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マインドフルネスを推進するのは誰か(6) [2014年07月10日(Thu)]
★台風が近づいていますが、私は金曜日に石巻に向かいます。深夜到着になろうとも、 行ければ、土曜日のグループセッションは予定どおり開催します。また、台風が通過するので、日曜日のカウンセラー講座は必ず開催できるでしょう。

すべての支援者のためのマインドフルネスの基礎の講座

10月から埼玉で開始します。受付中です。
☆マインドフルネスには宗教を基礎にしたものもあります。しかし・・・。
☆宗教を基礎にすると論理が飛躍したりその人個人の独断的信仰のような言葉が出てきて 論理があいまいになります。だから、従来の宗教が専門家(僧侶、宗教学者)の人の中に留まり、 現実の庶民の現実の苦悩を解決するに到らなかったともいえます。これまで、宗教的手法のマインドフルネスは、現実苦の支援に用いら れることがなかった。
☆欧米の哲学、アメリカのマインドフルネスをも包括する西田哲学による厳密な論理によるマインドフルネ ス。
他の人の支援に「マインドフルネス」を活用しようとするすべての人が心得ておくべき必 須のマインドフルネスの哲学と実際の支援の手法。人間活動のすべての領域に、うつ病、自殺、自分がわからない、自己評価が低い、自 分とは何か、生きること、「死」の問題があります。
☆アメリカのマインドフルネスの基礎にあるものも理解できる西田哲学
☆全9回です。途中からの参加はできません。

マインドフルネスを推進するのは誰か(6)

 =(6)困っている人に接する環境を持つ支援者

 マインドフルネスを現実問題に臨床応用して現実に解決支援できるのは、その領域の専門家、支援者です。私やマインドフルネスの研究者ではありません。 マインドフルネスの研究者(私も)は、現場の苦悩を知らず継続的にその人たちにかかわっている 環境を持っていません。他の本務に忙しく、マインドフルネスの臨床に乗り出すことができません。だから、研究者(私も)の書くマインドフルネスは、一般論、机上論です。実際にある問題に効果があるのかどうかわかりません。
 仏教がたどった弱さを繰返さないことを祈ります。宗門内、大学の教室内だけの仏教になって、現実の問題に臨床応用する人がいなかった。
 6つの状件、環境を持つ人が、真にマインドフルネスを推進できる人材です。 現場にいる支援者です。

 たとえば、中学生の不登校、保健室登校、特別の部屋の登校の子どものそばにおられる学校カウンセラー、養護教員、自立支援塾などの支援者。
 たとえば、がん患者さんの会の支援者。
 たとえば、パーソナリティ障害の支援者、虐待された人、する人の支援者。 たとえば、会社のうつ病らしい人にあう産業カウンセラー、産業医。
 精神科医、精神看護師、うつ病の人がくる臨床心理士は当たり前です。
 こうした人たちが、出版されているマインドフルネスを実際に使っていかないと、マインドフルネスの将来はありません。文字に書かれた仏教の本、襌の本は無数にあるのに、 現実の問題解決に活用されませんでした。マインドフルネスも文献研究だけですと、同じことを繰り返します。苦悩する現場の人でないと、生きた実践にならない。そのことを、仏教の最高峰である「華厳経」が強調したのです。寺院、研究者のところに生きた仏教はなく、町の中にいる53人 の比丘、職業人、長者、医師、在家の信者、少年少女の中で本当の仏教が生きていることを教えている。苦悩する人に囲まれている、実際的な質問を受け答えする、そういう中にしか、仏教は生きていない。

 マインドフルネスは(元来の大乗仏教、鎌倉仏教もそうです=西田幾多郎、鈴木大拙、西谷啓治など)は思考レベルの知的自己レベルの知識ではなく、自分の人生の価値を目ざして行動する意志的自己の行動レベル、さらに叡智的自己の直観(自己の中に客観世界がある、世界は自己実現の場)による自己と世界が不二の行動レベルです。行動できないと苦悩は解決しません。本で理解したこことと実際はまるで違うものです。本を読んだだけで、無我になった人がいるでしょうか。本には「私は死なない」、「生死透脱」(生死の問題を乗り越えた)、「心身脱落」(魂も身体も脱落した)という語があります。読んで、そうなった人がいるでしょうか。
 現場の支援者が6つの条件をすぐに満たすことができるはずです。最も難しい(4)(5)を持っておられますから。これのない人がこれからやろうとすると、5年10年かるでしょう。また、やろうと思うひとが少ないです。しかし、 (1)(2)(3)は1年で習得できます。
マインドフルネスを推進するのは誰か
参考
Posted by MF総研/大田 at 06:12 | 私たちの心理療法 | この記事のURL