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<目次>エゴイズムの自覚=マインドフルネス(1) [2013年01月23日(Wed)]

<目次>エゴイズムの自覚=マインドフルネス(1)

 =カウンセラー、支援者、宗教、教育、医療、さまざまなスキルの推進組織、ビ ジネス、官公庁、連合団体

 ブログ「マインドフルネス・アシスタンス 八女」に、マインドフルネスの核 心に触れる記事があります。 ご紹介させていただきます。  この記事には、今はやりになりそうな「マインドフルネス」で、多くの人が学 習を始めているようですが、その推進者でさえも見過ごしてしまいそうな警報が たくさんあります。マインドフルネスは、「無評価」「あるがまま」で見ること ですから、カウンセラーやマインドフルネスの指導者が自分にエゴイズムの心が 起きる(無評価、あるがままでなくなってしまう)ことを自覚して抑制しなけれ ばなりません。それなのに、マインドフルネスのカウンセラーが自分のエゴイズ ムに自覚がなく、クライエントを苦しめるかもしれません。

 マインドフルネスSIMTでは「本音」を観察することを重視します。本音は、自分特有の評価です。嫌悪、執着、行動基準などがあります。自分や他者を傷つけるほどに強固なものです。 感覚、思考、行動に同時に発現しています。これを観察します。( 大田健次郎「うつ。不安障害を治すマインドフルネス」佼成出版社、P111)

 まず、記事の次の指摘がマインドフルネスに関連するとされています。
    「先生が失望されたような自己愛的な行動や組織防衛あるいは相互依存自己愛的 な行動や組織防衛あるいは相互依存からは、決して新たな真の社会貢献は生まれ ないでしょう。 多くの方は世の中の不条理に抗しきれず目標を下げ妥協して、自分の生活に関係 する関心事のみを追求する、安全な道を模索し始めますが、先生は異なっている ようです。」
 何かのサービス(医療、心理、宗教、学問、ビジネス、官庁のサービスなど、マインドフルネスも)を提供する個 人、それが所属する組織、そのいくつかの組織が連合した同業者団体、関連する利益共同体ができるが 、「自己愛的な行動や組織防衛あるいは相互依存自己愛的な行動や組織防衛ある いは相互依存」が起り、個人のエゴ、組織のエゴ、業界、関連するネットワークのエゴが生じている。 組織、業界に属する個人の中には、組織のエゴ、業界のエゴを苦々しく思う誠実 な個人もいるが、組織、業界の方針、スローガンにさからうと、その権力、財力 、多数の力によって、降格、左遷、不利な扱い、追放される不安を感じて、迎合、妥協せざるを得ない。 自分の生活の安全を優先させるほかない。
 この結果は、外部の患者、クライエント、顧客、信者に、エゴのないサービス は提供されない。質の低いものが提供される。損をこうむるのは、誰か。
 マインドフルネスは、そういうものだから、何かに 執着(金儲け心、名誉心、地位、他者の支配など。)の強い人が、やってはいけ ないものだ。大乗仏教でも、そういう警告をしている。我欲、執着の強い人は、他者を支援するような立場にはならないほうがいいという。仏教のスキル、人の苦脳を扱えるスキルを使って自分の利益(金銭、集団や世間の地位名誉、依存させる欲、異性の支配、ほか多数)をむさぼるようになるからでしょう。
 西田幾多郎は、指摘した。人(あなたも、私も)は必ず主観的、独断的、自己中心的、自 己愛的な(一言でいえば我利我執)行動をするものである。必ず誰でもそれがあ る。しかし、なるべく「創造的世界の創造的要素」として、自分(個人、組織、 業界、国)だけの利益ではなく、自分を没して、物となって考え、物となって行 動すること、世界の立場から見ることが、真に世界を創造することだと言った。 それが、マインドフルネスである。そうでないと、苦しむ人を作る、苦しむ人が 救われない。
 マインドフルネスの核心であるのに、エゴの自覚、エゴの抑制、すなわち、世 界の側から見ることをしないマインドフルネスは、浅く、形式的で、第3世代の 認知行動療法とは言えないのだろう。
(続く)
<目次>エゴイズムの自覚=マインドフルネス
Posted by MF総研/大田 at 19:28 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL