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叡智的自己は価値実現が習慣化している [2013年11月11日(Mon)]

価値実現に生きる叡智的自己(8)

 =衝動的自己、意志的自己から叡智的自己へ
 =叡智的自己は価値実現が習慣化している

叡智的自己は価値実現が習慣化

 人は価値実現のために生きる。フランクルが意味への意志ということであろう。生きる価値には、す なわち創造価値、体験価値、態度価値、存在価値などがあると思われる。
 西田哲学によれば、意志的自己よりも深い自己は、叡智的自己である。 それは、自分の価値をしっかりもっていて、その価値実現への反応が習慣化された自己である。能 動的習慣であり、つまり生きがいとして自由意志により選択した価値への習慣的行動である。衝動的 、価値崩壊的な習慣ではない。 自分の仕事、趣味などに生きがいを持ち、一々努力しなくてもスムーズに行動できているだろう。(叡 智的自己には習慣化以外の条件もあるが)
     「メーヌ・ド・ビランは習慣を能動的と受働的とに区別しているが、行為的直観によって一つの世界 が自己自身を構成すると考えられるかぎり、それは永遠の今の自己限定として、そこに 永遠なるも のの内容が映され、イデヤ的なるものが見られるということができる。 能動的習慣というのは、歴史的 世界の自己限定の立場からいえば、行為的直観と考うべきものである。・・・しかし能動的習慣という のも、歴史的には畢竟受動的となって行くものである。そしてかえって我々の生命の発展を抑制する ものである、その極、我々を物質化するものである。 永遠の今の自己限定として歴史的に物が形成 せられるというのは、即ち行為的に物が見られるというのは、偶然に物が現れるということでなく、そこ に習慣というものがなければならない。 時間即空間、空間即時間として場所的なる世界の自己限定 は習慣的構成作用ということができる。」(『行為的直観の立場』西田幾多郎旧全集8巻201頁)

     (後半には、能動的習慣も惰性化して、「我々の生命の発展を抑制するもの」になるということが指 摘されている。専門家の大失敗、エゴイズムによる他者傷害もこれであろう。)
 叡智的自己は、自分が選択した仕事や趣味などの価値・夢に向けて、毎日すぐに行動していくと いう特徴がある。マインドフルネス、アクセプタンスが強い意志的努力がなくてもスムーズに進行していく生活、日本的なマインドフル・ライフと言えるであろう。

叡智的自己でないと苦しいことがある

 自分のしたいこと、ありたいこと、すなわち価値が決まらないとか、決まっていてもそれへの行動が できないと、苦しむ。 苦悩の思考を繰り返して、うつ病となったり、ひきこもる(社会的行動をしない)とか、暴力をふるうとか 、何かでまぎらすことになるおそれがある。こういう段階ならば、意志的自己というモデルを目標とし て、治すという暫定的価値を発見して意志的行動を起すような訓練を行う。 意志的行動を努力して行うことが意志的自己の修練であり、心の病気の治療や家族間の不和の解 決のためのマインドフルネス心理療法と言える。
 うつ病や不安障害になると、自分の価値・夢を失っていたり、あっても行動できない。叡智的自己 ではない。 我々は、家族や社会のためになる価値の実現に向けて、行為していく存在であり、そうすることによ って、喜びを得る。

心理療法のレベルを越えたマインドフル・ライフ

 意志的自己の先がある。治るという暫定的価値から本来の価値を見つけることができて、価値への 行動が無理なく、ことさらの努力がなくても、毎日ほぼ習慣的に行われると、叡智的自己に近い。
 意志的自己レベルのエクササズを繰返してうつ病などを克服した人は、次に叡智的自己のマイン ドフルネスを実践することによって、いきがい、夢、喜びの持続する生き方を継続できる。 ただし、仕事や趣味などに生きがいをもって暮らすだけでは、全人的な叡智的自己ではない。 主に対人関係で実践される重要な態度価値、存在価値をしっかり持ち実現していないと心の底から の安心はないだろう。創造価値、体験価値が恵まれていても、大切な人、特に家族との人格的交流 を大切にしないところには、空しさを覚えることが多いだろう。そして、究極的には、西田哲学が宗教 レベルであるという 絶対者との関係における態度価値、存在価値の探求が必要になる人もいるだろう。
叡智的自己
 職業、家事、育児も専門家であり叡智的自己だが自覚がない
 
  • (参考)専門家のエゴイズム
  • ヴィクトール・フランクル=さまざまなレベルの自己
  • 4つの価値=創造価値、体験価値、態度価値、存在価値
  • Posted by MF総研/大田 at 11:48 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL