• もっと見る
«自己洞察瞑想療法(SIMT)の入門(1) | Main | 知らない自分を愛することはできない»
自己洞察瞑想療法(SIMT)の入門(2) [2012年05月05日(Sat)]

自己洞察瞑想療法(SIMT)の入門(2)
 =マインドフルネス心理療法の一種
 =日本で開発された
 =西田哲学に基づく

現代は、非定型うつ病や不安障害が治りにくい
  =認知(思考)レベルでなく意志作用レベルだから

 以前は、メランコリー型うつ病がよく見られていました。 抑うつ症状や頭脳が回転しない症状がずっと継続しますので、 非定型うつ病のような拒絶過敏性はありません。症状の変動もありません。ず ーっと低調です。こういううつ病には、認知療法でじっくりと否定的な思考を 肯定な思考に変えていくことで、ゆっくりと回復したのでしょう。前頭前野や 抑うつ症状を引き起こす脳領域の変調が徐々に回復するのです。思考(認知) の反応が問題であって、そのために、前頭前野や抑うつ症状の部位に変化を起 こしたのです。
 しかし、非定型うつ病や不安障害は、変調を起こしている脳神経の部位が違 います。前頭前野の機能低下はないようです。また、症状が発作的に悪化します。 時間をかけてじっくりと考えを変える という方針では、改善しません。まさに 、その瞬間に、うまく反応しないと、行動(=意志作用)が変わらず、そのために、症状が回復しないという「発作性」の問題があります。意志作用 を欠くという問題です。合理的な智慧を言われて、納得はする(思考作用)が しかし、まさにその場面になると、対人関係で激しく感情を起こして、冷静な 反応、行動ができない。相手についきつい反応行動をしたり、回避、逃避する 。これは、まさに意志作用レベルです。第2世代の認知療法が効果が十分では ないのは、非定型うつ病、不安障害です。こういう問題で苦悩する人が増えて きたのが、現代日本の特徴です。発作性の行動には、薬物療法はあまり効果が ありません。非定型うつ病に多い「鉛様麻痺感」を引き起こす部位は、「抑う つ症状」とは症状が違うので、薬物療法の効き目も違います。
 非定型うつ病が長引くと、メランコリー型うつ病の様相も加味されますので 、鉛様麻痺感に加えて、抑うつ症状、希死念慮・自殺念慮も加わり、非常に深 刻な状況になります。薬物療法で、抑うつ症状は軽くなっても、拒絶過敏性に よる感情的行動思考、鉛様麻痺感にはあまり効きません。不安障害も治りにくく、つらいも のだから、否定的思考を繰り替えすので、うつ病を併発して非定型うつ病になる 人が多いです。非定型うつ病、不安障害に共通なことは、発作的な反応(感情、対人反応、行動)があることです。認知療法や他のカウンセリングでは治りにくいようです。
 このような、非定型うつ病、不安障害も自己洞察瞑想療法(SIMT)で軽くなる 人がおられます。 意志作用レベルを変えるからであると私は推測しています。

(続)
Posted by MF総研/大田 at 19:10 | マインドフルネス心理療法 | この記事のURL