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マインドフルネスを推進するのは誰か(7) [2014年07月17日(Thu)]

マインドフルネスを推進するのは誰か(7)

 =(7)その問題をよくわかっている人でないとクライエントを苦しめる

 セラピー(医療、心理療法)としてのマインドフルネスによる支援を行う場合、 その精神疾患なりその病気についてよく知っている人でないと 失敗します。
 私もその人の苦悩を知らずに、不用意なことをいって失敗したことがいくつかあります。 詳しく書くわけにはいきませんが、クライエントの人から叱られたことが、3人くらいあります。 その人たちの問題の深刻さを知らずに、傷つけるようなことを言ってしまったのです。 こちらは、そのつもりはありません。驚くほどの何でもない言葉にひどく反応されます。拒絶過敏性に配慮が足りなかったのだと思います。こうして、 援助側もつらい思いをします。こちらは一生懸命やっているつもりなのに、怒られます。ボランティア活動でしたから、そのことによってやめてしまうとそれまででした。あまり、つらいことが多いと、当然やめたでしょう。そういう人たちに教えられたのでした。難しい精神疾患の治療援助をボランティアだけが行うのではなく、 マインドフルネスは、職業的専門家の方々の間に普及してほしいものです。

 その人の症状の深刻さを知らずに、浅い手法、短い期間の援助もよくないことでした。 欧米のマインドフルネスでは、8週間プログラムがあるというので、 私も8週間だけのプログラムをやったことがあります。しかし、深刻なうつ病にはこれは無茶でした。うつ病は8週間では治らないのです。もっと長期間の支援が必要である人が多いです。試行錯誤の結果、日本人のうつ病を治すためのマインドフルネスは10か月の実践を標準とすべきであると決着しました。もう欧米のマインドフルネスには惑わされません。問題や深刻さに違いがあるのです。希死念慮・自殺念慮があるので、 うつ病のマインドフルネスは、 いい加減な気持ちでは引き受けられない問題です。 未熟なために、つらい思いをさせてしまった事例があり、それを教訓としてきました。

 マインドフルネスに期待するクライエントは、他のカウンセリング、他の援助法では回復で きなかったかたがたです。腰をすえて、かからないといけません。心の病気がひどくない人 を扱う宗教とは違います。宗教実践そのままではうつ病や不安障関連の疾患は治りません。治すようには構成されていません。その精神疾患について深い知識と、すでに信頼されるクライエントを持つ人(医師、心理士、すでに支 援活動をなさっておられる人など)が、すぐれた<他者支援のための>マインドフルネス者になれると思います。自己満足はやさしいが、他者満足は無限の努力を必要とします。 苦悩する問題を持ったクライエントがすでに身近にあるような基盤をもたないで、全くの無縁の人の支援を何人かのマインドフルネス心理相談員がなさっておられますが、す ばらしいご活動です。ご苦労が多いことと思います。何でもそうですが、 パイオニアは苦労したはずですが、そういうひとがいないと新しい技術は生まれないのでしょう。
 現場では、クライエントさんから悲しみ、苦しみ、怒りをぶつけられる、それを受容しマインドフルネスの対応をしていかねばなりません。思考レベルの知識ではまにあいません。 私も多くの失敗を重ねてきました。 現場で実際の臨床を行わないマインドフルネスでは、本物の活きた(行動レベル)マインドフルネスではないのです。社会の現場の人々(仏教では衆生という)は何で困っているのか、それを自分が学んだものでどう支援できるか、それをしないと、仏教と同じ歴史を繰り返えします。図書館や書店に、洪水ほどの仏教の本があり著者は満足を得てきたのに、社会の現場は苦悩する人で充満しています。現場に充分活かす専門家がおられません。アメリカのマインドフルネス者がこの矛盾に気づきました。 マインドフルネスは、苦悩の現場で行動する意志的自己レベル、叡智的自己レベルの実践です。
【目次】マインドフルネスを推進するのは誰か
Posted by MF総研/大田 at 20:51 | 新しい心理療法 | この記事のURL