人間は常に課題を迫られている存在 [2013年04月26日(Fri)]
人間は常に課題を迫られている存在=マインドフルネス自己洞察瞑想療法の構造(2)人間、つまり、自己は、世界の中に生きているので、創造的世界の創造的要素 として、世界を作っていく存在である。人生は時の上にある。自分の 時は一瞬一瞬現れて消えていく。その 瞬間瞬間に「客観的に我々に臨んで来る」、客観世界が、自分に世界を創造する か崩壊させるかの課題を迫っている。
「実践的自己に対して与えられるものは、無限の課題でなければならない。我々の真の自己に対して与えられるものは、我々の生死を問うものでなければならない。我々はどこまでも自己の私を去って物そのものとなって考え、物そのものとなって行う、どこまでも真実を求め、真実に従う、そこに科学があり、道徳があるのである。」(『経験科学』旧全集9巻,300頁) マインドフルネス心理療法としてこのような人間存在が、常に課題を迫られているということを、心の病気の回 復や問題行動の改善のために応用する。心の病気や問題行動には、 価値崩壊の行動がある。世界を創造することではない。そこで、 価値崩壊になる行動は抑制する、つまり、選択しないというスキルが必要になる 。うつ病や不安障害は、客観が不快であるとして、価値崩壊の反応パターンを繰 返しているから、心の病気が持続してきたのである。そこで、潜在的に持っている自分の価値崩実現の力を活性化させる。そのトレーニングをする。一瞬一瞬、自分に現れる現実(客観)をあるがまま観察し情況を把握して、 自分の価値実現のためにすべき行動は何があるかをすばやく探索して、一つの行 動を遂行するのである。これを価値実現の反応パターンという。この反応パター ンを繰り返し反復するトレーニングを行って、常に価値崩壊の行動をする力を身につけるのである。 マインドフルネスの自己洞察瞑想療法(SIMT)の構造 |