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フランクルの『夜と霧』 [2013年03月07日(Thu)]
日本で開発された マインドフルネス心理療法(SIMT)の本が4月に発行になります。
『うつ・不安障害を治すマインドフルネス
  −ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」』著者:大田健次郎
欧米の輸 入ではなく、理論は日本人の精神構造を論理的に記述した西田哲学であり、理論も実践も日本人にわかりやすいものとなっていま す。 重症のうつ病、不安障害でも治る人がいます。
患者・家族会(3月24日、4月以降も毎月開催)(解決 に向けて確かな方向を)(あと数名です)
マインドフルネス哲学研究会(4月13日)
マインドフルネス自己洞察瞑想療法(SIMT)研究会 (4月20日)
専 門家の育成講座・マインドフルネス自己洞察瞑想療法(SIMT) ( 次回は、3月16日)
心の健 康クラブ(うつ病・認知症の予防、自己実現)(5箇所で毎月 )

フランクルの『夜と霧』

 フランクルのことをMHK Eテレビが毎週水曜日に4回にわたって、紹介します。  1回目は、昨夜でしたが、3月13日に再放送があるそうです。
 うつ病の人、不安障害、過食症の人が見ていただきたいです。 そのような病気は、つらいけれども自由意志で克服できる時間があります。 つらくて、そのような生活をしているのも、自分が選択しているというのです。 すべての人が同じような価値崩壊の生活はしないで、つらい中でも価値実現の行動を選 択できる存在だというのです。
 アウシュビッツや地方の強制収容所の中で、明日、自分がガス室に送られて殺されるという 極限状態の中にあっても、最期まで冷静にいた人と無気力、無感動になった人がいたと いう。当時の状況は、ガス室送りか病気による死の予期不安のほか、待遇や環境が劣悪で、人間の尊厳もなかったことを伝えています。比較はできませんが、 死の予期という観点だけからは、現代では、がんになって死を意識している人の心がこれに近いのでしょうか。 最期まで価値を見出して生きていく人々がいることを見たと、フランクルが教えてくれ ました。
 フランクルが60年前に、教えてくれた生き方が、最近、マインドフルネス(=価値 実現をめざして世界に向かって行為する、態度を示す)、アクセプタンス(世界や自己 自身のつらい状況に負けず受け容れる)の装いを持って、再認識されたのです。 マインドフルネスにも深さがさまざまなものがあります。適応する問題が違ってきます。
 NHKが今、再放送しているのは、「避けることができる」つらいことでうつ病や不安障 害、過食症などで、自殺をなさろうとする人に、そうしないでほしいということを訴え ようとしているのでしょう。強制収容所にいた人と違い、現代の環境は、絶望ではないので、生き抜いていく希望と自由があるのです。 人には、「避けることができない」死のようなつらことがあっても、それに負けずに、価値実現のために行動できる自由があ るのだといいます。まして、現代のうつ病や不安障害は、避けられる出来事の中のことで、 選択肢が多数あります。 避けられる苦痛には、価値崩壊の態度、行動をとり続けるのではなく、価値実現の態度、 行動をとる自由があるのです。その時間が長い人は幸福です。価値実現の態度、行動を とっていく方法を学ぶことができます。
 強制収容所にいた人は、現代では、病気によって、まもなく死ぬということを意識して、苦悩する人が近い状況なのでしょうが、フランクルは、「避けられない」苦痛の中にあってさえも、なお生きる価値を発見できると教えていると思います。そのつらい中での価値実現の行動で、生き抜いて、死の不安を乗り越えて、態度を、証言を残していただきたいです。それは、世界の中に、永遠に残ります。他の人を生かします。
フランクルのこと
Posted by MF総研/大田 at 10:49 | マインドフルネス心理療法 | この記事のURL