• もっと見る
«うつ病の対策で自殺防止を | Main | 意志的自己であるためにあやうい»
自殺が多い国日本 [2014年09月06日(Sat)]
★2015年5月に、第1回の「マインドフルネス精神療法の研究発表会」を開催する予定です。その頃、機関誌「マインドフルネス精神療法」の創刊号を発行する予定です。
発表と執筆の準備をお願いいたします。機関誌に投稿予定の人は、ご連絡ください。所定のフォームがあります。

自殺が多い国日本

世界保健機関(WHO)が、世界で2012年に推定80万4千人が自殺したとの報告書を発表した。 日本は、世界の平均の1.6倍で、自殺が多い国。高所得国の中では4番目に高い割合。
もう、20年、うつ病を改善することを通して、自殺を未然に防ぐ呼吸法、自己洞察法の普及活動をしてきました。10年ほどたったころ、次の論文が、私が2005年に書いてある団体に提出した自殺減少の夢です。

2015年の日本 自殺の少ない国

 最後の部分を以下に、再録します。「うつ病、自殺予防の相談員」というのは、 今、 「マインドフルネス心理相談員」とよんでいるものです。 10年前には、マインドフルネスという言葉を使っていませんでした。「呼吸法、自己洞察法」といっていて、 自己洞察瞑想療法(SIMT)と名づける前です。ジョン・カバット・ジンのMBSRには触れていますので、自己洞察瞑想療法(SIMT)と名づけたのは、このあとまもなくのようです。 20年前から、ホームページをみて、きてくださったクライエントのかた、 カウンセラーになりたいと講座を受けてくださったかたのおかげで、ここまでこられました。 2冊の本を出版できたのも、そういう方たちが効果があることを証明してくださったおかげです。しかし、力及ばず、 自殺が減少していません。まだ、2万5千人以上です。

部分的に再録 <2015年の日本>

(2005年1月記)

 上記を核として、2015年の日本を描く。
 うつ病の治療のために心理療法を行い、自殺予防の活動を行う「うつ病、自殺予防の相談員」 が各県に相当数いる。各県に、「うつ病、自殺予防の相談ネットワーク」の組織(NPO法人か任意団 体)があり、それぞれの組織には5人以上の「自殺予防のボランティア」相談員がいて、当番でカウ ンセリングにあたるので相当数の患者の治療を行うことできる。各人は、それぞれに強みをもって 分担している。不登校生徒のうつ病、女性のうつ病、勤労者のうつ病、老年期うつ病、パニック障 害と並存するうつ病に強い人がいて、患者にふさわしい指導員がカウンセリングを担当する。それ ぞれ、呼吸法程度を指導できるアシスタント指導員と共にカウンセリングを行う。
 一部の組織は、外出できない患者のために、在宅カウンセリング、病院への出張カウンセリング を行っている。カウンセリングを行う指導員、アシスタントのほかに、レジャー、文化活動を企画する スタッフ、事務などを担当するスタッフもいる。みな、医者でもなく、臨床心理士でもないボランティ アである。共同で、近隣の住民のカウンセリング、趣味の活動、旅行などを提案して行っている。信 頼できるスタッフと心を病む人たちが「仲間のつどい」の要素をもちながら、集団カウンセリング、集 団の楽しい催し(多少、自己洞察法の時間が取り入れられる)に参加するので、孤独、孤立からの うつ病の悪化を防止しており、さらに重症の人には、うつ病、自殺問題を専門に研究しているカウ ンセラー(相談員)が時間をかけたカウンセリングを行うので、うつ病が治る患者が多い。治った人 の一部が組織の協力者や指導員にもなっている。
 もちろん、これは、NPOに準じて、政治色、宗教色はない。役員は定款に従って改選されている 。 そういう組織が各県に少なくとも1つはある。活発な県では、数個ある。その組織には、年会費3 千円程度を負担してくれる資金援助会員が100人以上いる。これを基本的資金として、さらに県内 の企業などからの寄付を受けている。資金はカウンセリングの会場借用、スタッフの交通費などに 使用される。その資金をもとに、薬物療法や他の心理療法でも治らなかったうつ病者、長引いてひ きこもりがちな人のカウンセリングを原則として無料で行う。まず、薬物療法を併用すべきとか、この ボランティア相談員で扱うことができないと判断した患者は、協力関係にある精神科医、大学病院 などを紹介する。ひきとめることはしない。
 そういう組織が複数ある県の自殺者数は、平成16年と比べて6割以下になっている。その活動 が効果をあげて、心身の健康に貢献して医療費も減少している。これが私の描く「夢=2015年の 日本」である。実現には、多くの人々の真剣な協力が必要である。
 私が2005年に書いた頃とは少し減少しました。しかし、まだ多いです。 上記の夢と現状は大きくかけはなれています。私の夢は、10年間に、ほとんど進展しませんでした 。
 呼吸法を中核とした手法による(当時は、マインドフルネスという用語は使っていませんでした)カ ウンセリング組織が 「各県に少なくとも1つはある」というのが、わずかに「数県」です。 「うつ病、自殺予防の相談ネットワーク」の組織(NPO法人か任意団 体)は、数県しかできませんでした。これに危機を感じて、この6月、日本マインドフルネス精神療法協会の中に、全国的な「マインドフルネス精神療法研究会」を発足させました。マインドフルネス心理相談員のさらに高度のスキルを持つ新しい資格(商票登録出願中)を創設します。全国のネットワークとしていきたいと考えています。

被災地に多数のマインドフルネス心理相談員

 満期の2015年が来年ですから、これを書き換えなければなりません。引退しているであろう 10年後の2025年にどのような夢を描けるでしょうか。東北各県に実現するのではないかと大きな期待をしています。上記のころと違うことが一つ起こっています。被災地、石巻の講座で受講なさっている方からおききしたのは、被災地では、臨床心理士もうつ病、PTSDの改善に積極的に取り組んでいて、マインドフルネス心理療法に大きな関心を持っているという点です。課題の実践態度が大変、真剣です。自己洞察の深くとてもスキルのあるマインドフルネス心理相談員が多数出現するでしょう。
Posted by MF総研/大田 at 07:16 | 自殺予防対策 | この記事のURL