試験が行われてきたようである。
 マインドフルネスを勉強するのに、いい本がないか紹介することを求められると困ってしまう。 現代のさまざまな方面の社会問題の解決になりそうな、マインドフルネスの哲学の本を見つけるのは難しい。行動分析学はあるのだろうがそれは西洋哲学である。釈尊に始まって2千年かけて洗練されてきた東洋哲学をマインドフルネスの視点から書かれた本はまだないであろう。 道元禅師のもの、西田哲学などがあるが難しい。
 今は、マインドフルネスを活用しようという人は、従来の仏教や襌に向かったひととは違う。マインドフルネス者にわかりやすい理論がないと、海図や羅針盤がなくて、海洋にのりだすようなものだ。 どこに着くかわからない。いつまでも、港付近をぐるぐるまわるかもしれない。

人格的自己のマインドフルネスへ

Posted by MF総研/大田 at 20:11 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL