<目次>日本にあったマインドフルネス [2012年05月13日(Sun)]
<連続記事>日本にあったマインドフルネス(1)
=鎌倉時代に自覚された
=絶対的アクセプタンスと絶対的マインドフルネス
=その後長く日本文化の根底に流れた
=明治以後現代もなお芸術で表現する人が現れる
精神や物質の奥底に何かを見る日本人
マインドフルネス、アクセプタンス(M&A)が盛んに喧伝されるようになりま
した。マインドフルネスは必ず、アクセプタンスと対になります。何のために
マインドフルネスなのか、アクセプタンスのためだからです。何のためにアク
セプタンスなのか、マインドフルネスのためです。
何のために、マインドフルネス、アクセプタンスなのか、そうなれない問題、
葛藤、不十分に感じる思いがあるからです。何とかしたいと思う人が多いから
です。「私は幸福だ。もう学ぶことはない。成長する必要もない。他の人を支援しようとも思わない
」という人には、M&Aは無用でしょう。しかし、欧米の人は、現代科学的な医療やこれまでの心理学
だけでは解決できない身体症状、精神症状、葛藤、社会問題(覚せい剤、暴力
など)を何とかできないかとM&Aを推進しています。
日本も同様に、これまでの薬物療法、心理療法、臨床心理学には、もう一つ
足りないものを感じて、「自分のこの問題を何とかしたい。他の支援をしてい
るが、何とかしてあげられる新しい手法を知りたい。」と思う人が多いから、日本
でも、M&Aが注目されて、次々と欧米のマインドフルネスの本が日本語に翻訳さ
れています。M&Aがたくさん翻訳されて、形式的にはM&Aとは何かがわかったのですから、もうそろそろ、日
本のM&Aを発掘する方向の研究をする時ではないでしょうか。
なぜなら、M&Aは、昔から日本にあったものであり、欧米のものと違って、日
本的な深いものを持つからです。日本人の心の原点のようなものを日本のM&Aは
持っているのです。そのことを西田哲学で紹介してきましたが、
今度は、鈴木大拙でみていきます。鈴木大拙の著書は欧米に翻訳されましたか
ら、それを読んだ欧米のマインドフルネス心理療法者から、「鈴木大拙のいう日本的
霊性を本場、日本人のあなたなら知っているはずだ。教えて欲しい。」と言わ
れるかもしれません。その時、日本人の専門家が説明できないのも残念なことでしょう。
鈴木大拙は、日本人は精神や物質の根底に何かがあると見ていて、あるものを日本的霊性と呼んでいます。インド仏教、中国襌や浄土教にも見られない、日本独特のものであると
いっています。だから、M&Aを初期仏教やインド仏教、中国襌に求めると微妙な違いがあって、日本人にはそぐわないかもしれません。日本人が鎌倉時代に創造したM&Aではなくて、日本人の魂の底までも納
得できるM&Aにはならないかもしれません。表面的には、浄土真宗とキリスト教
とは類似するところがあるようですが、
やはり、日本人には、阿弥陀仏の悲願
に包まれた(アクセプタンスです)ものが、はいりやすいのでしょう。
日本人の心の構造がそういうふうなものを求めるからでしょう。
西田哲学でも、深い自己を、日本の道元の襌と親鸞の念仏のところに見てい
ます。それらをすべて包む(アクセプタンス)のが「絶対無」ですが、宗教者は、宗教的な用語を
用いているのです。深いマインドフルネス、アクセプタンスは、昔から日本に
あったものです。日本的霊性です。親鸞の「大悲」、道元の「仏性」「証」が根底の器です、アクセプタンスです。その光に照らされて、自己のあるがままが映されます。
西田哲学では絶対無、そこから必然的に表面にマインドフルネスの行(念仏、坐禅)が
現われてきます。マインドフルネスに「きづき」と定義するひともいますが、悲願に照らされて新しい自己に気づくから、マインドフルネス(即アクセプタンス)を「気づき」と言ってもよいのです。しかし、「気づいて」何をするか、価値実現、自己実現の行動でしょう。そして、満足するのです。慈悲、仏性に包まれて不快なものもその光で照らしてあるがままにしておいて(アクセプタンス)、個性的に自分の好きになれること(自利、利他)を行動していく(マインドフルネス)のです。利他が自利となるような行動でしょう。根底に霊性があるから2つは一つです。
こういうのが、鈴木大拙の日本的霊性です。鎌倉時代に自覚されてそれ以来、広い領域に、影響を与えてきました。
では、鈴木大拙の言葉を見ていきます。
日本にあったマインドフルネス・目次
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★メディアも経営上から深い仏教やマインドフルネスを伝えることが難しい
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Posted by
MF総研/大田
at 08:16
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マインドフルネス心理療法
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