虐待(2) [2013年12月16日(Mon)]
虐待(2)=虐待防止学会に参加して私が参加させていただいたのは、「MY TREEペアレンツ・プログラムセンター」が企画なさった 「虐待する親の回復支援・セルフケアの重要性 〜MY TREEにおける怒りのマネージメントとストレスケア〜」 でした。 企画者・司会者の中川和子様 (MY TREEペアレンツ・プログラムセンター)から、 プログラムの説明がありました。「セルフケア」と「問題解決力」の回復をプログラムの目的としている プログラムです。虐待する母親の援助プログラムであり、毎週1回のグループセッションを13回提供 するものです。虐待がやんで、すぐれた改善効果をあげておられます。 このプログラムの中で、毎回呼吸法を取り入れているそうです。 それを 白山真知子様 (元摂津市家庭児童相談室 臨床心理士)が説明されました。 「瞬間的に激昂する強い感情のコントロールも大きな課題」で「深い呼吸と身体の動きを伴う簡単な 瞑想を毎日継続的に取り入れることで、怒りの感情をコントロールすると同時に、自分の身体、思考 、感情の全体性を受容する心の状態を保つように促している」とのことです。 深い呼吸が脳に与える効果「深い呼吸が脳に与える効果」が私のテーマでしたが、次の資料を準備しました。
深い呼吸が脳に与える効果このうち、(C)呼吸法を中核としたマインドフルネス心理療法(SIMT)による改善効果は、 このホームページの図と同じもの で説明いたしました。(A)の「深い呼吸が脳に与える効果」ですが、 次のような内容です。
虐待のうちうつ病、PTSDが背景ならば以上のように、うつ病、非定型うつ病、不安障害の改善効果がみられるので、虐待する親がうつ病 やPTSDの傾向がある場合に、呼吸法をとりいれたプログラムによって虐待行為も改善できる可能性があると発表しました。
さらに、呼吸法によるマインドフルネス心理療法は、虐待予防対策に広く用いていくことがで きる可能性があります。このことは、中高大学生のころにマインドフルネス心理療法を受けることと述べただけに終わりました。 子どもができる前から、不安やうつ傾向、トラウマの悩みなどがあるとすれば、青春期からマインドフルネス心理療法で、それを克服しておくという対策です。 ただし、支援できるのは、実際をよくご存知のみなさまであるともお伝えしました。一般的なPTSDは、1回きりの事故、災害によるものでした。しかも愛してくれるはずの人物は関係していません。ところが、虐待は愛されるはずの親、兄弟とのトラウマです。人格的な苦悩が深いでしょう。他のうつ病、PTSDとは違うことがあるので、具体的なことをよくご存知の支援者が、その苦痛の受け入れができるマインドフルネスを用いないとうまくできないと思います。また、浅い感覚、思考レベルのマインドフルネスでは効果がうすい人もでてくるでしょう。 感覚や思考ではなくて、根底の家族の愛情、人格にかかわる問題がありそうですから、援助は難しいだろうと思います。こうしたことが、仏教や襌のような苦しみのない寺院の中でおこなわれた一般的な方法 で現実問題には具体的でない方法は、現実の社会問題の援助には<そのままでは>用いられてこなかったという理由です。 虐待のこととマインドフルネス心理療法について、少し考えてみま す。 (続く) 虐待
【田宮虎彦】 https://blog.canpan.info/jitou/archive/2809 ★小説『足摺岬』を書いた田宮虎彦が虐待をテーマの所説も https://blog.canpan.info/jitou/archive/2811 ★自殺を思いとどまる『足摺岬』の場合 https://blog.canpan.info/jitou/archive/2813 ★田宮虎彦の小説『父という観念』 https://blog.canpan.info/jitou/archive/2814 ★田宮虎彦の小説『童話』 虐待防止関連の記事 その他の関連記事
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