(5)むやみに努力しないこと [2012年05月26日(Sat)]
種々のマインドフルネス&アクセプタンス
(20)ジョン・カバト・ツィン氏の哲学
(5)むやみに努力しないこと
マインドフルネス&アクセプタンス(M&A)を世界的にしたジョン
・カバト
・ツィン氏のマインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)にあ
る7つの態度は、東洋哲学にもある。静座瞑想、ヨーガ瞑想、ボディ
スキャンをする時に、この態度で行う。
- (1)自分で評価をくださないこと
- (2)忍耐づよいこと
- (3)初心を忘れないこと
- (4)自分を信じること
- (5)むやみに努力しないこと
「"無理をせずに、自分という存在が見えてくるような新しい見方
をしよう"ということです。そのためには、むやみに努力しないとい
う態度を意識的に身につけるようにしなければならないのです。」
「結果を急いでむやみに努力しようとしたりしないで、瞬間瞬間の
事柄に注意を集中し、受け入れる、ということなのです。忍耐づよく
規則正しくとり組んでさえいれば、ゴールはおのずとちかづいてきま
す。」(ツイン、1993)
静座瞑想、ヨーガ瞑想、ボディスキャンを忍耐強く続けるのである
が、無理にたくさんするのではない。
道元には、次の注意の言葉がある。
「所期も無く所求も無く所得もなふして、無利に先聖の道を行じ祖
祖の行履を行ずべきなり。」
「学人の第一の用心は先づ我見を離るべし。・・・
たとひ古人の語話を究め常坐鉄石の如くなりとも、此の身に著して離
れずんば、万劫千生にも仏祖の道を得るべからず。」
(懷奘,1991)
必ずしも同じではないが、心の観察が主な課題であるから、やりす
ぎて
身体を疲労させてはいけない。また、方法を間違うとうまくいかない
。また、極端な腹式呼吸法もすすめることはできない。
心の観察には、無理な呼吸法は不要であり、害になる。
襌の修行の場合には、坐禅(瞑想)は時間的にはたくさん行うことを
すすめる。心の観察であるから、不快なことを考え続けるよりは、瞑
想の時間が多いのも悪いわけではない。なお、うつ病などを改善
するためには、毎日30分することが望まれる。こういうのは「むや
みな努力」ではない。時間が少ないと、効果が現れにくい。この態度は、熟練した支援者にたずねるべきで
ある。
- (6)受け入れること(アクセプタンスの中核となる態度)
- (7)とらわれないこと
注
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1993 ジョン・カバト・ツィン「生命力がよみがえる瞑想健康法
」春
木豊訳、
pp62-64
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懷奘,1991、「正法眼藏随聞記」岩波書店、p80およびp88
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セプタンス
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Posted by
MF総研/大田
at 20:54
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マインドフルネス心理療法
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