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人生価値の確認(1) [2014年01月06日(Mon)]

人生価値の確認(1)

 マインドフルネスの一種である自己洞察瞑想療法(SIMT)では、セッション4で価値確認をします。人 生の自分の価値です。自分自身の個性的な価値であって、保護者の価値でも、団体の共通の価値ではありません。
 時間をかけて行うこと、あらためて価値を再確認するのと、確認しおわった価値を朝一番にすばやく念じ る手法があります。(『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社、p84-85)  価値を7つの領域で再確認します。家族・子育て、結婚・恋愛、対人関係、仕事・家事、教育、趣味・社会活動、精神面の成長 の7つです。V・E・フランクルは3種の価値があるといいます。 創造価値、体験価値、態度価値です。7つの価値領域に3種の価値があります。
 価値実現には行為が伴うので、一つの瞬間には、一つの価値しか実行できません。 V・E・フランクルもいいます。

 「すべての人間の人格は独自なものであり、すべての人間の個々の生活場面も一回的なものである 。この独自性と一回性に、一人の人間のそのつどの具体的使命が関連しているのである。それゆえ、 それぞれの人間はそれぞれの瞬間において、一つの、ただ一つの使命をもつことができるだけである 。」(V・E・フランクル『人間とは何か』p103)

複数の価値、時々刻々に選択、移動

 私たちは、人生の意味、生きがい、価値として、固定した一つではなく、複数持ちます。 瞬間瞬間 違う価値を選択します。大きなある創造価値、たとえば仕事を持っていたとし ても、ある状況では、そ の瞬間は別の体験価値や、別の態度価値、存在価値にそった 行動を選択しなければならないので す。 仕事に関連の創造価値ばかりを重視して、ある時に、家族をもっとも優先させなければならない 体験価値、存在価値があります。創造価値、体験価値を持っていても、がんや重い病気になったり障 害を持ったら態度価値、存在価値が重要になるでしょう。あるいは、 創造価値を大切にしながら、態度価値、存在価値を同時に重視しなければならない人もいるでしょう。 生きていく上で、 さまざまなことがあり、一つの価値に執着してはいけないのです。 瞬間瞬間、臨機 応変に、価値を想起し、その瞬間に あった行動をするのです。常に、そういう課題をつ きつけられます。 選択を間違うと、事故を起し、命を落とし、仕 事のミスをし、他者の生命をおびやか し、対人関係をそこねて、家庭を崩壊させます。 そういう意味では、平常時と危機時の態度価値と存 在価値をしっかりと持つことが大切であると言えるでしょう。マインドフルネスの実践は、その有力な手 法の一つです。



Posted by MF総研/大田 at 21:30 | 私たちの心理療法 | この記事のURL